福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

角田さんの第八回江戸33観音東京10社巡拝記3/4

2015-12-14 | 開催報告/巡礼記録
3/4,東円寺を、午後12時10分辞し、再び、東京メトロ地下鉄・方南町駅で電車に乗り、中野坂上―四谷三丁目駅まで行きます。午後12時30分。観音坂のある、真成院につきます。観音坂というのは、この坂の西脇にある真成院の潮踏(塩踏)観音に因んでこう名付けられた潮踏観音は、潮千観音とも呼ばれ、また、江戸時代には、西念寺の表門が、この坂に面していたため、西念寺坂ともいう。(四谷文化ネット表示板より)

昔は、このあたりは、海岸であり、潮の干満によって、観音像の台石が、しっとり濡れるたといいます。



江戸三十三観音(昭和新撰江戸札所)第18番札所 金鶏山 真成院(東京都新宿区若葉2-7-8)

本尊 潮干十一面観世音菩薩 宗派 高野山真言宗


縁起 ご本尊名を潮干(しおひ)観音とも、潮踏観音とも称したのは、日本武尊東征の際、今の四谷付近を通過した際、葦の風にそよぐ様子が潮のうねりの如く感じられたことから、潮干の里、潮踏みの里とも名付けられました。古書「紫の一本」によると、潮干観音像は、越後の村上義清の守り本尊で、義青の

没後、その孫、村上兵部道楽斎入道が、大阪夏の陣に加わったあと、江戸にくだり、この寺にかくまわれたご縁でここに納められたという。真成院開山、祈祷僧清心法印が、道楽斎を厚く庇護したと伝えられています。天保8年に再建された観音堂と真成院本堂は、昭和20年5月の、東京空襲で烏有に帰しました。戦前は、境内は、広く、四万六千日などの縁日には、沢山の人出で賑わったといいます。(同寺の栞より)


東京・四谷。JR四谷駅から、程遠からぬ新宿通りの左側に、西念寺横丁があります。横丁は、落ち着いた古い住宅街で、その奥にある浄土宗西念寺の広い墓地に沿って右に出ると、観音坂という急な坂にでます。長さ46間、幅2間1尺と古書にあります。この観音坂は、金鶏山真成院(ふるくは、錦敬山真乗寺とあり)に潮干観音、大聖歓喜天堂があったので古くからこの名があるといいます。


真成院は、鉄筋鉄骨コンクリート8階建ての豪壮な堂宇になっています。住宅街の中で、圧倒的な大きさを誇るお寺は、ただ、立派であると褒め称えるばかりです。3階に、観音堂があり、ご本尊が祀られています。1階には、法話などが行われる、広い大広間があり、この堂宇の中に「四谷霊廟」という施設も併設されています。


「四谷霊廟」とは、同寺正面入口の脇の壁面に記されていた、この「四谷霊廟建立の疏」によりますと。

「金鶏山真成院は、慶長年間、心閣悉本尊潮干観音を感得開創せる名刹にして久し奇瑞四隣輝く然るに昭和20年5月23日戦災に罹災悉く灰燼す。現織田隆弘師が再興につき時代即応の結構に基づく葬送納骨回向等総べて一堂にて執行する道場所謂四谷霊廟を企画設計するに至る。 茲に機縁循環し芝本産業株式会社社長芝本龍平氏関係者の懇請によりこの趣旨に賛同され建築及び内部荘厳等一切の調達に當り終に荘重華麗なる霊廟を円成せられたり誠に感激に堪経ざるなりされば吾等この芳志を肝銘じ永くその亀齢鶴壽を禱請してその鴻恩に酬いんとす嗚呼法悦感喜何物かこれに比せん耶願わくは奉安せられたる精霊日々の香花供養を納受され速かに蜜厳浄刹に優遊し給はんことを仍つて彫板を鋳して事由を疏す 昭和四十六年八月吉日 四谷霊廟建築委員代表 大僧正添田隆俊謹んで書す」


また、3階のベランダの角に天使の乙女が、手のひらを空に向けた両手をかざし、左の瞳の目の玉が、つぶれている青銅のレリーフをはめ込まれた薄小豆色の石柱があります。「献眼慰霊碑」と刻まれた石版が付けられています。そして、レリーフの下には、点字で綴られた銘版も添えられています。台の石には、

「光を・・・みたまを心から感謝を捧げます。 中山マサ

わが国アイバンク設立提案者 米国アイゲルバーガ軍曹

昭和49年5月吉日建之

建立実行委員長 」


という石碑がありました。献眼した人たちへの慰霊感謝の碑なのでしょう。斯うした、様々の、人生航路を歩ん出来た人たちが、心静かに密厳国土で、成仏できる聖地のお寺でもあるようです。


観世音菩薩の霊験は、癌をはじめとして、諸難病者が、早期に救われるのが不思議なくらい、難病の駆け込み祈願寺として有名です。現在も、毎日、難病で苦しむ人が、加持を受けに参拝する人が絶えないそうです。先代織田隆弘住職の「難病を救う真言密教」「如来の不思議」(共に、密教会出版部刊)を読み、多くの人が救われているそうです。このほか、同住職は、多くの著書を出版されています。(同寺のしおりより)


御詠歌 余も人も 変わる浮世に 住む中に 変わらぬ利益潮踏の里



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