福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験その24

2014-05-24 | 四国八十八所の霊験
16番から3キロで17番です。あっというまです。17番井戸寺のご本尊の七仏薬師如来は聖徳太子の作とされます。 弘仁6年(815)にこの地を巡錫されたお大師様は、八尺余り(約190cm)の十一面観世音菩薩や、十二神将四天王、 脇侍の日光菩薩と月光菩薩を刻んで安置されました。この十一面観世音菩薩は榧の木の一木一体造りで、 国宝に指定されていたが焼失したとのことです。また、杖で一夜のうちに井戸を掘られたところ、みるみる清水がわき出し 、水に映った御自分の姿を石に彫られた御尊像は、霊験あらたかな日限大師としてまつられています。御詠歌は 「おもかげを うつしてみれば 井戸の水 むすべば むねの あかや おちなむ」となっています。「空性法親王四国霊場巡行記」には「井戸寺の水に煩悩の垢を濯ぎて」とあり、澄禅「四国遍路日記」には「堂塔悉く退転して昔の礎のみなり、二間四面の草堂在り、是本堂なり。本尊薬師如来なり、寺は崩れ、浅ましき躰なり、住持の僧の無礼野卑なる様、言語に尽くし難し」とありました。

ここでは納経していただいたご住職とお接待談義になりました。澄禅の記したような無礼千万なご住職でなく、親しみやすい方でした。「昔は境内に緋毛氈を敷いてお遍路さんを接待したもんじゃ」とおっしやいました。
お接待について華厳経金剛憧菩薩品にはこうあります。
「菩薩摩訶薩若し飲を施す時はこのごとく回向すらく『この善根をもって一切の衆生をして法の甘露を飲みて菩薩の道を成じ、渇愛を除滅して常に大乗をねがひ五欲の愛を離れて浄法の愛を得しめ法身柔軟となり、三昧をもって心を調へ未だかって散乱せず、知恵の海に入りて大法の雲を興し、法の甘露を雨らしめん。』
・・・これはこれ菩薩摩訶薩の飲を布施する時の善根回向なり。」
 飲み物1つの接待にも一切衆生の成道を願うという願心をもてということでしょう。
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