福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

金光明最勝王經・全訳・・22/32

2020-01-22 | 諸経
金光明最勝王經・全訳・・22/32
金光明最勝王經卷第九
大唐三藏沙門義淨奉制譯・善生王品第二十一(前の二十巻の王法正論の実例としてお釈迦様が前世で転輪聖王として金光明経を護持した因縁を説く)

(大師の「金勝王經祕密伽陀第九卷、善生王・諸天夜叉・授記・除病・流水等品五品 七言」では善生品第二十一・諸天夜叉護持品第二十二・授記品第二十三・除病品第二十四・長者子流水品第二十五まとめて以下のように解説されています。

斷惡修善は是れ善生 諸天夜叉は護持兵なり 意
無分別なれば授記を得る 心病除きて五眼明かなり 大慈大悲は流水に譬へ 無我無執にして玉京(天帝の所)に遊ぶ 二利圓にして能事畢れり(易経 繫辞上にいう、なすべき事はすべてなした) 六通備へて梵天迎ふ。)







爾時世尊は諸大衆のために、王法正論を説き已りて復た大衆に告げたまはく「汝等應に聽け、我今汝が為に其の往昔、奉法せし因縁を説かん」。即ち是時において伽他を説て曰く
我、昔曾って轉輪王たり。 此の大地并に大海・
四洲の珍寶皆充滿するを捨てて 持以って諸如來を供養せり。
我往昔無量劫に於いて清淨眞法身を求めんが為に
所愛之物皆悉く捨て 乃至身命も心に悋む無し
又過去難思劫において 正遍知あり、名て寶髻といふ
彼の如來涅槃後に於いて 王あり、出世名を善生といふ
轉輪王となり四洲を化す、大海際を盡して咸く歸伏す
城あり、名て曰く妙音聲と。 時に彼の輪王は此に住す
夜夢に、佛の福智を説きたまふを聞く 法師の名て寶積といふを見るに
處座端嚴して日輪の如し、金光微妙典を演説す。
爾時、彼の王は夢より覺めて 大歡喜を生じ遍身に充つ。
天曉に至り已りて王宮を出 苾芻僧伽處に往詣す
聖衆を恭敬供養し已りて 即便ち彼の諸大衆に問ふ
「頗もし法師の寶積と名け 功徳成就して衆生を化すものありや」と。
爾時、寶積大法師は 一室中にありて而も住止す。
正念にして斯の微妙典を誦し 端然不動にして身心樂む
時に苾芻あり、王を引導し 彼の寶積所居の處に至り
室中に在して端身に坐す 光明妙相其の身に遍し
王に白さく「此れ即ち是れ寶積。 能く甚深の佛の行處を持す。
所謂、微妙金光明 諸經中の王にして最第一なり。
時に王は即便ち寶積を禮し 恭敬合掌して而して請を致す。
「唯だ願くは滿月の面端嚴なるものよ 爲に金光微妙法を説け」
寶積法師は王の請を受け 許して爲に此の金光明を説く。
三千世界中に周遍せる 諸天大衆は咸く歡喜す
王は廣博清淨處に於いて 奇妙珍寶而も嚴飾し
上妙香水もて遊塵に灑ぎ 種種の雜花は皆な散布す
即ち勝處に高座を敷き、繒・幡蓋を懸けて以て莊嚴し
種種粖香及び塗香、 香氣芬馥として皆な周遍せり
天・龍・修羅・緊那羅・莫呼洛伽及び藥叉、
諸天悉く曼陀花を雨らし 咸く來りて彼の高座を供養す
復た千萬億の諸天あり正法を聞んと樂ふて倶に來集せり。
法師は初めて本座より起てば 咸な悉く供養するに天花を以てす。
是時、寶積大法師 淨く洗浴し已りて鮮服を著し
彼の大衆法座所に詣り 合掌して虔心にして禮敬す
天主・天衆及び天女は 悉く皆な共に曼陀花を散ふらし
百千の天樂は難思議にして 空中に住在し妙響を出す。
爾時、寶積大法師は 即ち高座に登りて加趺坐し
彼の十方諸刹土・百千萬億大慈尊を念じ、
遍く一切苦の衆生に及ぶ 皆平等に慈悲の念を起し
爲彼の請主善生の為の故に微妙金光明を演説す
王既に如是の法を聞くことを得たり 合掌し一心に唱て隨喜し
法の希有なるを聞き涙交流れ、 身心の大喜は皆な充遍す
時に國主善生王は此の經を供養せんと欲するが為の故に
手に如意末尼寶を持し、咸く諸衆生の為に發願す。
今斯の贍部洲に於いて 普く七寶瓔珞具を雨ふらすべし
所有る資財を匱乏する者は 皆な隨心に安樂を受くることを得ん」と。
即便ち遍く七寶を雨ふらし 悉く皆な四洲中に充足し
瓔珞嚴身は須もちふる所に随ひ 衣服飮食皆乏きこと無し。
爾時、國主善生王は 此の四洲に珍寶雨ふるを見て
咸く持して寶髻佛・所有る遺教・苾芻僧を供養し奉る。
應に知れ、過去善生王は 即ち我釋迦牟尼是なりと。
爲れ昔時において大地及び諸珍寶の四洲に満てるを捨つ。
昔時、寶積大法師は 彼の善生の為に妙法を説き
彼の經王を開演するに因っての故に 東方に不動佛を現成せり
我曾って此經王を聽けるを以て 合掌して一言隨喜を稱し
及び七寶を施す諸功徳もて 此の最勝金剛身を獲たり。
金光百福相莊嚴して 所有る見者は皆な歡喜す
一切有情は愛せざるなし 倶胝(無数)の天衆も亦た同然なり。
過去曾って九十九倶胝億劫を經て輪王と作り
亦た小國において人王と為り、 復た無量百千劫を經る。
無量劫に於いて帝釋たり 亦復た曾って大梵王たりて
十力大慈尊を供養す 彼之數量窮盡し難し
我昔、經を聞きて隨喜せる善、 所有る福聚の量は知り難し
斯の福に由るが故に菩提を證し法身眞妙智を獲得せり」
爾時、大衆は是の説を聞き已りて未曾有なりと歎じ、皆な金光明經を奉持流通して絶ざらしめんと願ふ。



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