❝露と落ち露と消えにしバブルかな浪花の事は夢のまた夢❞豊臣秀吉の辞世の句のモジりですが、「いかに栄華を極めても全ては夢の中の出来事のようにほんの一瞬のこと」不動産バブルも儚くはじけるかもしれません。しかし、筆者は一度手放したら手に入れられない優良不動産は持ち続けることに価値があるとの持論があり、好立地、高収益の物件は手放しません。異常な高値を続けている高層マンションは不況にならなくとも、頭打ちになるはずです。不動産が右肩上がりに上がり続ける楽な経済は終わり、暴落、暴騰を繰り返す経済へと移行しています。こうなると、値上がり益だけに頼れず、価値観の多様化などという生活スタイルも出てきます。30年住宅ローンを支払い続け、購入価格より、査定価格が下がっていれば30年間何をしてたんだ。と思えるでしょう。要は金、伴侶は人生の最大の課題で、学歴などその下なのです。
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私は東京23区すべてと川崎市で供給される新築マンションの動向をくまなくチェックしている。最近、顕著になってきたのは完成在庫の増加と微妙な価格調整だ。価格調整とは、売れる水準までの値下げを意味する。それだけ販売が低調なのだ。
一方、山手線の内側とその周縁では事業用地の値上がりが今も続いている。高値をいとわず購入しているのはホテル業者とワンルームマンションの開発業者。彼らは事業用地を多少高く買っても採算の目途が立てられる。
■積み上がる在庫
そのあおりを受けているのが、分譲マンションを手掛けるデベロッパーだ。高値で事業用地を買ってしまうと、開発分譲する物件の価格を高く設定せざるを得ない。高くなると、当然販売の勢いが鈍る。そして完成在庫を積み上げることになる。その結果が今の市場で如実に表れている。
都内の港区や千代田区の1等地では、新築マンションの販売価格がこの5年間で1・5倍から2倍近くまで高騰した。それでも売れているケースもあれば、取り残された物件も多い。
デベロッパーで用地仕入れを担当している関係者に取材していると、都心の土地は現在進行形で値上がりを続けているそうだ。ということは、今後新たに販売される新築も、以前よりも高値で市場に売り出されるということになる。まさにバブルだ。
ただし、すでに新築は在庫の山を築いている。販売現場では価格調整(値下げ)や値引きがあたり前のようになってきた。だから、これから売り出される高値の新築も、一部の希少立地物件以外は販売の停滞が確実視できる。
マンションデベロッパーの一部には事業を縮小する動きもみられるが、それはまだ大きな流れにはなっていない。2019年の前半くらいまでは、今の流れで高値物件が市場に供給されるだろう。
もっとも、すでに市場は拒否反応を示しつつあるのだから、いずれは大きな調整を余儀なくされるのはみえている。
■金融緩和策は望み薄
平成になって30年。私の知る限り不動産市場は2回のバブルとその崩壊を経験した。今回は3回目とカウントできる。
19年の10月には消費税の増税も予定されている。過去2回の消費税率の引き上げ時には、景気後退が見られた。14年4月に5%から8%に引き上げられた時には、その年の9月に異次元金融緩和が行われたことで、景気の後退感が和らいだ。しかし、その副作用として現在の不動産局地バブルを招いている。
現在、長期金利は0%に近いので、かつてのような金融緩和策は取りえない。この不動産局地バブルが弾けても、有効な金融政策の選択肢はかなり狭まっているのだ。
不動産業界では「ババ抜き」というワードが囁かれ始めた。高値の物件を最後につかまされるのは誰なのか、というゲームが意識されている。
バブル崩壊の足音が近づいている。こういう時のマンション購入は慎重になるべきだ。
■榊淳司(さかき・あつし)氏