藥師3琉璃光如來本願功徳經
是の如く我れ聞きぬ.
一時,薄伽梵,諸國に遊化して廣嚴城に至り樂音樹下に住しき.大苾芻衆八千人と俱なりき. 菩薩摩訶薩は三萬六千あり,及び國王·大臣·婆羅門·居士·天·龍·藥叉·人·等と無量の大衆とに恭敬し圍遶せられて爲めに說法したまふ.
佛,曼殊室利に告げたまはく.
「東方に此より去ること十殑伽沙等の佛土を過ぎて,世界有り淨琉璃と名く.佛をば藥師琉璃光如來·應·正等覺·明行圓滿·善逝·世間解·無上調御丈夫·天人師·佛·薄伽梵と號す..
曼殊室利よ,彼の佛世尊,藥師琉璃光如來,本,菩薩の道を行ぜし時,十二の大願を發し,諸の有情をして求むる所をば皆得せしめたり.
第一の大願とは,願くは我れ來世に阿耨多羅三藐三菩提を得ん時,自身の光明熾然として無量無數無邊の世界を照曜し,三十二大丈夫の相,八十隨好を以つて其の身を莊嚴し,一切の有情をして我が如く異なること無からしめん.
第二の大願とは.願くは我れ來世に菩提を得ん時,身は琉璃の如くにして內外明徹し,淨くして瑕穢無く,光明廣大に功巍巍として,身善く安住し,焰網莊嚴すること日月よりも過ぎたり.幽冥の衆生は悉く開曉を蒙つて,意の所趣に隨つて諸の事業を作さん
第三の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,無量無邊の智慧方便を以つて,諸の有情をして皆無盡なる所受用物を得せしめ,衆生をして乏少なる所有らしむること莫けん.
第四の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情の邪道を行ずる者をば悉く菩提道の中に安住せしめん.若し聲聞,獨覺乘を行ずる者をば皆大乘を以つて之れを安立せん.
第五の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し無量無邊の有情の我が法の中に於いて梵行を修行すること有らんに,一切皆不缺乘を得,三聚戒を具すること得せしめん.
第六の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情の其身下劣にして諸根不具․醜陋頑愚․盲聾瘖瘂․攣躄背僂․白癩癲狂,種種の病苦あらん.我が名を聞き已らば一切皆端正黠慧にして諸根完具し諸の疾苦無きことを得ん.
第七の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情に衆病逼切して救ひ無く歸する無く醫無く藥無く親無く家無く貧窮多苦ならんに,我が名號一たび其の耳に經れんに,衆經悉く除こり身心安樂にして,家屬資具悉く皆豊足し,乃至無上菩提を證得せん
第八の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し女人有つて女の百惡に逼惱せらるゝ爲めに極めて厭離を生じ女身を捨せんこと願はんに,我が名を聞き已らば一切皆女を轉じて男と成り丈夫の相を具することを得ん.乃至無上菩提を證得せん.
第九の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,諸の有情をして魔の羂網を出し一切の外道の纏縛を解脫せしめん.若し種種なる惡見の稠林に墮せば,皆當に引攝して正見に置き漸く諸の菩薩の行を修習せしめ速かに無上正等菩提を證せしめん.
第十の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情,王法に錄せられ,縲縛鞭撻し牢獄に繫閉せられ,或は刑戮に當り及び餘の無量の災難に凌辱せられ悲愁煎迫して,身心に苦を受けんに,若し我が名を聞かば我が福威神力を以つての故に,皆一切の憂苦を解脫することを得ん.
第十一の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情の飢渴に惱まされ食を求めんが爲の故に諸の惡行を造らんにも,我が名を聞くことを得て專念に受持せば,我れ當に先づ上妙の飮食を以つて其の身を飽足せしめ,後に法味を以つて畢竟じて安樂にして之れを建立すべし.
第十二の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若しも諸の有情,貧しくして衣服無く,蚊虻寒熱,晝夜逼惱せんに.若し我が名を聞き專念に受持せば,其の好む所の如く卽ち種種なる上妙の衣服を得,亦一切寶莊嚴の具,華鬘․塗香․鼓樂․衆伎を得,心の所翫に隨つて皆滿足せしめん.
曼殊室利よ.是れを彼の世尊,藥師琉璃光如來,應,正等覺が菩薩の道を行ぜし時,發したまひし所の十二微妙の上願と爲す.
復次に曼殊室利よ.彼の世尊,藥師琉璃光如來が菩薩の道を行じたまひし時,發せし所の大願及び彼の佛土の功莊嚴をば,我れ若しは一劫,若しは一劫の餘り說くとも盡すこと能はじ.
然も彼の佛土は一向淨にして女人有ること無く,亦惡趣及び苦の音聲も無く,琉璃を地と爲し,金繩をもて道を界ひ,城闕宮閣·軒窓羅網,皆七寶をもて成ぜり.亦西方極樂世界の如く功莊嚴等しくして差別無し.其の國の中に於いて二りの菩薩摩訶薩有り,一りをば日光遍照と名け,二りをば月光遍照と名く.是れ彼の無量無數の菩薩衆の上首なり.悉く能く彼の世尊,藥師琉璃光如來の正法寶藏を持てり.
是の故に曼殊室利よ,諸の信心有る善男子善女人等は應當に彼の佛の世界に生まれんと願うべし」と.
爾の時,世尊,復,曼殊室利童子に告げて言く.「曼殊室利よ,諸の有情,善惡を識らず唯貪悋を懷いて布施及び施の果報を知らず,愚癡無知にして信根を闕き,多く財寶を聚め勤めて守護を加へ,乞者の來るを見ては其の心喜ばず設ひ已むを獲ずして施しを行ふ時には身肉を割くが如く深く痛惜を生ずること有り.復,無量の慳貪なる有情有り.資材を積集して其れを自身に於いてすら尙ほ受用せず,何に況や父母․妻子․․作使及び來乞者に與へんや. 彼の諸の有情は此より命終して,餓鬼界或は傍生趣に生ぜん.
昔,人間にして曾つて暫く藥師琉璃光如來の名を聞くことを得たるに由るが故に,今惡趣に在っても暫く彼の如來の名を憶念することを得ん,卽ち念ずる時に於いて彼の處より沒して還って人中に生じて宿命念を得,惡趣の苦を畏れ欲樂を樂はず,好んで惠施を行ひ施者を讚嘆して,一切の所有をば悉く貪惜すること無く,漸次に尙ほ能く頭目手足血肉身分を以って來求者に施さん.況や餘の財物をや.復次に曼殊室利よ.若し諸の有情,如來に於いて諸の學處を受くと雖も尸羅を破らん.尸羅を破らずと雖も軌則を破ること有らん.尸羅軌則に於いて壞らざることを得ると雖も然も正見を毁ること有らん.正見を毁らずと雖も多聞を棄て佛の所說の契經の深義に於いて解了すること能はざること有らん.多聞と雖も上慢なること有って,上慢にて心を覆蔽するに由るが故に,自らを是とし他を非とす.正法を嫌謗して魔の伴黨とならん.
是の如く愚人は自ら邪見を行じ,復,無量俱胝の有情をして大險坑に墮せしめん.此の諸の有情は應に地獄․傍生․鬼趣に於いて流轉窮り無かるべし.若し此の藥師琉璃光如來の名號を聞くことを得ば,便ち惡行を捨て諸の善法を修して惡趣に墮ちじ.設し諸の惡行を捨て善法を修行すること能はずして惡趣に墮する者有るとも,彼の如來の本願の威力を以って,其れをして現前に暫く名號を聞かしめ.彼より命終して還って人趣に生まれて,正見精進を得,善く意樂を調へ,便ち能く家を捨てゝ非家に趣き如來の法の中にして學處を受持し毁犯有ること無く,正見多聞にして甚深の義を解り,上慢を離れ正法を謗らず魔の伴と爲らず,漸次に諸の菩薩の行を修行して速かに圓滿することを得せしめん.
復次に曼殊室利よ.若し諸の有情,慳貪嫉妬にして自讚毁他して,當に三惡趣の中に墮して無量千歲,諸の劇苦を受け,劇苦を受け已って,彼より命終して人間に來生せんに,牛馬駝驢と作り恒に鞭撻せられて飢渴に逼惱し,叉常に重きを負ふて路に隨って行き,或は人と爲ることを得ては下賤に生居し,人のと作って他の驅役を受け,恒に自在ならず, 若し昔,人中にして曾つて世尊藥師琉璃光如來の名號を聞きなば,此の善因に由って今復,憶念して至心に歸依すれば佛の神力を以って,衆苦より解脫し,諸根聰利に智慧多聞あって恒に勝法を求め,恒に善友に遇ひ,永く魔羂を斷ち,無明の[殼]を破し,煩惱の河を竭し,一切の生老病死憂愁苦惱を解脫せん.
復次に曼殊室利よ.若し諸の有情,好憙で乖離し,更に相ひ鬪訟して自他を惱亂し,身語意を以って種種の惡行を造作し長し,展轉して常に不饒益の事を爲し,互に相ひ謀害し,山林樹塚等の神に告召して,諸の衆生を殺し其の血肉を取って藥叉,羅刹婆等を祭祀し,怨人の名を書き,其の形像を作り惡呪術を以って之れを呪咀し,魘魅し蟲道し屍鬼を呪起して, 彼の命を斷ち及び其の身を壞らしめん. 是の諸の有情,若し此の藥師琉璃光如來の名號を聞くことを得ば,彼の諸の惡事悉く害すること能はず,一切展轉して皆慈心を起し利益し安樂して損惱の意及び嫌恨の心無く,各各歎して自の所受に於いて,喜足を生じ相ひ侵凌せず,互に饒益を爲さん
復次に曼殊室利よ.若し四衆の苾芻․苾芻尼․鄔波索迦․鄔波斯迦及び餘の淨信の善男子․善女人等有って,能く八分齋戒を受持すること,或は一年を經,或は復三月,學處を受持すること有らん.此の善根を以って西方極樂世界無量壽佛の所に生じて正法を聽聞せんことを願って而も未だ定らざる者,若し世尊藥師琉璃光如來の名號を聞かば,命終の時に臨んで,八大菩薩有り,其の名を文殊師利菩薩․觀世音菩薩․得大勢菩薩․無盡意菩薩․寶檀華菩薩․藥王菩薩․藥上菩薩․彌勒菩薩と曰ふ.八大菩薩は空に乘じて來って其の道路を示し,卽ち彼の界,種種の雜色,衆寶華の中に於いて自然に化生せん.或は此れに因って天上に生ずること有らん. 天中に生ずと雖も而も本の善根亦未だ窮盡せず,復更に諸餘の惡趣に生ぜず.天上の壽盡きて還人間に生れ,或は輪王と爲って四洲を統攝し威自在にして,無量百千の有情を十善道に安立し,或は刹帝利․婆羅門․居士大家に生じ,多く饒かなる財寶倉庫に盈溢し,形相端嚴にして眷屬具足し,聰明にして智慧あり,勇健にして威猛あり,大力士の如くならん.若し是の女人,世尊,藥師琉璃光如來の名號を聞くことを得て,至心に受持せば,後に於いて復更に女 爾の時,曼殊室利童子,佛に白して言さく. 「世尊,我れ當に誓って佛法轉時に於いて種種の方便を以って,諸の淨信の善男子,善女人等をして世尊藥師琉璃光如來の名號を聞くことを得せしめ,乃至睡中にも亦,佛の名を以って其の耳を覺悟せしむべし.世尊よ,若し此の經に於いて受持し讀誦し,或は復他の爲めに演說し開示し,若しは自らも書し若しは他をて書かしめ,恭敬尊重し種種の花香․塗香․末香․燒香․花鬘․瓔珞․幡蓋․伎樂を以って供養を爲し,五色の綵を以って囊を作りて之れを盛れ,淨處を掃灑して高座を敷設して用つて安處せば,爾の時,四大天王は其の眷屬及び餘の無量百千の天衆と,皆其の所に詣り供養し守護すれば,世尊よ,若し此の經寶流行の處,能く受持すること有らば,彼の世尊藥師琉璃光如來の本願功及び名號を聞くを以って,當に知るべし是の處,復,死無く,亦復諸の惡鬼神に其の精氣を奪れじ.設ひ已に奪はるゝ者も還故の如く身心安樂なることを得せしめん」と. 佛,曼殊室利に告げたまはく.「是くの如し,是くの如し,汝が說く所の如し.曼殊室利よ,若し淨信の善男子,善女人等有って,彼の世尊藥師琉璃光如來を供養せんと欲せば,應に先づ彼の佛の形像を造立し淨の座を敷き之れを安處すべし.種種の花を散じ種種の香を燒き,種種の幢幡を以って其の處を莊嚴し,七日七夜,八分齋戒を受持し,淨の食を食し,澡浴香潔し,新淨の衣を著して應に無垢濁心,無怒害心を生じて一切有情に於いて利益安樂․恚悲喜捨․平等の心を起すべし.鼓樂歌讚して佛像を右に遶ぐり,復,應に彼の如來の本願功を念じて此の經を讀誦し,其の義を思惟し演說し開示すべし.樂求する所に隨って一切皆遂げん.長壽を求むれば長壽を得,富饒を求むれば富饒を得,官位を求むれば官位を得,男女を求むれば男女を得ん.
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大唐三藏法師玄奘奉詔譯
如是我聞。一時薄伽梵遊化諸國至廣嚴城 住樂音樹下。(いちじばかぼんゆげしょこくしこんごんじょう じゅらくおんじゅげ)
與大苾芻衆八千 人倶 菩薩摩訶薩三萬六千。(やだいひすうしゅうはっせんにん く ばさつまかさつ さんんまんろくせん)
及國王大臣婆羅門居士。天龍藥叉人等。(ぎゅうこくおうだいじんばらもんこじ てんりゅうやしゃにんぴにんとう)
無量大衆恭敬圍繞 而爲説法(むりょうだいしゅきょうけいいにょう にいいせっぽう)
(爾時曼殊室利法王子。承佛威神從座而
起偏袒一肩右膝著地。向薄伽梵曲躬合
掌白言。世尊。惟願演説如是相類諸佛名號
及本大願殊勝功徳。令諸聞者業障銷除。爲
欲利樂像法轉時諸有情故
爾時世尊讃曼殊室利童子言。善哉善哉曼
殊室利。汝以大悲勸請我説諸佛名號本
願功徳。爲拔業障所纒有情。利益安樂
像法轉時諸有情故。汝今諦聽極善思惟。當
爲汝説。曼殊室利言。唯然願説。我等樂聞)
佛告曼殊室利。東方去此過十殑伽沙等佛土(ぶつごうまんじゅしり とうほうこしかじゅうけいかしゃとう ぶつど)
有世界名淨琉璃。佛號藥師琉璃光如來應正等覺明行圓滿(うせかいみょううじょうるり ぶつごうやくしるりこうにょらいしょうとうかくみょう ぎょうえんまん)
善逝世間解無上丈夫調御士天人師佛薄伽梵。(ぜんせいせけんげむじょうし ちょうごしてんにんしぶつばがぼん)
曼殊室利。彼佛世尊藥師琉璃光如來。本行菩薩道時發十二大願。令諸有情所求皆得(まんじゅしり ひぶつせそんやくしるりこうにょらいほんぎょうぼさつどうじほつ十二だいがん りょうしょうじょうしょぐかいとく)
第一大願。願我來世得阿耨多羅三藐三菩提時。(だいいちだいがん がんがらいせとくあのくたらさんみゃくさんぼだいじ9
自身光明熾然。照曜無量無數無邊世界。(じしんこうみょうしゃくねん しょうむりょうむしゅむへんせかい)
以三十二大丈夫相八十隨好莊嚴其身。令一切有情如我無異
第二大願。願我來世得菩提時。身如琉璃
内外明徹淨無瑕穢。光明廣大功徳巍巍。身
善安住焔網莊嚴過於日月。幽冥衆生悉蒙
開曉。隨意所趣作諸事業
第三大願。願我來世得菩提時。以無量無
邊智慧方便。令諸有情皆得無盡。所受用
物。莫令衆生有所乏少
第四大願。願我來世得菩提時。若諸有情
行邪道者。悉令安住菩提道中。若行聲聞
獨覺乘者。皆以大乘而安立之
第五大願。願我來世得菩提時。若有無量
無邊有情。於我法中修行梵行。一切皆令
得不缺戒具三聚戒。設有毀犯聞我名
已。還得清淨不墮惡趣
第六大願。願我來世得菩提時。若諸有情。
其身下劣諸根不具。醜陋頑愚盲聾瘖瘂5攣
躄背僂白癩癲狂種種病苦。聞我名已一切
皆得端正黠慧。諸根完具無諸6疾苦
第七大願。願我來世得菩提時。若諸有情。
衆病逼切無救無歸無醫無藥無親無家
貧窮多苦。我之名號一經其耳。衆病悉7得
除身心安樂。家屬資具悉皆豐足。乃至證得
無上菩提
第八大願。願我來世得菩提時。若有女人。
爲女百惡之所逼惱。極生厭離願捨女身。
聞我名已一切皆得轉女成男具丈夫相。
乃至證得無上菩提
第九大願。願我來世得菩提時。令諸有情。
出魔羂網。解脱一切外道纒縛。若墮種種
惡見稠林。皆當引攝置於正見。漸令修習
諸菩薩行速證無上正等菩提
第十大願。願我來世得菩提時。若諸有情。
王法所8録。縲縛鞭撻繋閉牢獄或當9刑戮。
及餘無量災難10凌辱悲愁煎迫。身心受苦。
若聞我名。以我福徳威神力故。皆得解脱
一切憂苦
第十一大願。願我來世得菩提時。若諸有
情。飢渇所惱。爲求食故造諸惡業。得聞
我名專念受持。我當先以上妙飮食飽足
其身。後以法味。畢竟安樂而建立之
第十二大願。願我來世得菩提時。若諸有
情。貧無衣服。蚊虻寒熱晝夜逼惱。若聞我
名專念受持。如其所好即得種種上妙衣
服。亦得一切寶莊嚴具華鬘塗香鼓樂衆伎。
隨心所翫皆令滿足
曼殊室利。是爲彼世尊藥師琉璃光如來應
正等覺行菩薩道時所發十二微妙上願」
復次曼殊室利。彼世尊藥師琉璃光如來行
菩薩道時。所發大願及彼佛土功徳莊嚴。我
若一劫若一劫餘説不能盡。然彼佛土一向
清淨無有女人。亦無惡趣及苦音聲。琉璃
爲地。金繩界道。城闕宮閣軒窓羅網皆七寳
成。亦如西方極樂世界。功徳莊嚴等無差
別。於其國中有二菩薩摩訶薩。一名日光
遍照。二名月光遍照。是彼無量無數菩薩衆
之上首。11悉能持彼世尊藥師琉璃光如來正
法寶藏。是故曼殊室利諸有信心善男子善
女人等。應當願生彼佛世界
爾時世尊復告曼殊師利童子言。曼殊室利。
有諸衆生。不識善惡唯懷貪悋。不知布
施及施果報。愚癡無智闕於信根。多聚財
寳勤加守護。見乞者來其心不喜。設不獲
已而行施時。如割身肉深生痛惜。復有
無量*慳貪有情。積集資財。於其自身尚
不受用。何況能與父母妻子作使及來
乞者。彼諸有情從此命終。生餓鬼界或12傍
生趣。由昔人間曾得暫聞藥師琉璃光如來
名故。13念在惡趣。暫得憶念彼如來名。即
於念時從彼處沒還生人中。得宿命念
畏惡趣苦不樂欲樂。好行惠施讃歎施
者。一切所有悉無貪惜。漸次尚能以頭目手
足血肉身分施來求者。況餘財物
復次曼殊室利。若諸有情。雖於如來受諸
學處。而破尸羅。有雖不破尸羅而破軌
則。有於尸羅軌則雖得不壞然毀正見。
有雖不毀正見而棄多聞於佛所説契
經深義不能解了。有雖多聞而14増上慢。
由増上慢覆蔽心故。自是非他嫌謗正法
爲魔伴黨。如是愚人自行邪見。復令無量
倶胝有情墮大險坑。此諸有情。應於地獄
傍生鬼趣流轉無窮。若得聞此藥師琉璃
光如來名號。便捨惡行修諸善法。不墮惡
趣。設有不能捨諸惡行修行善法。墮惡
趣者。以彼如來本願威力。令其現前暫聞
名號。從彼命終還生人趣。得正見精進善
調意樂。便能捨家趣於非家如來法中。受
持學處無有毀犯。正見多聞解甚深義。離
増上慢不謗正法。不爲魔1伴。漸次修行
諸菩薩行速得圓滿
復次曼殊室利。若諸有情慳貪嫉妬自讃毀
他。當墮三惡趣中。無量千歳受諸劇苦。受
劇苦已。從彼命終來生人間。作牛馬駝驢。
恒被鞭撻。飢渇逼惱。又2常負重隨路而行。
或得爲人生居下3賤。作人受他驅
役。恒不自在。若昔人中。曾聞世尊藥師琉
璃光如來名號。由此善因4今復憶念至心
歸依以佛神力衆苦解脱。諸根聰利智慧多
聞。恒求勝法常遇善友。永斷魔羂破無明
。竭煩惱河解脱一切生老病死憂5愁苦
惱
復次曼殊室利。若諸有情好喜乖離更相鬥
訟惱亂自他。以身語意造作増長種種惡
業。展轉常爲不饒益事。互相謀害。告召山
林樹塚等神。殺諸衆生取其血肉祭祀藥
叉6羅刹7娑等。書怨人名作其形像以惡
咒術而咒咀之。厭媚蠱道咒起屍鬼。令斷
彼命及壞其身。是諸有情若得聞此藥師
琉璃光如來名號彼諸惡事悉不能害。一切
展轉皆起慈心。利益安樂無損惱意及嫌恨
心。各各歡悦於自所受生於喜足。不相侵
8凌互爲饒益
復次曼殊室利。若有四衆苾芻苾芻尼鄔波
索迦鄔波斯迦。及餘淨信善男子善女人等。
有能受持八分齋戒。9或經一年或復三月
受持學處。以此善根願生西方極樂世界
無量壽佛所。聽聞正法而未定者。若聞世
尊藥師琉璃光如來名號。臨命終時有八
10菩薩。11乘神通來示其道路。即於彼界
種種雜色衆寶華中自然化生。或有因此
生於天上。雖生天中而本善根亦未窮盡。
不復更生諸餘惡趣。天上壽盡還生人間。
或爲輪王統攝四洲。威徳自在安立無量
百千有情於十善道。或生刹帝利婆羅門居
士大家。多饒財寳倉庫盈溢。形相端嚴眷屬
具足。聰明智慧。勇健威猛如大力士。若是女
人得聞世尊藥師12如來名號至心受持。於
後不復更受女身
13爾時曼殊室利童子白佛言。世尊我當誓
於像法轉時。以種種方便。令諸淨信善男
子善女人等得聞世尊藥師琉璃光如來名
號。乃至睡中亦以佛名覺悟其耳。世尊若
於此經受持讀誦。或復爲他演説開示。若
自書若14教人書。恭敬尊重以種種花香塗
香15末香燒香花鬘瓔珞幡蓋伎樂而爲供養。
以五色綵作嚢盛之。掃灑淨處敷設高座
而用安處。爾時四大天王與其眷屬及餘無
量百千天衆。皆詣其所供養守護。世尊若此
經寶流行之處。有能受持。以彼世尊藥師琉
璃光如來本願功徳及聞名號。當知是處無
復横死。亦復不爲諸惡鬼神奪其精氣。設
已奪者還得如故。身心安樂
佛告曼殊室利。如是如是如汝所説。曼殊
室利。若有淨信善男子善女人等。欲供養
彼世尊藥師琉璃光如來者。應先造立彼佛
形像敷清淨座而安處之。散種種花燒種
種香。以種種幢幡莊嚴其處。七日七夜受
16持八分齋戒。食清淨食澡浴香潔著新淨
衣。應生無垢濁心無怒害心。於一切有情
起利益安樂慈悲喜捨平等之心。鼓樂歌讃
右繞佛像。復應念彼如來本願功徳17讀誦
此經思惟其義演説開示。隨所樂18求一
切皆遂。求長壽得長壽。求富饒得富饒。
求官位得官位。求男女得男女。若復有
人忽得惡夢。見諸惡相或怪鳥來集。或於
住處百怪出現。此人若以衆妙資19具。恭敬
供養彼世尊藥師琉璃光如來者。惡夢惡相
諸不吉祥皆悉隱沒不能爲患。或有水火
刀毒懸嶮惡象師子虎狼熊羆毒蛇惡蠍蜈蚣
蚰1蜓蚊虻等怖。若能至心憶念彼佛恭敬
供養。一切怖畏皆得解脱。若他國侵擾盜賊
反亂。憶念恭敬彼如來者亦皆解脱
復次曼殊室利。若有淨信善男子善女人等。
乃至盡形不事餘天。2惟當一心歸佛法
僧受持禁戒。若五戒十戒菩薩四百戒苾芻
二百五十戒苾芻尼五百戒。於所受中或有
毀犯怖墮惡趣。若能專念彼佛名號恭敬
供養者。必定不受三惡趣生。或有女人臨
當産時受於極苦。若能至心稱名禮讃恭
敬供養彼如來者。衆苦皆除。所生之子身分
具足。形色端正見者歡喜。利根聰明安隱少
病無有奪其精氣
爾時世尊告阿難言。如我稱揚彼佛世尊
藥師琉璃光如來所有功徳。此是諸佛甚深
行處難可解了。汝爲信不。阿難白言。大徳
世尊。我於如來所説契經不生疑惑。所以
者何。一切如來身語意業無不清淨。世尊。
此日月輪可令墮落妙高山王可使傾動。
諸佛所言無有異也。世尊。有諸衆生信根
不具。聞説諸佛甚深行處。作是思惟。云何
但念藥師琉璃光如來一佛名號便獲爾所
功徳勝利。由此不信3反生誹謗。彼於長
夜失大利樂墮諸惡趣流轉無窮。佛告阿
難。是諸有情。若聞世尊藥師琉璃光如來名
號。至心受持不生疑惑。墮惡趣者無有是
處。阿難。此是諸佛甚深所行難可信解。汝
今能受。當知皆是如來威力。阿難。一切聲聞
獨覺及未登地諸菩薩等。皆悉不能如實信
解。惟除一生所繋菩薩。阿難。人身難得。於
三寶中信敬尊重亦難可得。得聞世尊藥
師琉璃光如來名號復難於是。阿難。彼藥師
琉璃光如來無量菩薩行。無量4善巧方便。無
量廣大願。我若一劫若一劫餘而廣説者。劫
可速盡。彼佛行願善巧方便無有盡也
爾時衆中有一菩薩摩訶薩。名曰救脱。即從
座起偏袒5右肩。右膝著地曲躬合掌。而
白佛言。大徳世尊。像法轉時。有諸衆生。爲
種種患之所困厄。長病羸痩不能飮食。喉
脣乾燥見諸方暗。死相現前。父母親屬朋
友知識啼泣圍繞。然6彼自身臥在本處。見
琰魔使引其神識至于琰魔法王之前。然
諸有情有倶生神。隨其所作若罪若福皆具
書之。盡持授與琰魔法王。爾時彼王推問
其人。算計所作隨其罪福而處斷之。時
彼病人親屬知識。若能爲彼歸依世尊藥師
琉璃光如來。請諸衆僧轉讀此經。然七層
之燈懸五色續命神幡。或有是處彼識得
還。如在夢中明了自見。或經七日或二十
一日或三十五日或四十九日。彼識還時。如
從夢覺皆自憶知善不善業所得果報。由
自證見業果報故。乃至7命難亦不造作諸
惡之業。是故淨信善男子善女人等。皆應
受持藥師琉璃光如來名號。隨力所能恭敬
供養
爾時阿難問救脱菩薩曰。善男子。應云何
恭敬供養彼世尊藥師琉璃光如來。續命幡
燈復云何造。救脱菩薩言。大徳。若有病人
欲脱病苦。當爲其人。七日七夜受持八分
齋戒。應以飮食及餘資具。隨力所辦供養
苾芻僧。晝夜六時禮拜供養彼世尊藥師琉
璃光如來。讀誦此經四十九遍。然四十九
燈。造彼如來形像七躯。一一像前各置8七
燈。一一燈量大如車輪。乃至四十九日光明
不絶。造五色綵9幡長四十九搩手。應放
雜類衆生至四十九。可得過度危厄之難。
不爲諸横惡鬼所持
復次阿難。若刹帝利灌頂王等。災難起時。所
謂人衆疾疫難。他國侵逼難。自界叛逆難。星
宿變怪難。日月10薄蝕難。非時風雨難。過時
不雨難。彼刹帝利灌頂王等。爾時應於一
切有情起慈悲心赦諸繋閉依前所説供
養之法供養彼世尊藥師琉璃光如來。由此
善根及彼如來本願力故。令其國界即得安
隱。風雨順時穀稼成熟。一切有情無病歡樂。
於其國中。無有暴11虐藥叉等神惱有情
者。一切惡相皆即隱沒。而刹帝利灌頂王等。
壽命色力無病自在皆得増益。阿難若帝后
妃主儲君王子大臣輔相中宮12釆女百官黎
庶。爲病所苦及餘厄難。亦應造立五色神
13旛然燈續明。放諸生命。散雜色華燒衆
名香。病得除愈衆難解脱
爾時阿難問救脱菩薩言。善男子。云何已
盡之命而可増益。救脱菩薩言。大徳。汝豈
不聞如來説有九横死1耶。是故勸造續
命幡燈修諸福徳。以修福故盡其壽命
不經苦患。阿難問言。九横云何。救脱菩薩
言。2有諸有情。得病雖輕然無醫藥及看病
者。3設復遇醫授以非藥。實不應死而便
横死。又信世間邪魔外道4妖之師。妄説
禍福便生恐動。心不自正卜問覓禍。殺種
種衆生解奏神明呼諸魍魎請乞福祐欲
冀延年。終不能得。愚癡迷惑信邪倒見。遂
令横死入於地獄無有出期。是名初横。二
者横被王法之所誅戮。三者畋獵嬉戲。耽
婬嗜酒放逸無度。横爲奪其精氣。
四者横爲火焚。五者横爲水溺。六者横爲
種種惡獸所噉。七者横墮山崖。八者横爲毒
藥厭祷咒咀起屍鬼等之所中害。九者飢渇
所困不得飮食而便横死。是爲如來略説
横死有此九種。其餘復有無量諸横難可
具説
復次阿難。彼琰魔王主領世間名籍之記。若
諸有情不孝五逆破辱三寶壞君臣法毀
於信戒。琰魔法王隨罪輕重考而罰之。是
故我今勸諸有情然燈造幡放生修福。
令度苦厄不遭衆難
爾時衆中有十二藥叉大將倶在會坐。所謂
宮毘羅大將 5伐折羅大將
迷企羅大將 安6底羅大將
頞儞羅大將 珊*底羅大將
因達羅大將 波夷羅大將
摩虎羅大將 眞達羅大將
招杜羅大將 毘羯羅大將
此十二藥叉大將。一一各有七千藥叉以爲
眷屬。同時擧聲白佛言。世尊。我等今者蒙
佛威力。得聞世尊藥師琉璃光如來名號。不
復更有惡趣之怖。我等相7率皆同一心。乃
至盡形歸佛法僧。誓當荷負一切有情爲
作義利饒益安樂。隨於何等村城國邑空閑
林中。若有流布此經或復受持藥師琉璃
光如來名號恭敬供養者。我等眷屬衞護是
人。皆使解脱一切苦難。諸有願求悉令滿
足。或有疾厄求度脱者。亦應讀誦此
經以五色縷結我名字得如願已然後解
結
爾時世尊讃諸藥叉大將言。善哉善哉大藥
叉將。汝等念報世尊藥師琉璃光如來恩徳
者。常應如是利益安樂一切有情
爾時阿難白佛言。世尊。當何名此法門我
等云何奉持。佛告阿難。此法門名説藥師琉
璃光如來本願功徳。亦名説十二神將饒益
有情結願神咒。亦名拔除一切業障。應如是
持。時薄伽梵説是語已。諸菩薩摩訶薩及大
聲聞。國王大臣婆羅門居士。天龍藥叉8
達縛阿素洛掲路荼緊捺洛莫呼洛伽人
等。一切大衆聞佛所説。皆大歡喜信受奉行
藥師琉璃光如來本願功徳經
弟子賈崇俊願平安
廣徳二年十二月十五日
發心寫藥師經一卷
是の如く我れ聞きぬ.
一時,薄伽梵,諸國に遊化して廣嚴城に至り樂音樹下に住しき.大苾芻衆八千人と俱なりき. 菩薩摩訶薩は三萬六千あり,及び國王·大臣·婆羅門·居士·天·龍·藥叉·人·等と無量の大衆とに恭敬し圍遶せられて爲めに說法したまふ.
佛,曼殊室利に告げたまはく.
「東方に此より去ること十殑伽沙等の佛土を過ぎて,世界有り淨琉璃と名く.佛をば藥師琉璃光如來·應·正等覺·明行圓滿·善逝·世間解·無上調御丈夫·天人師·佛·薄伽梵と號す..
曼殊室利よ,彼の佛世尊,藥師琉璃光如來,本,菩薩の道を行ぜし時,十二の大願を發し,諸の有情をして求むる所をば皆得せしめたり.
第一の大願とは,願くは我れ來世に阿耨多羅三藐三菩提を得ん時,自身の光明熾然として無量無數無邊の世界を照曜し,三十二大丈夫の相,八十隨好を以つて其の身を莊嚴し,一切の有情をして我が如く異なること無からしめん.
第二の大願とは.願くは我れ來世に菩提を得ん時,身は琉璃の如くにして內外明徹し,淨くして瑕穢無く,光明廣大に功巍巍として,身善く安住し,焰網莊嚴すること日月よりも過ぎたり.幽冥の衆生は悉く開曉を蒙つて,意の所趣に隨つて諸の事業を作さん
第三の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,無量無邊の智慧方便を以つて,諸の有情をして皆無盡なる所受用物を得せしめ,衆生をして乏少なる所有らしむること莫けん.
第四の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情の邪道を行ずる者をば悉く菩提道の中に安住せしめん.若し聲聞,獨覺乘を行ずる者をば皆大乘を以つて之れを安立せん.
第五の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し無量無邊の有情の我が法の中に於いて梵行を修行すること有らんに,一切皆不缺乘を得,三聚戒を具すること得せしめん.
第六の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情の其身下劣にして諸根不具․醜陋頑愚․盲聾瘖瘂․攣躄背僂․白癩癲狂,種種の病苦あらん.我が名を聞き已らば一切皆端正黠慧にして諸根完具し諸の疾苦無きことを得ん.
第七の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情に衆病逼切して救ひ無く歸する無く醫無く藥無く親無く家無く貧窮多苦ならんに,我が名號一たび其の耳に經れんに,衆經悉く除こり身心安樂にして,家屬資具悉く皆豊足し,乃至無上菩提を證得せん
第八の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し女人有つて女の百惡に逼惱せらるゝ爲めに極めて厭離を生じ女身を捨せんこと願はんに,我が名を聞き已らば一切皆女を轉じて男と成り丈夫の相を具することを得ん.乃至無上菩提を證得せん.
第九の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,諸の有情をして魔の羂網を出し一切の外道の纏縛を解脫せしめん.若し種種なる惡見の稠林に墮せば,皆當に引攝して正見に置き漸く諸の菩薩の行を修習せしめ速かに無上正等菩提を證せしめん.
第十の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情,王法に錄せられ,縲縛鞭撻し牢獄に繫閉せられ,或は刑戮に當り及び餘の無量の災難に凌辱せられ悲愁煎迫して,身心に苦を受けんに,若し我が名を聞かば我が福威神力を以つての故に,皆一切の憂苦を解脫することを得ん.
第十一の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若し諸の有情の飢渴に惱まされ食を求めんが爲の故に諸の惡行を造らんにも,我が名を聞くことを得て專念に受持せば,我れ當に先づ上妙の飮食を以つて其の身を飽足せしめ,後に法味を以つて畢竟じて安樂にして之れを建立すべし.
第十二の大願とは,願くは我れ來世に菩提を得ん時,若しも諸の有情,貧しくして衣服無く,蚊虻寒熱,晝夜逼惱せんに.若し我が名を聞き專念に受持せば,其の好む所の如く卽ち種種なる上妙の衣服を得,亦一切寶莊嚴の具,華鬘․塗香․鼓樂․衆伎を得,心の所翫に隨つて皆滿足せしめん.
曼殊室利よ.是れを彼の世尊,藥師琉璃光如來,應,正等覺が菩薩の道を行ぜし時,發したまひし所の十二微妙の上願と爲す.
復次に曼殊室利よ.彼の世尊,藥師琉璃光如來が菩薩の道を行じたまひし時,發せし所の大願及び彼の佛土の功莊嚴をば,我れ若しは一劫,若しは一劫の餘り說くとも盡すこと能はじ.
然も彼の佛土は一向淨にして女人有ること無く,亦惡趣及び苦の音聲も無く,琉璃を地と爲し,金繩をもて道を界ひ,城闕宮閣·軒窓羅網,皆七寶をもて成ぜり.亦西方極樂世界の如く功莊嚴等しくして差別無し.其の國の中に於いて二りの菩薩摩訶薩有り,一りをば日光遍照と名け,二りをば月光遍照と名く.是れ彼の無量無數の菩薩衆の上首なり.悉く能く彼の世尊,藥師琉璃光如來の正法寶藏を持てり.
是の故に曼殊室利よ,諸の信心有る善男子善女人等は應當に彼の佛の世界に生まれんと願うべし」と.
爾の時,世尊,復,曼殊室利童子に告げて言く.「曼殊室利よ,諸の有情,善惡を識らず唯貪悋を懷いて布施及び施の果報を知らず,愚癡無知にして信根を闕き,多く財寶を聚め勤めて守護を加へ,乞者の來るを見ては其の心喜ばず設ひ已むを獲ずして施しを行ふ時には身肉を割くが如く深く痛惜を生ずること有り.復,無量の慳貪なる有情有り.資材を積集して其れを自身に於いてすら尙ほ受用せず,何に況や父母․妻子․․作使及び來乞者に與へんや. 彼の諸の有情は此より命終して,餓鬼界或は傍生趣に生ぜん.
昔,人間にして曾つて暫く藥師琉璃光如來の名を聞くことを得たるに由るが故に,今惡趣に在っても暫く彼の如來の名を憶念することを得ん,卽ち念ずる時に於いて彼の處より沒して還って人中に生じて宿命念を得,惡趣の苦を畏れ欲樂を樂はず,好んで惠施を行ひ施者を讚嘆して,一切の所有をば悉く貪惜すること無く,漸次に尙ほ能く頭目手足血肉身分を以って來求者に施さん.況や餘の財物をや.復次に曼殊室利よ.若し諸の有情,如來に於いて諸の學處を受くと雖も尸羅を破らん.尸羅を破らずと雖も軌則を破ること有らん.尸羅軌則に於いて壞らざることを得ると雖も然も正見を毁ること有らん.正見を毁らずと雖も多聞を棄て佛の所說の契經の深義に於いて解了すること能はざること有らん.多聞と雖も上慢なること有って,上慢にて心を覆蔽するに由るが故に,自らを是とし他を非とす.正法を嫌謗して魔の伴黨とならん.
是の如く愚人は自ら邪見を行じ,復,無量俱胝の有情をして大險坑に墮せしめん.此の諸の有情は應に地獄․傍生․鬼趣に於いて流轉窮り無かるべし.若し此の藥師琉璃光如來の名號を聞くことを得ば,便ち惡行を捨て諸の善法を修して惡趣に墮ちじ.設し諸の惡行を捨て善法を修行すること能はずして惡趣に墮する者有るとも,彼の如來の本願の威力を以って,其れをして現前に暫く名號を聞かしめ.彼より命終して還って人趣に生まれて,正見精進を得,善く意樂を調へ,便ち能く家を捨てゝ非家に趣き如來の法の中にして學處を受持し毁犯有ること無く,正見多聞にして甚深の義を解り,上慢を離れ正法を謗らず魔の伴と爲らず,漸次に諸の菩薩の行を修行して速かに圓滿することを得せしめん.
復次に曼殊室利よ.若し諸の有情,慳貪嫉妬にして自讚毁他して,當に三惡趣の中に墮して無量千歲,諸の劇苦を受け,劇苦を受け已って,彼より命終して人間に來生せんに,牛馬駝驢と作り恒に鞭撻せられて飢渴に逼惱し,叉常に重きを負ふて路に隨って行き,或は人と爲ることを得ては下賤に生居し,人のと作って他の驅役を受け,恒に自在ならず, 若し昔,人中にして曾つて世尊藥師琉璃光如來の名號を聞きなば,此の善因に由って今復,憶念して至心に歸依すれば佛の神力を以って,衆苦より解脫し,諸根聰利に智慧多聞あって恒に勝法を求め,恒に善友に遇ひ,永く魔羂を斷ち,無明の[殼]を破し,煩惱の河を竭し,一切の生老病死憂愁苦惱を解脫せん.
復次に曼殊室利よ.若し諸の有情,好憙で乖離し,更に相ひ鬪訟して自他を惱亂し,身語意を以って種種の惡行を造作し長し,展轉して常に不饒益の事を爲し,互に相ひ謀害し,山林樹塚等の神に告召して,諸の衆生を殺し其の血肉を取って藥叉,羅刹婆等を祭祀し,怨人の名を書き,其の形像を作り惡呪術を以って之れを呪咀し,魘魅し蟲道し屍鬼を呪起して, 彼の命を斷ち及び其の身を壞らしめん. 是の諸の有情,若し此の藥師琉璃光如來の名號を聞くことを得ば,彼の諸の惡事悉く害すること能はず,一切展轉して皆慈心を起し利益し安樂して損惱の意及び嫌恨の心無く,各各歎して自の所受に於いて,喜足を生じ相ひ侵凌せず,互に饒益を爲さん
復次に曼殊室利よ.若し四衆の苾芻․苾芻尼․鄔波索迦․鄔波斯迦及び餘の淨信の善男子․善女人等有って,能く八分齋戒を受持すること,或は一年を經,或は復三月,學處を受持すること有らん.此の善根を以って西方極樂世界無量壽佛の所に生じて正法を聽聞せんことを願って而も未だ定らざる者,若し世尊藥師琉璃光如來の名號を聞かば,命終の時に臨んで,八大菩薩有り,其の名を文殊師利菩薩․觀世音菩薩․得大勢菩薩․無盡意菩薩․寶檀華菩薩․藥王菩薩․藥上菩薩․彌勒菩薩と曰ふ.八大菩薩は空に乘じて來って其の道路を示し,卽ち彼の界,種種の雜色,衆寶華の中に於いて自然に化生せん.或は此れに因って天上に生ずること有らん. 天中に生ずと雖も而も本の善根亦未だ窮盡せず,復更に諸餘の惡趣に生ぜず.天上の壽盡きて還人間に生れ,或は輪王と爲って四洲を統攝し威自在にして,無量百千の有情を十善道に安立し,或は刹帝利․婆羅門․居士大家に生じ,多く饒かなる財寶倉庫に盈溢し,形相端嚴にして眷屬具足し,聰明にして智慧あり,勇健にして威猛あり,大力士の如くならん.若し是の女人,世尊,藥師琉璃光如來の名號を聞くことを得て,至心に受持せば,後に於いて復更に女 爾の時,曼殊室利童子,佛に白して言さく. 「世尊,我れ當に誓って佛法轉時に於いて種種の方便を以って,諸の淨信の善男子,善女人等をして世尊藥師琉璃光如來の名號を聞くことを得せしめ,乃至睡中にも亦,佛の名を以って其の耳を覺悟せしむべし.世尊よ,若し此の經に於いて受持し讀誦し,或は復他の爲めに演說し開示し,若しは自らも書し若しは他をて書かしめ,恭敬尊重し種種の花香․塗香․末香․燒香․花鬘․瓔珞․幡蓋․伎樂を以って供養を爲し,五色の綵を以って囊を作りて之れを盛れ,淨處を掃灑して高座を敷設して用つて安處せば,爾の時,四大天王は其の眷屬及び餘の無量百千の天衆と,皆其の所に詣り供養し守護すれば,世尊よ,若し此の經寶流行の處,能く受持すること有らば,彼の世尊藥師琉璃光如來の本願功及び名號を聞くを以って,當に知るべし是の處,復,死無く,亦復諸の惡鬼神に其の精氣を奪れじ.設ひ已に奪はるゝ者も還故の如く身心安樂なることを得せしめん」と. 佛,曼殊室利に告げたまはく.「是くの如し,是くの如し,汝が說く所の如し.曼殊室利よ,若し淨信の善男子,善女人等有って,彼の世尊藥師琉璃光如來を供養せんと欲せば,應に先づ彼の佛の形像を造立し淨の座を敷き之れを安處すべし.種種の花を散じ種種の香を燒き,種種の幢幡を以って其の處を莊嚴し,七日七夜,八分齋戒を受持し,淨の食を食し,澡浴香潔し,新淨の衣を著して應に無垢濁心,無怒害心を生じて一切有情に於いて利益安樂․恚悲喜捨․平等の心を起すべし.鼓樂歌讚して佛像を右に遶ぐり,復,應に彼の如來の本願功を念じて此の經を讀誦し,其の義を思惟し演說し開示すべし.樂求する所に隨って一切皆遂げん.長壽を求むれば長壽を得,富饒を求むれば富饒を得,官位を求むれば官位を得,男女を求むれば男女を得ん.
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大唐三藏法師玄奘奉詔譯
如是我聞。一時薄伽梵遊化諸國至廣嚴城 住樂音樹下。(いちじばかぼんゆげしょこくしこんごんじょう じゅらくおんじゅげ)
與大苾芻衆八千 人倶 菩薩摩訶薩三萬六千。(やだいひすうしゅうはっせんにん く ばさつまかさつ さんんまんろくせん)
及國王大臣婆羅門居士。天龍藥叉人等。(ぎゅうこくおうだいじんばらもんこじ てんりゅうやしゃにんぴにんとう)
無量大衆恭敬圍繞 而爲説法(むりょうだいしゅきょうけいいにょう にいいせっぽう)
(爾時曼殊室利法王子。承佛威神從座而
起偏袒一肩右膝著地。向薄伽梵曲躬合
掌白言。世尊。惟願演説如是相類諸佛名號
及本大願殊勝功徳。令諸聞者業障銷除。爲
欲利樂像法轉時諸有情故
爾時世尊讃曼殊室利童子言。善哉善哉曼
殊室利。汝以大悲勸請我説諸佛名號本
願功徳。爲拔業障所纒有情。利益安樂
像法轉時諸有情故。汝今諦聽極善思惟。當
爲汝説。曼殊室利言。唯然願説。我等樂聞)
佛告曼殊室利。東方去此過十殑伽沙等佛土(ぶつごうまんじゅしり とうほうこしかじゅうけいかしゃとう ぶつど)
有世界名淨琉璃。佛號藥師琉璃光如來應正等覺明行圓滿(うせかいみょううじょうるり ぶつごうやくしるりこうにょらいしょうとうかくみょう ぎょうえんまん)
善逝世間解無上丈夫調御士天人師佛薄伽梵。(ぜんせいせけんげむじょうし ちょうごしてんにんしぶつばがぼん)
曼殊室利。彼佛世尊藥師琉璃光如來。本行菩薩道時發十二大願。令諸有情所求皆得(まんじゅしり ひぶつせそんやくしるりこうにょらいほんぎょうぼさつどうじほつ十二だいがん りょうしょうじょうしょぐかいとく)
第一大願。願我來世得阿耨多羅三藐三菩提時。(だいいちだいがん がんがらいせとくあのくたらさんみゃくさんぼだいじ9
自身光明熾然。照曜無量無數無邊世界。(じしんこうみょうしゃくねん しょうむりょうむしゅむへんせかい)
以三十二大丈夫相八十隨好莊嚴其身。令一切有情如我無異
第二大願。願我來世得菩提時。身如琉璃
内外明徹淨無瑕穢。光明廣大功徳巍巍。身
善安住焔網莊嚴過於日月。幽冥衆生悉蒙
開曉。隨意所趣作諸事業
第三大願。願我來世得菩提時。以無量無
邊智慧方便。令諸有情皆得無盡。所受用
物。莫令衆生有所乏少
第四大願。願我來世得菩提時。若諸有情
行邪道者。悉令安住菩提道中。若行聲聞
獨覺乘者。皆以大乘而安立之
第五大願。願我來世得菩提時。若有無量
無邊有情。於我法中修行梵行。一切皆令
得不缺戒具三聚戒。設有毀犯聞我名
已。還得清淨不墮惡趣
第六大願。願我來世得菩提時。若諸有情。
其身下劣諸根不具。醜陋頑愚盲聾瘖瘂5攣
躄背僂白癩癲狂種種病苦。聞我名已一切
皆得端正黠慧。諸根完具無諸6疾苦
第七大願。願我來世得菩提時。若諸有情。
衆病逼切無救無歸無醫無藥無親無家
貧窮多苦。我之名號一經其耳。衆病悉7得
除身心安樂。家屬資具悉皆豐足。乃至證得
無上菩提
第八大願。願我來世得菩提時。若有女人。
爲女百惡之所逼惱。極生厭離願捨女身。
聞我名已一切皆得轉女成男具丈夫相。
乃至證得無上菩提
第九大願。願我來世得菩提時。令諸有情。
出魔羂網。解脱一切外道纒縛。若墮種種
惡見稠林。皆當引攝置於正見。漸令修習
諸菩薩行速證無上正等菩提
第十大願。願我來世得菩提時。若諸有情。
王法所8録。縲縛鞭撻繋閉牢獄或當9刑戮。
及餘無量災難10凌辱悲愁煎迫。身心受苦。
若聞我名。以我福徳威神力故。皆得解脱
一切憂苦
第十一大願。願我來世得菩提時。若諸有
情。飢渇所惱。爲求食故造諸惡業。得聞
我名專念受持。我當先以上妙飮食飽足
其身。後以法味。畢竟安樂而建立之
第十二大願。願我來世得菩提時。若諸有
情。貧無衣服。蚊虻寒熱晝夜逼惱。若聞我
名專念受持。如其所好即得種種上妙衣
服。亦得一切寶莊嚴具華鬘塗香鼓樂衆伎。
隨心所翫皆令滿足
曼殊室利。是爲彼世尊藥師琉璃光如來應
正等覺行菩薩道時所發十二微妙上願」
復次曼殊室利。彼世尊藥師琉璃光如來行
菩薩道時。所發大願及彼佛土功徳莊嚴。我
若一劫若一劫餘説不能盡。然彼佛土一向
清淨無有女人。亦無惡趣及苦音聲。琉璃
爲地。金繩界道。城闕宮閣軒窓羅網皆七寳
成。亦如西方極樂世界。功徳莊嚴等無差
別。於其國中有二菩薩摩訶薩。一名日光
遍照。二名月光遍照。是彼無量無數菩薩衆
之上首。11悉能持彼世尊藥師琉璃光如來正
法寶藏。是故曼殊室利諸有信心善男子善
女人等。應當願生彼佛世界
爾時世尊復告曼殊師利童子言。曼殊室利。
有諸衆生。不識善惡唯懷貪悋。不知布
施及施果報。愚癡無智闕於信根。多聚財
寳勤加守護。見乞者來其心不喜。設不獲
已而行施時。如割身肉深生痛惜。復有
無量*慳貪有情。積集資財。於其自身尚
不受用。何況能與父母妻子作使及來
乞者。彼諸有情從此命終。生餓鬼界或12傍
生趣。由昔人間曾得暫聞藥師琉璃光如來
名故。13念在惡趣。暫得憶念彼如來名。即
於念時從彼處沒還生人中。得宿命念
畏惡趣苦不樂欲樂。好行惠施讃歎施
者。一切所有悉無貪惜。漸次尚能以頭目手
足血肉身分施來求者。況餘財物
復次曼殊室利。若諸有情。雖於如來受諸
學處。而破尸羅。有雖不破尸羅而破軌
則。有於尸羅軌則雖得不壞然毀正見。
有雖不毀正見而棄多聞於佛所説契
經深義不能解了。有雖多聞而14増上慢。
由増上慢覆蔽心故。自是非他嫌謗正法
爲魔伴黨。如是愚人自行邪見。復令無量
倶胝有情墮大險坑。此諸有情。應於地獄
傍生鬼趣流轉無窮。若得聞此藥師琉璃
光如來名號。便捨惡行修諸善法。不墮惡
趣。設有不能捨諸惡行修行善法。墮惡
趣者。以彼如來本願威力。令其現前暫聞
名號。從彼命終還生人趣。得正見精進善
調意樂。便能捨家趣於非家如來法中。受
持學處無有毀犯。正見多聞解甚深義。離
増上慢不謗正法。不爲魔1伴。漸次修行
諸菩薩行速得圓滿
復次曼殊室利。若諸有情慳貪嫉妬自讃毀
他。當墮三惡趣中。無量千歳受諸劇苦。受
劇苦已。從彼命終來生人間。作牛馬駝驢。
恒被鞭撻。飢渇逼惱。又2常負重隨路而行。
或得爲人生居下3賤。作人受他驅
役。恒不自在。若昔人中。曾聞世尊藥師琉
璃光如來名號。由此善因4今復憶念至心
歸依以佛神力衆苦解脱。諸根聰利智慧多
聞。恒求勝法常遇善友。永斷魔羂破無明
。竭煩惱河解脱一切生老病死憂5愁苦
惱
復次曼殊室利。若諸有情好喜乖離更相鬥
訟惱亂自他。以身語意造作増長種種惡
業。展轉常爲不饒益事。互相謀害。告召山
林樹塚等神。殺諸衆生取其血肉祭祀藥
叉6羅刹7娑等。書怨人名作其形像以惡
咒術而咒咀之。厭媚蠱道咒起屍鬼。令斷
彼命及壞其身。是諸有情若得聞此藥師
琉璃光如來名號彼諸惡事悉不能害。一切
展轉皆起慈心。利益安樂無損惱意及嫌恨
心。各各歡悦於自所受生於喜足。不相侵
8凌互爲饒益
復次曼殊室利。若有四衆苾芻苾芻尼鄔波
索迦鄔波斯迦。及餘淨信善男子善女人等。
有能受持八分齋戒。9或經一年或復三月
受持學處。以此善根願生西方極樂世界
無量壽佛所。聽聞正法而未定者。若聞世
尊藥師琉璃光如來名號。臨命終時有八
10菩薩。11乘神通來示其道路。即於彼界
種種雜色衆寶華中自然化生。或有因此
生於天上。雖生天中而本善根亦未窮盡。
不復更生諸餘惡趣。天上壽盡還生人間。
或爲輪王統攝四洲。威徳自在安立無量
百千有情於十善道。或生刹帝利婆羅門居
士大家。多饒財寳倉庫盈溢。形相端嚴眷屬
具足。聰明智慧。勇健威猛如大力士。若是女
人得聞世尊藥師12如來名號至心受持。於
後不復更受女身
13爾時曼殊室利童子白佛言。世尊我當誓
於像法轉時。以種種方便。令諸淨信善男
子善女人等得聞世尊藥師琉璃光如來名
號。乃至睡中亦以佛名覺悟其耳。世尊若
於此經受持讀誦。或復爲他演説開示。若
自書若14教人書。恭敬尊重以種種花香塗
香15末香燒香花鬘瓔珞幡蓋伎樂而爲供養。
以五色綵作嚢盛之。掃灑淨處敷設高座
而用安處。爾時四大天王與其眷屬及餘無
量百千天衆。皆詣其所供養守護。世尊若此
經寶流行之處。有能受持。以彼世尊藥師琉
璃光如來本願功徳及聞名號。當知是處無
復横死。亦復不爲諸惡鬼神奪其精氣。設
已奪者還得如故。身心安樂
佛告曼殊室利。如是如是如汝所説。曼殊
室利。若有淨信善男子善女人等。欲供養
彼世尊藥師琉璃光如來者。應先造立彼佛
形像敷清淨座而安處之。散種種花燒種
種香。以種種幢幡莊嚴其處。七日七夜受
16持八分齋戒。食清淨食澡浴香潔著新淨
衣。應生無垢濁心無怒害心。於一切有情
起利益安樂慈悲喜捨平等之心。鼓樂歌讃
右繞佛像。復應念彼如來本願功徳17讀誦
此經思惟其義演説開示。隨所樂18求一
切皆遂。求長壽得長壽。求富饒得富饒。
求官位得官位。求男女得男女。若復有
人忽得惡夢。見諸惡相或怪鳥來集。或於
住處百怪出現。此人若以衆妙資19具。恭敬
供養彼世尊藥師琉璃光如來者。惡夢惡相
諸不吉祥皆悉隱沒不能爲患。或有水火
刀毒懸嶮惡象師子虎狼熊羆毒蛇惡蠍蜈蚣
蚰1蜓蚊虻等怖。若能至心憶念彼佛恭敬
供養。一切怖畏皆得解脱。若他國侵擾盜賊
反亂。憶念恭敬彼如來者亦皆解脱
復次曼殊室利。若有淨信善男子善女人等。
乃至盡形不事餘天。2惟當一心歸佛法
僧受持禁戒。若五戒十戒菩薩四百戒苾芻
二百五十戒苾芻尼五百戒。於所受中或有
毀犯怖墮惡趣。若能專念彼佛名號恭敬
供養者。必定不受三惡趣生。或有女人臨
當産時受於極苦。若能至心稱名禮讃恭
敬供養彼如來者。衆苦皆除。所生之子身分
具足。形色端正見者歡喜。利根聰明安隱少
病無有奪其精氣
爾時世尊告阿難言。如我稱揚彼佛世尊
藥師琉璃光如來所有功徳。此是諸佛甚深
行處難可解了。汝爲信不。阿難白言。大徳
世尊。我於如來所説契經不生疑惑。所以
者何。一切如來身語意業無不清淨。世尊。
此日月輪可令墮落妙高山王可使傾動。
諸佛所言無有異也。世尊。有諸衆生信根
不具。聞説諸佛甚深行處。作是思惟。云何
但念藥師琉璃光如來一佛名號便獲爾所
功徳勝利。由此不信3反生誹謗。彼於長
夜失大利樂墮諸惡趣流轉無窮。佛告阿
難。是諸有情。若聞世尊藥師琉璃光如來名
號。至心受持不生疑惑。墮惡趣者無有是
處。阿難。此是諸佛甚深所行難可信解。汝
今能受。當知皆是如來威力。阿難。一切聲聞
獨覺及未登地諸菩薩等。皆悉不能如實信
解。惟除一生所繋菩薩。阿難。人身難得。於
三寶中信敬尊重亦難可得。得聞世尊藥
師琉璃光如來名號復難於是。阿難。彼藥師
琉璃光如來無量菩薩行。無量4善巧方便。無
量廣大願。我若一劫若一劫餘而廣説者。劫
可速盡。彼佛行願善巧方便無有盡也
爾時衆中有一菩薩摩訶薩。名曰救脱。即從
座起偏袒5右肩。右膝著地曲躬合掌。而
白佛言。大徳世尊。像法轉時。有諸衆生。爲
種種患之所困厄。長病羸痩不能飮食。喉
脣乾燥見諸方暗。死相現前。父母親屬朋
友知識啼泣圍繞。然6彼自身臥在本處。見
琰魔使引其神識至于琰魔法王之前。然
諸有情有倶生神。隨其所作若罪若福皆具
書之。盡持授與琰魔法王。爾時彼王推問
其人。算計所作隨其罪福而處斷之。時
彼病人親屬知識。若能爲彼歸依世尊藥師
琉璃光如來。請諸衆僧轉讀此經。然七層
之燈懸五色續命神幡。或有是處彼識得
還。如在夢中明了自見。或經七日或二十
一日或三十五日或四十九日。彼識還時。如
從夢覺皆自憶知善不善業所得果報。由
自證見業果報故。乃至7命難亦不造作諸
惡之業。是故淨信善男子善女人等。皆應
受持藥師琉璃光如來名號。隨力所能恭敬
供養
爾時阿難問救脱菩薩曰。善男子。應云何
恭敬供養彼世尊藥師琉璃光如來。續命幡
燈復云何造。救脱菩薩言。大徳。若有病人
欲脱病苦。當爲其人。七日七夜受持八分
齋戒。應以飮食及餘資具。隨力所辦供養
苾芻僧。晝夜六時禮拜供養彼世尊藥師琉
璃光如來。讀誦此經四十九遍。然四十九
燈。造彼如來形像七躯。一一像前各置8七
燈。一一燈量大如車輪。乃至四十九日光明
不絶。造五色綵9幡長四十九搩手。應放
雜類衆生至四十九。可得過度危厄之難。
不爲諸横惡鬼所持
復次阿難。若刹帝利灌頂王等。災難起時。所
謂人衆疾疫難。他國侵逼難。自界叛逆難。星
宿變怪難。日月10薄蝕難。非時風雨難。過時
不雨難。彼刹帝利灌頂王等。爾時應於一
切有情起慈悲心赦諸繋閉依前所説供
養之法供養彼世尊藥師琉璃光如來。由此
善根及彼如來本願力故。令其國界即得安
隱。風雨順時穀稼成熟。一切有情無病歡樂。
於其國中。無有暴11虐藥叉等神惱有情
者。一切惡相皆即隱沒。而刹帝利灌頂王等。
壽命色力無病自在皆得増益。阿難若帝后
妃主儲君王子大臣輔相中宮12釆女百官黎
庶。爲病所苦及餘厄難。亦應造立五色神
13旛然燈續明。放諸生命。散雜色華燒衆
名香。病得除愈衆難解脱
爾時阿難問救脱菩薩言。善男子。云何已
盡之命而可増益。救脱菩薩言。大徳。汝豈
不聞如來説有九横死1耶。是故勸造續
命幡燈修諸福徳。以修福故盡其壽命
不經苦患。阿難問言。九横云何。救脱菩薩
言。2有諸有情。得病雖輕然無醫藥及看病
者。3設復遇醫授以非藥。實不應死而便
横死。又信世間邪魔外道4妖之師。妄説
禍福便生恐動。心不自正卜問覓禍。殺種
種衆生解奏神明呼諸魍魎請乞福祐欲
冀延年。終不能得。愚癡迷惑信邪倒見。遂
令横死入於地獄無有出期。是名初横。二
者横被王法之所誅戮。三者畋獵嬉戲。耽
婬嗜酒放逸無度。横爲奪其精氣。
四者横爲火焚。五者横爲水溺。六者横爲
種種惡獸所噉。七者横墮山崖。八者横爲毒
藥厭祷咒咀起屍鬼等之所中害。九者飢渇
所困不得飮食而便横死。是爲如來略説
横死有此九種。其餘復有無量諸横難可
具説
復次阿難。彼琰魔王主領世間名籍之記。若
諸有情不孝五逆破辱三寶壞君臣法毀
於信戒。琰魔法王隨罪輕重考而罰之。是
故我今勸諸有情然燈造幡放生修福。
令度苦厄不遭衆難
爾時衆中有十二藥叉大將倶在會坐。所謂
宮毘羅大將 5伐折羅大將
迷企羅大將 安6底羅大將
頞儞羅大將 珊*底羅大將
因達羅大將 波夷羅大將
摩虎羅大將 眞達羅大將
招杜羅大將 毘羯羅大將
此十二藥叉大將。一一各有七千藥叉以爲
眷屬。同時擧聲白佛言。世尊。我等今者蒙
佛威力。得聞世尊藥師琉璃光如來名號。不
復更有惡趣之怖。我等相7率皆同一心。乃
至盡形歸佛法僧。誓當荷負一切有情爲
作義利饒益安樂。隨於何等村城國邑空閑
林中。若有流布此經或復受持藥師琉璃
光如來名號恭敬供養者。我等眷屬衞護是
人。皆使解脱一切苦難。諸有願求悉令滿
足。或有疾厄求度脱者。亦應讀誦此
經以五色縷結我名字得如願已然後解
結
爾時世尊讃諸藥叉大將言。善哉善哉大藥
叉將。汝等念報世尊藥師琉璃光如來恩徳
者。常應如是利益安樂一切有情
爾時阿難白佛言。世尊。當何名此法門我
等云何奉持。佛告阿難。此法門名説藥師琉
璃光如來本願功徳。亦名説十二神將饒益
有情結願神咒。亦名拔除一切業障。應如是
持。時薄伽梵説是語已。諸菩薩摩訶薩及大
聲聞。國王大臣婆羅門居士。天龍藥叉8
達縛阿素洛掲路荼緊捺洛莫呼洛伽人
等。一切大衆聞佛所説。皆大歡喜信受奉行
藥師琉璃光如來本願功徳經
弟子賈崇俊願平安
廣徳二年十二月十五日
發心寫藥師經一卷