福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験その58

2014-06-27 | 四国八十八所の霊験
38番金剛福寺へは37番を出て町中を抜けていきます。17年の遍路の時です、37番岩本寺から一時間余歩いて人気のない山中にさしかかりました。ゆるやかな峠に差し掛かり,つつじの灌木を薙ぎ払って進んでいる時、突然「おじちゃん」という声がしました。こんな人家もないところで子供の声がするわけがない、気のせいだろうと思い歩き続けると後ろでまた「ちょっと」といいます。
恐る恐るふりむくと金太郎のようなおかっぱ頭の10歳くらいの女の子が裸足で追いかけてきていました。
そして私にお茶が半分入ったペットボトルを「これ」といって差し出すのです。
そして私の擦り傷だらけの錫杖をみて「杖すごいね」とか「何回ぐらい回っているの?」とか矢継ぎ早に聞きます。
私も狐につままれたような気持ちで「2回目だよ」と答えながら、「お遍路は接待を頂くとこういうお札を返すことになっているんだよ」といって納札を渡しました。
初めて見たのでしょう、目をパチクリさせました。
それにしてもこんな人里離れた山中でどこから現れたのだろうと不思議です。
別れるときは「いってらっしゃい」と言いました。なかなかおしゃまな子です。しかし後ろを振り向くのもなにか憚られて前を向いて一目散に歩きました。途中、 ちょうどのどが渇いてきたので歩きながらこのお茶を飲みました。なま暖かいものでした。私が通るのをみて急いで湯冷ましのお茶をペットボトルに注いで走ってきてくれたのかもしれません。可愛いおしゃまなそして不思議な子でした。こういう山中で出会うというのも前世でなにか因縁があった子なのでしょう。 その後何度も歩き遍路をしていますがこのような不思議な体験はありません。
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