・十三佛は自己曼荼羅を導く究極の密教曼荼羅であること・・7
第六章、十三佛曼荼羅
十三佛曼荼羅は密教曼荼羅の最後の発達である。便宜のために三門に分かって説く。
第一縦説浅深差別門、第二横説囲繞平等門、第三三重流現深秘門。
第一縦説浅深差別門、これは十三仏を差別的に観察して浅より深に進み、不動明王より虚空蔵菩薩に至る浅深次第である。
是を図にすると以下の如くなる。
1、 不動明王・・・・・・・・・・・発心、教令輪身、初重、自証。
2、 釈迦如来・・壇波羅蜜、歓喜地、修行、正法輪身、第二重、自証。
3、 文殊菩薩・・戒波羅蜜、離垢地、修行、正法輪身、第二重、自証。
4、 普賢菩薩・・忍波羅蜜、発光地、修行、正法輪身、第二重、自証。
5、 地蔵菩薩・・進波羅蜜、炎慧地、修行、正法輪身、第二重、自証。
6、 弥勒菩薩・・禅波羅蜜、難勝地、修行、正法輪身、第二重、自証。
7、 薬師如来・・慧波羅蜜、現前地、修行、正法輪身、第二重、自証。
8、 観音菩薩・・方波羅蜜、遠行地、修行、正法輪身、第二重、自証。
9、 勢至菩薩・・願波羅蜜、不動地、修行、正法輪身、第二重、自証。
10、阿弥陀如来・力波羅蜜、善慧地、修行、正法輪身、第二重、自証。
11、阿閦如来・・智波羅蜜、法雲地、修行、正法輪身、第二重、自証。
12、大日如来・・・・・・・・・・・菩提、自性輪身、第三重、自証。
13、虚空蔵菩薩・・・・・・・・・・涅槃、総徳、 極最重、化他。
第一に不動明王を置きたるは不動明王は胎蔵界の教令輪身(導き難い相手を導く)であるからである。是は金剛界九会曼荼羅の上転門の順序の時に金剛界の教令輪身たる降三世明王が上転の第一会におわすのと同じことである(上転門とは悟りを求める心が悟りへ至る修行の過程を示すもので、金剛界九会曼荼羅上では外側下の降三世三昧耶会から上をめざして出発し、降三世会⇒理趣会⇒一印会⇒四印会⇒供養会⇒微細会⇒三昧耶会というぐあいに、左回りにぐるりと回って、最後は成身会に至る、という流れ)。先ず仏道を修行せんとせば第一に煩悩妄想を忿怒明王の威力によりて砕破しなければならぬからである。(「弘法大師逆修日記事」では「
・初七日、正月十六日、秦皇王、本地不動種子カン、無動経に曰く。諸の仏土を見んと欲すれば明王たちまちに出現し、行者を頂戴して能く之を見せシム。いかにいわんにゃ余の事をや。持に随って成就を得る。四悪趣に堕せず、決定して妙果を證せん。」とあり、印融の「諸尊表白集」でも「・・それ大聖不動明王といっぱ、大日如来の教令輪、悪魔降伏の忿怒尊なり、・・三千世界の間、驕慢の主、足を承け、一百由旬の内の鬼神、頭を低る。就中、行者発心の始めには擁護によって増長を得、如来成道の時には威力を現じて障礙を息む。この故に四十二地の菩薩、皆不動の加持によって発心修行し、三世十方の如来、悉く明王の降魔によって正覚円満す。文に云はく、一持秘密呪,生生而加護、奉仕主業者,猶如薄伽梵、といへり。ここを以て持つところは秘密の真言なり、一字含千里の徳、何ぞ末世を隔てん。修する所は威怒の深法なり。真言不思議の行、豈頓成無からんや。・・」とある。)
、
諸佛曼荼羅の2
第二・釈迦如来、第三・文殊菩薩、第四・普賢菩薩、は釈迦の三尊帳で文殊、普賢両菩薩は釈迦如来の脇侍ということもできる。(逆修日記では釈迦如来は「二七日、二月二九日、初江王、本地釈迦、種子サク、華厳経に曰く。「天人大覚尊を敬礼す。恒沙の福智皆円満し、因縁果正覚を成ず。住寿凝然として去来なし」とあります。印融の「諸尊表白集」では、「・・・娑婆に患難多し、唯し来たりてその難を除く、迷途に重苦あり、独り往きてその苦に代わる。利益衆生の応用、三世に休むことなく、化度衆生の方便、十方に限りなし。・・罪障を須臾に断じて十方佛土に往詣し、果位を現生に証して一乗の奥蔵を開くことを得ん。・・・」とあります。
第六章、十三佛曼荼羅
十三佛曼荼羅は密教曼荼羅の最後の発達である。便宜のために三門に分かって説く。
第一縦説浅深差別門、第二横説囲繞平等門、第三三重流現深秘門。
第一縦説浅深差別門、これは十三仏を差別的に観察して浅より深に進み、不動明王より虚空蔵菩薩に至る浅深次第である。
是を図にすると以下の如くなる。
1、 不動明王・・・・・・・・・・・発心、教令輪身、初重、自証。
2、 釈迦如来・・壇波羅蜜、歓喜地、修行、正法輪身、第二重、自証。
3、 文殊菩薩・・戒波羅蜜、離垢地、修行、正法輪身、第二重、自証。
4、 普賢菩薩・・忍波羅蜜、発光地、修行、正法輪身、第二重、自証。
5、 地蔵菩薩・・進波羅蜜、炎慧地、修行、正法輪身、第二重、自証。
6、 弥勒菩薩・・禅波羅蜜、難勝地、修行、正法輪身、第二重、自証。
7、 薬師如来・・慧波羅蜜、現前地、修行、正法輪身、第二重、自証。
8、 観音菩薩・・方波羅蜜、遠行地、修行、正法輪身、第二重、自証。
9、 勢至菩薩・・願波羅蜜、不動地、修行、正法輪身、第二重、自証。
10、阿弥陀如来・力波羅蜜、善慧地、修行、正法輪身、第二重、自証。
11、阿閦如来・・智波羅蜜、法雲地、修行、正法輪身、第二重、自証。
12、大日如来・・・・・・・・・・・菩提、自性輪身、第三重、自証。
13、虚空蔵菩薩・・・・・・・・・・涅槃、総徳、 極最重、化他。
第一に不動明王を置きたるは不動明王は胎蔵界の教令輪身(導き難い相手を導く)であるからである。是は金剛界九会曼荼羅の上転門の順序の時に金剛界の教令輪身たる降三世明王が上転の第一会におわすのと同じことである(上転門とは悟りを求める心が悟りへ至る修行の過程を示すもので、金剛界九会曼荼羅上では外側下の降三世三昧耶会から上をめざして出発し、降三世会⇒理趣会⇒一印会⇒四印会⇒供養会⇒微細会⇒三昧耶会というぐあいに、左回りにぐるりと回って、最後は成身会に至る、という流れ)。先ず仏道を修行せんとせば第一に煩悩妄想を忿怒明王の威力によりて砕破しなければならぬからである。(「弘法大師逆修日記事」では「
・初七日、正月十六日、秦皇王、本地不動種子カン、無動経に曰く。諸の仏土を見んと欲すれば明王たちまちに出現し、行者を頂戴して能く之を見せシム。いかにいわんにゃ余の事をや。持に随って成就を得る。四悪趣に堕せず、決定して妙果を證せん。」とあり、印融の「諸尊表白集」でも「・・それ大聖不動明王といっぱ、大日如来の教令輪、悪魔降伏の忿怒尊なり、・・三千世界の間、驕慢の主、足を承け、一百由旬の内の鬼神、頭を低る。就中、行者発心の始めには擁護によって増長を得、如来成道の時には威力を現じて障礙を息む。この故に四十二地の菩薩、皆不動の加持によって発心修行し、三世十方の如来、悉く明王の降魔によって正覚円満す。文に云はく、一持秘密呪,生生而加護、奉仕主業者,猶如薄伽梵、といへり。ここを以て持つところは秘密の真言なり、一字含千里の徳、何ぞ末世を隔てん。修する所は威怒の深法なり。真言不思議の行、豈頓成無からんや。・・」とある。)
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諸佛曼荼羅の2
第二・釈迦如来、第三・文殊菩薩、第四・普賢菩薩、は釈迦の三尊帳で文殊、普賢両菩薩は釈迦如来の脇侍ということもできる。(逆修日記では釈迦如来は「二七日、二月二九日、初江王、本地釈迦、種子サク、華厳経に曰く。「天人大覚尊を敬礼す。恒沙の福智皆円満し、因縁果正覚を成ず。住寿凝然として去来なし」とあります。印融の「諸尊表白集」では、「・・・娑婆に患難多し、唯し来たりてその難を除く、迷途に重苦あり、独り往きてその苦に代わる。利益衆生の応用、三世に休むことなく、化度衆生の方便、十方に限りなし。・・罪障を須臾に断じて十方佛土に往詣し、果位を現生に証して一乗の奥蔵を開くことを得ん。・・・」とあります。