「座禅のときは澄み渡っていた心が日常生活に戻るとぐちゃぐちゃになる。これではだめだと思い、歎異抄で『地獄は一定すみかぞかし』をよみ、中村久子(脱疽で両手両足を失いつつも浄土真宗の信仰に生きた人。ヘレンケラーとあった時、彼女は中村久子の両手両足がないことを触感で知り、その足下に崩れ落ち、彼女を抱きしめ、「私よりもっと偉大な人、真の奇跡の人」と云ったという。)の紹介で甲斐 和里子(京都女子大学の前身、顕道女学院の創始者)に相談したとき女史に「宗教と人生の食い合わせがよくない」といったら女史は途中大声で「なんまんだぶ、なんまんだぶ」といいはじめた。それが自分にもうつってひとりでに念仏が出てきた。そして親鸞さんのいう「たまわりたる念仏」がわかった。そのあと白井成允師から「どうしようもないないものに『なんまんだぶ』が働かしてもらっている」といわれ、全法界が「なんまんだぶ」と言っていることがわかった。」(10,1,4、「心の時間」、西川玄苔老師)
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