福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は川端茅舎の命日です

2021-07-17 | 法話

今日は俳人川端茅舎の命日です。川端は1941年7月17日43歳で没しています。あまり知らない人だったのですが、京都の東福寺正覚庵に籠ったこともあるとウキぺデアにもあり俄かに親しみを思えます。句にもその影響か仏教的な句もあります。『茅舎浄土』と呼ぶようです。
作品はたしかに仏教的な雰囲気のものがあり、生家の田舎寺を思い出させました。

「麗かや砂糖を掬くふ散蓮華
春暁や先づ釈迦牟尼に茶湯して
春昼や人形を愛づる観世音
行春や茶屋になりたる女人堂
子守沙弥心経うたふおぼろかな
骨壷をいだいて春の天が下
春天に鳩をあげたる伽藍かな
涅槃会に吟じて花鳥諷詠詩
眉描いて来し白犬や仏生会
甘茶仏杓にぎはしくこけたまふ
灌仏や鳶の子笛を吹きならふ
御本山二十重の畦を塗りかたむ
木蓮の落ちくだけあり寂光土
花隠れ呪文きこゆるお滝様
蝶の空七堂伽藍さかしまに
一蝶に雪嶺の瑠璃ながれけり
足のうらそろへ給ひぬ涅槃像
土不踏ゆたかに涅槃し給へり
誰が懐炉涅槃の足に置きわすれ
花の奥鐘の響を撞きにけり
あかあかと彼岸微塵の仏かな
からくりの鉦うつ僧や閻魔堂
閻王や蒟蒻そなふ山のごと
御宝前のりだし給ふ閻魔かな
蒟蒻に切火たばしる閻魔かな
和尚また徳利さげくる月の庭
月の道踏み申す師の影法師
明月や碁盤の如き数珠屋町
観世音おはす花野の十字路

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