還暦求聞持成満の記 その48

さきの大山師の文にさらにすごいことが書いてありました。「印契の尊さは口に真言を唱え、心三昧地に住することによってその威力を増すが故であって、「慈氏修諭誐法」をみるに「若しこの法をほうずるものは凡夫であって煩悩を断ぜずといえども、法力をもってのゆえに所作に従って聖尊の力を得、諸の賢聖や天竜八部の一切の鬼神等を駆使し敢えて違するところがない。これ全く法力の力の不思議なるが故で或はこの法をもって己身を印ずるに本尊の身とならざるなく、他身を印ずるにまたよく成ず。」・・
この境地は行をやった今では分かります。心口意の三密が揃えば所願成就することを遍路でも求聞持でも体験させていただいたような気がします。そしてその前提としてこの世は神仏の充満しておられる法界であることを感じることができるようになることが必須なのではないかと思います。