第二章 人の心とありのままの姿
第一節 変わり行くものには実体がない
一、 身も心も因縁によってできているものであるからこの身には実体はない。この身は因縁の集まりであり、だから無常なものである。
もしも、この身に実体があるならばわが身は、かくあれ、かくあることなかれとおもってその思いのままになし得るはずである。
王はその国において、罰すべきを罰し、賞すべきを賞して自分の思うとおりにすることができる。それなのに、願わないのに病み、望まないのに老い、一つとしてわが身については思うようにならない。
それと同じく、このこころにもまた実体はない。心もまた因縁の集まったものであり、常に移り変わるものである。
もしもこころに実体があるならば、かくあれ、かくあることなかれ、と思ってそのとおりにできるはずなのに、心は欲しないのに悪を思い、願わないのに善から遠ざかり、一つとして自分の思うようにはならない。
第一節 変わり行くものには実体がない
一、 身も心も因縁によってできているものであるからこの身には実体はない。この身は因縁の集まりであり、だから無常なものである。
もしも、この身に実体があるならばわが身は、かくあれ、かくあることなかれとおもってその思いのままになし得るはずである。
王はその国において、罰すべきを罰し、賞すべきを賞して自分の思うとおりにすることができる。それなのに、願わないのに病み、望まないのに老い、一つとしてわが身については思うようにならない。
それと同じく、このこころにもまた実体はない。心もまた因縁の集まったものであり、常に移り変わるものである。
もしもこころに実体があるならば、かくあれ、かくあることなかれ、と思ってそのとおりにできるはずなのに、心は欲しないのに悪を思い、願わないのに善から遠ざかり、一つとして自分の思うようにはならない。