三代実録 / 元慶五年(881)十一月廿六日庚午条
「廿六日庚午 皇太后、太上天皇の奉為に 染殿宮に於いて 周忌の御斎会を設け 諸大寺の高僧を延べて法華経を講ずること五日訖を限る。 親王公卿及び五位已上は畢く会す。 京中の貧窮者を鴨河辺に召集し 之に賑給す。」
・天皇は陽成天皇。皇太后は清和天皇后藤原高子。太上天皇は清和天皇で元慶四年に薨じています。
・昔は皇族は折あるごとに肌理細かく庶民救済をされていました。
・染殿宮とは藤原良房の屋敷のことか。枕草子第一九段に「家は、 九重の御門、 二条宮居一条もよし。 染殿の宮、 清和院、 菅原の院。 冷泉院、 閑院、 朱雀院。 小野宮、 紅梅、 県の井戸。 竹三条、 小八条、 小一条。」とあり。