般若心経講義
高神覚昇
序
いったい仏教の根本思想は何であるかということを、最も簡明に説くことは、なかなかむずかしいことではあるが、これを一言にしていえば、「空くう」の一字に帰するといっていいと思う。だが、その空は、仏教における一種の謎で、いわば公開せる秘密であるということができる。
何人にもわかっているようで、しかも誰にもほんとうにわかっていないのが空である。けだし、そ . . . 本文を読む
2、 捨身誓願(御年七歳、宝亀十一年、西暦780年)・・出釈迦寺(四国七十三番)
御大師様七歳の御時、衆生済度の願いを立てられここの捨身が岳から投身されました。境内の解説板です。
「捨身が岳禅定、弘法大師七歳の御時救世の大誓願を立て、五岳の随一たる当山に登り三世の諸仏十方の菩薩に念じ「我仏法に入て一切の衆生を済度せんと欲す、わが願い成就するならば釈迦牟尼世尊影現して證明を与えたまへ、成就せざるも . . . 本文を読む
法隆寺の玉虫厨子の捨身飼虎図は有名です。菩薩本生鬘論等に出てくるお話でお釈迦様は前世で薩埵王子だったとき、飢えた虎とその7匹の子のためにその身を投げ与えて虎の命を救った、というおはなしです。これは自己犠牲の精神を説いたものと思っていましたが最近、これはとんでもないことを説いている図であると思うようになりました。
つまりそれは一見「弱肉強食」と見えるこの世界を真理の目で見たら逆になると . . . 本文を読む