福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

金山穆韶師の「仏教における個体の観念」・・・64

2017-07-14 | 霊魂論
しかして密教にては涅槃は単寂の境にあらざることを明かさんとして北方涅槃をば五部(金剛界五仏の五智を表す分類。仏部・金剛部・宝部・蓮華部・羯磨部)の中には羯磨部に配しまたその中尊を不空成就佛と称し、その四親近(主要五佛の四方に配される菩薩)をば、業、護、牙、拳としていずれも活動を表示し、五智(法界体性智・大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智)の中には成所作智に配す、またこれを胎蔵曼荼羅に依るも北方涅槃をば天鼓雷音佛と称す。これ雷霆の無相にして而も天地に満る音響を発するが如く、涅槃は無相なれども無尽の妙用あることを表せるものである。

以上の発心、修行、菩提、涅槃の四転四智円具の体、これで本有の理なりといひしも、而も中央は本有の理に局るにあらず、寧ろ修生の極果を中央方便為究竟となすを本となすべきである。尤も発心、修行、菩提、涅槃の四転四智と中央の方便為究竟位とは、総別開合の不同なるが故に、四転の別徳即中央の総徳である(発心修業菩提涅槃が集合したものが中央大日如来の方便為究竟の徳である)。
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