福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

角田さんに「福聚講護国寺定例参拝記録」を作っていただきました

2019-11-21 | 開催報告/巡礼記録
福聚講護国寺定例参拝記録
日本列島を縦断し甚大な風水害で多くの人命を失わせ、家屋や電気ガス水道など生活インフラを破壊して、未曽有の災害を齎した台風が去り、久々に晴天に恵まれ、深まり行く秋の気配が漂い密厳国土を思わせる東京・文京の大本山・護国寺。11月16日(土)、福聚講(高原耕曻講元)は、護国寺定例参拝を行いました。

この日、護国寺の入り口の山門(仁王門)には、同寺で、「大茶会」を告げる大きな立て看板がありましたが、その右側には「山内不幸」を告げる立札がひと際は目を引きました。真言宗豊山派大本山護国寺貫首五十三世・岡本永司大僧正の訃報を伝えるものでした。

岡本永司大僧正、は、10月28日享年91歳でお亡くなりになったそうです。密葬はすでに行われたようですが、本葬が11月29日(金)午後1時から、護国寺で、豊山派田代弘興管長の導師により、同寺葬として本堂(観音堂)で行われると書かれていました。

岡本大僧正は1927年生まれ。大正大学卒業後、東京・板橋区の長徳寺住職に就任、その後、護国寺に奉職、院代補佐、執事などを経て、1993年貫首に就任されました。宗内では、宗会議長、総本山長谷寺顧問、豊山派宗機顧問などを歴任されました。宗外では、東京都仏教連合会会長、日大豊山高同窓会最高顧問、文京宗教者懇談会代表世話人を務められました。また、茶道にも造詣が深く、多趣味の大僧正であられたといわれています。
またダライ・ラマ法王による東日本大震災犠牲者四十九日特別法要を催されたり


、最近でも毎年チベット僧によるチベットフェスチバルを開催し苦難のチベットを支援されていました。
誠に尊いことでした。


しかし一方でまた本日は「大茶会」が開催されていて、境内のあちらこちらに和服姿のご婦人方がそぞろ歩く姿が、秋の静謐な雰囲気と華やかさを漂わせています。
この茶会は、「音羽茶会」と銘うたれていてお亡くなりになった岡本永司貫首が、会長を務めておられました。

音羽茶会は、流派を問わず、真に茶の湯を愛する気持ちを持った同好諸氏が集い、茶会本来の在り方を研鑽し、日本文化である茶の湯の普及に資することを目的とした団体ということです。弘法大師ご提唱の同行二人にちなみ、「護国寺茶の湯同行会 音羽茶会」とし銘打って平成16年9月、護国寺本坊で発会式がおこなわれています。年に一度11月第三土曜日に行われるもので、今年で16回とのことです。

護国寺茶寮で、特筆すべきは、護国寺檀家総代を務め、明治・大正・昭和を代表する茶人であり、実業家でもあった、高橋箒庵(高橋義雄)(1861年~1937年昭和12年)が、茶の湯の理想郷を実現することを目指して、現在、護国寺に、存在する、6つの茶寮の整備を行っていることです。

高橋箒庵は茨城の出身で、13歳で呉服屋に丁稚奉公した後、福沢諭吉の時事新報の記者になりましたが、生糸売買で成功した商人と知り合い、実業界に入り、三井銀行、三井呉服店(三越)、三井鉱山などの、経営に参加、経営の近代化を進めました。1911年(明治44年)、王子製紙の専務取締役を最後に、実業界から足を引き、以後、茶道三昧の生涯に入りました。高橋50歳の時でした。以後、護国寺で茶の湯の理想郷造りに励み、実業界で知り合った財界人など、茶の湯を勧めて、茶の湯の普及啓蒙に尽力しました。こうした高橋の様な日本伝統文化に貢献している経済人は、今の日本にはいるでしょうか。そしてこうした先人が残して行った伝統文化を次世代に継いで行ったのが、岡本大僧正でした。大僧正も、茶の湯の普及啓蒙のため音羽茶会会長を務め、日本の伝統文化の普及のために、全力を注がれたと聞きます。

こうした、先人の努力と熱心な会員たちの行動が護国寺の得も言われぬ魅力を醸し出しているようです。境内を往来する茶人の着物姿の美しさは護国寺ならではの光景です。

この日の巡拝行も、何時になく力のこもったものになりました。
本堂に茶会を終えたご婦人方が上がりこんでご本尊様に合掌していたり、七五三の家族連れも数組いました。
何時もの通り勤行を行い、この日の御詠歌に、「興教大師第一番の御詠歌」をお捧げしました。が、この曲は、まだ習熟できておらず間違いが多く、申し訳ないものでした。

本堂で勤行を終えると、薬師堂・大師堂・一言地蔵様でそれぞれご真言をお唱えします。
最近は護国寺にお参りすることが便利になりました。護国寺の正面に出る地下鉄の出入り口の工事が最近、ようやく完了しました。新しくできた、出入り口は、護国寺の正面入り口の真ん前に出るので、大変、便利になりました。これにより、より一層参拝者が増えて一人でも多くの方が御本尊様・お大師様・一言地蔵様はじめ護国の諸仏のお陰を頂けることをねがっっています。
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