『こころの時間』のカールベッカー京大教授の言葉がありました。 日本人の「心の力」は死を恐れないところからきていた。 . . . 本文を読む
大阪・茨木市総持寺では4月15日から21日 秘仏本尊(千手観世音様)御開扉 西国御砂踏 があります。また4月18日は山陰流包丁式があります。ここの御本尊は亀の上にお立ちになっているようです。此の由来は、「今昔物語集巻二十九第廿九」に「亀報山陰中納言恩語 」として載っています。
「今昔、延喜の天皇1)の御代に、中納言藤原の山陰と云ふ人有けり。数の子有けるが、中に一人の男子有けり。形ち端正にして、父、 . . . 本文を読む
菩薩の行動は(衆生無辺誓願度という尽きることのない目的に向かっていくので)無目的的であるといってよい。此の点では自然界における他の存在と等しい、動物的または植物的だともいえる。なるほど今庭に飛んできた一羽の小鳥-- 人間的分別識の眼から見ると何か餌食を探しに来たのであらう。無目的的では決してない。或は他の生物を取って食べようといふのでもあらう。如何にも無惨だといってよい。ところがそれにもかかわらず . . . 本文を読む
「業に苦しむことが業を超越することになる」如上の所説を今少し他の形で申しますと、次のやうになります。人間である限りは業を離れるわけに行かぬと云ふことは人間は元来業そのものだからです。人間の在るところ、行くところには業は必ず影の形に添ふやうについてきます。併し人間が業を離れ業を越えることの出来るのは亦實に業につきまとわれて居るからです。普通に申しますと吾等は業繋の故に苦しむのでありますが、此の苦しみ . . . 本文を読む
淵野さんから遍路行の俳句の投稿をいただきました。
「炎天下 錫の音涼し 巡礼行
緑陰や 佛の慈悲が 身に滲みて
苦は消えて 楽のみ残る 遍路道
同じ日に 三度も 出会う 遍路縁
異邦人 とも話し合う 遍路縁
曼殊沙華 誘われ行けば 祖母の墓
棚経や 汗を拭きつつ 故郷(くに)の僧
盆法会 なすときゅうりの牛馬供え
かがり火に 群蛾身を焼き舞い上がる」 . . . 本文を読む
昨日叡尊と西大寺展(三井記念館)に行ってきました。叡尊様は鎮護国家の体現者で蒙古襲来時に石清水八幡様・伊勢神宮等に祈祷されて神風を起こされた方であるとともに、戒律を復活、苦しむ人を文殊菩薩に見立てて困民救済にも大功績をのこされた鎌倉期真言僧のスーパースターです。私の最も尊敬する方です。講員のSさんのご厚意で拝観券を頂いたことも不思議な有難いご縁と感謝しつつ拝観して来ました。
拝観した結論は、自分 . . . 本文を読む
21日は今年最後のお大師様の日だったので高野山のお参りさせていただきました。
いつもはあさ4時過ぎに奥の院におまいりするのですが冬は暗くて師僧等の墓地への道が分からないので今回は5時過ぎにお参りしました。それでも一の橋からすぐの参道には灯篭の火がなくて真っ暗で手探りで進みました。途中汗かき地蔵様のあたりの灯篭の火は私が通り過ぎると途端に消えてここも真っ暗となりすり足で進まざるを得ないようになりまし . . . 本文を読む
善根宿の遍路達
「二〇〇二年は、私たちにとって忘れられない年になりました。近年で一番うれしい出来事がありましたから」
善根宿まんだら(多度津町葛原)を開いている十川満さん(52)、まり子さん(52)夫妻は声をそろえる。
巡拝の度にまんだらを常宿にしていた「伝説のお遍路さん」が卒業、安住の地を得たからだ。夫妻が奔走し、県内の福祉施設への入所にこぎ着けた。
竹島キヨノさん=仮名=、七十四 . . . 本文を読む
第十二講 開かれたる秘密
故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰 掲諦掲諦 波羅掲諦 波羅僧掲諦 菩提薩婆訶 般若心経
(といいて般若波羅蜜多心経はんにゃはらみたしんぎょうを説き終わる)
秘密の世界
さてこれからお話し申し上げる所は『心経』の最後の一節でありまして、昔から秘蔵真言分と称せられて、一般に翻訳されずに、そのままに読誦どくじゅせられつつ、非常に尊重され、重要視されているのでありま . . . 本文を読む
昨日15日と今日16日お大師様の日の1週間前ですが恒例の高野山参拝をさせていただきました。高野山は前日に降ったという雪が数センチ積もっていて朝は零下でした。
いつものように朝四時半ころ一の橋から御参りをさせていただきましたが、まだ真っ暗でした。参道も一の橋からはいってすぐ灯篭の明かりがなくなり漆黒の闇となってしまいます。自分の下駄の音だけが参道に響いて不気味でしたが闇の中ではまったく手探りと . . . 本文を読む
いよいよ秋の結縁灌頂当日です。朝の生身供を拝したかったので金剛峰寺に八時半ころいきました。すごい人だかりです。結縁灌頂の列も長蛇の列で結局受けるのは午後三時半の組になりました。
それまで大変時間があるので、十善戒受戒、阿字観を体験することとしました。阿字観では阿字の前で拝していると阿字が段々御大師様に変わっていきます。なんだか夢を見ているようでした。そういうわけであっというまに阿字観も終わってしま . . . 本文を読む
秋の金剛界結縁灌頂編
10月になりました。最近長年祈ってきたことが最悪の結末になりました。春の結縁灌頂で治っていた片頭痛もぶり返し、日ごとに痛みを増し、右の頬から肩までズキズキと痛むようになっていました。心も体もへとへとでした。私は祈る力すら失っていました。
しかし高野山へ行けばまた祈る力が戻るだろうとの一縷の望みを込めて向かいました。今回は福聚講は行かないので、一人でのお参りです。途中高野山行 . . . 本文を読む
胎蔵界の結縁灌頂が終り、境内を参拝して歩きました。金剛峰寺では秘仏のお大師様が御開帳されており御姿が拝せました。本当にありがたい御姿です。ここでわたしは奥の院でみて後で求めようと思っていた、「身代わりお守り」を探しましたがありません。講員のTさんに「奥の院で見たみがわりお守りがないんですよ・・」と話すと、Tさんは「見たものはすぐにその場で買わないとだめです。しかしまた来る理由ができたでしょう」とい . . . 本文を読む
(昨日、灯篭堂の法会で死後の世界を思い浮かべたといいましたが)この気持ちは高野山にいる間ずっと続きました。普門院で朝のお勤めをしている間も「お葬式はこのろうそくの火のようなところ歩くのかなあ・・」と思いました。われながらどうして高野山に来て死後の世界ばかりがイメージでうかんでくるのか不思議です。
結縁灌頂は初日でしかも我々が一番でした。和尚様が朝早くから並んでくださったおかげです。結縁灌頂は大変素 . . . 本文を読む