善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)21
廿番目、南方安住城 不動優婆夷
大光王に教わった安住城の不動優婆夷を探していると、道行く人が「その信女(不動優婆夷)ならば屋敷に両親と共に住み人々に説法されています」という。
不動優婆夷の屋敷に近ずくと芳香が漂ってきた。不動優婆夷は童女の様相であったが容姿端麗で体中が輝いていた。善財童子は不動優婆夷によって、諸欲を離れる三昧・正しく物を見る三昧等の五百の三昧に入った。善財はこのような【菩薩の無壊の法門】にはどのようにして達したかと聞くと、不動優婆夷は、「昔電光王妃だったころ如来が『種々の煩悩を除く不屈の心、諸々の執着を離れる不敗の心、・・あらゆる佛にまみえようと願う心、あらゆる如来の法輪を保持する心・・を起こせ』とおおせになりそこで私は・・金剛のような心をおこした。其の時以来自我に執着せず、愛慾にまみれず、如来の法輪を護持してきた。その功徳で【菩薩の無壊の法門】を成就した。・・」と答える。
「我【菩薩の無壊の法門】を成就し・・
彼の如來に従ひて此法教清淨法門を聞き、一切智・如來十力・所言不虚・光明莊嚴・清淨法身・相好莊嚴・如來眷屬・嚴淨佛刹・如來威儀・如來壽命を求めたり。我是の心を発せし時、一切の煩惱・聲聞縁覺金剛諸山も壞すること能わざる所也。善男子よ、我此の心を発し已りて閻浮提微塵等劫において欲想を生ぜず。何況んや其事をや。そこばくの劫において自ら眷屬に瞋心を生ぜず。何況や餘人をや。そこばくの劫において我見心を生ぜず。況や我所心をや。そこばくの劫において愚癡心を生ぜず。無記心を生ぜず。乃至胎中にも常に正念を起こせり。何況や餘時においておや。
・・善男子よ我この無壊の法門に入りて一切法の平等陀羅尼を観察し無量の自在神変を顕現せり。・・・そのときに不動優婆夷は万の三昧に入り、・・所謂専ら正法を荘厳して心に疲厭なき三昧門・離痴荘厳三昧門・十力三昧門・佛無尽蔵三昧門を求め是の如き等の三昧門に住せし時十不可説の仏刹微塵に等しき世界は六種に震動し清きこと瑠璃の如く、一一の世界の中に各百億の如来を見奉り・・乃至大般涅槃を示現したまえり。善財よわれこの無壊の法門を成就して一切の衆生の為に微妙の法を説き皆歓喜せしむるのみ。・・」
この菩薩は五十二位の下から十九番目、十行の九番目ということで華厳五十五所絵巻でも「第九善法行」(力波羅蜜を修行し、円融の徳相が十方諸仏の軌則を成じ、十種の身となって一切の衆生を利益する行)と書かれています。
不動優婆夷という童女が様々な力を持っていることは柳田国男の「妹の力」を思い出します。
自分にも5歳年下の妹がいますが、妹は父親譲りのお人好しで人を批判したり傷つけることをしません。逆に嫁に行っても姑に気を遣いすぎて苦労しうつ病になりかけたこともあるくらいです。いまは孫も4人もできてすっかりいいお婆さんになって楽しく暮らしています。
廿番目、南方安住城 不動優婆夷
大光王に教わった安住城の不動優婆夷を探していると、道行く人が「その信女(不動優婆夷)ならば屋敷に両親と共に住み人々に説法されています」という。
不動優婆夷の屋敷に近ずくと芳香が漂ってきた。不動優婆夷は童女の様相であったが容姿端麗で体中が輝いていた。善財童子は不動優婆夷によって、諸欲を離れる三昧・正しく物を見る三昧等の五百の三昧に入った。善財はこのような【菩薩の無壊の法門】にはどのようにして達したかと聞くと、不動優婆夷は、「昔電光王妃だったころ如来が『種々の煩悩を除く不屈の心、諸々の執着を離れる不敗の心、・・あらゆる佛にまみえようと願う心、あらゆる如来の法輪を保持する心・・を起こせ』とおおせになりそこで私は・・金剛のような心をおこした。其の時以来自我に執着せず、愛慾にまみれず、如来の法輪を護持してきた。その功徳で【菩薩の無壊の法門】を成就した。・・」と答える。
「我【菩薩の無壊の法門】を成就し・・
彼の如來に従ひて此法教清淨法門を聞き、一切智・如來十力・所言不虚・光明莊嚴・清淨法身・相好莊嚴・如來眷屬・嚴淨佛刹・如來威儀・如來壽命を求めたり。我是の心を発せし時、一切の煩惱・聲聞縁覺金剛諸山も壞すること能わざる所也。善男子よ、我此の心を発し已りて閻浮提微塵等劫において欲想を生ぜず。何況んや其事をや。そこばくの劫において自ら眷屬に瞋心を生ぜず。何況や餘人をや。そこばくの劫において我見心を生ぜず。況や我所心をや。そこばくの劫において愚癡心を生ぜず。無記心を生ぜず。乃至胎中にも常に正念を起こせり。何況や餘時においておや。
・・善男子よ我この無壊の法門に入りて一切法の平等陀羅尼を観察し無量の自在神変を顕現せり。・・・そのときに不動優婆夷は万の三昧に入り、・・所謂専ら正法を荘厳して心に疲厭なき三昧門・離痴荘厳三昧門・十力三昧門・佛無尽蔵三昧門を求め是の如き等の三昧門に住せし時十不可説の仏刹微塵に等しき世界は六種に震動し清きこと瑠璃の如く、一一の世界の中に各百億の如来を見奉り・・乃至大般涅槃を示現したまえり。善財よわれこの無壊の法門を成就して一切の衆生の為に微妙の法を説き皆歓喜せしむるのみ。・・」
この菩薩は五十二位の下から十九番目、十行の九番目ということで華厳五十五所絵巻でも「第九善法行」(力波羅蜜を修行し、円融の徳相が十方諸仏の軌則を成じ、十種の身となって一切の衆生を利益する行)と書かれています。
不動優婆夷という童女が様々な力を持っていることは柳田国男の「妹の力」を思い出します。
自分にも5歳年下の妹がいますが、妹は父親譲りのお人好しで人を批判したり傷つけることをしません。逆に嫁に行っても姑に気を遣いすぎて苦労しうつ病になりかけたこともあるくらいです。いまは孫も4人もできてすっかりいいお婆さんになって楽しく暮らしています。