福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験その117

2014-08-25 | 四国八十八所の霊験
79番の高照院は白峰宮という神社の中にこじんまりと立てられています。坂出の町で地元の人に79番高照院と言ってもわかりませんでした。
地図をみせると「ああ天皇さんか」といいます。
昔崇徳天皇がこの地に配流になった時この寺に住まわれて以来そう呼ばれているということです。
八十八所ホームページ等によると、天平年間、金山に行基菩薩が開創。大師が弘仁年間(810〜24)に、近くの八十場(やそば)という霊泉で、金山を鎮守する金山権現に逢い、宝珠を預けられたので大師はこの宝珠を嶺に埋めて、この寺を摩尼珠院と号した。大師はまた、八十場の霊木で本尊・十一面観世音菩薩、脇侍・阿弥陀如来・愛染明王の三尊像を彫り、安置しされ、この本尊の霊験により、境内は二十余宇を構えた。保元元年(1156)7月、崇徳上皇は「保元の乱」に敗れ、讃岐配流となり近くの長命寺(廃寺)に仮御所を設営されたが、長寛2年(1164)御寿46年で崩御された。遺体は朝廷の役人の来るまで近くの八十場の水に漬けられ、その後80番の白峰寺で荼毘にふされた。二条天皇(在位1158〜65)は、上皇の霊を鎮めるため崇徳天皇社(ここ白峰宮)を造営、江戸時代まで、この白峰宮は大師の再興されたさきの金華山妙成就寺摩尼珠院と一体の存在として四国八十八箇所の七十九番札所であったとされます。そして摩尼珠院主が別当として白峰宮を管理していたということです。しかし、明治の神仏分離で摩尼珠院は廃寺とされたため、筆頭末寺の高照院がその跡に移転し、天皇寺を再興して札所を引き継ぎ今日にいたっています。
白峰宮入口には珍しい三輪鳥居があります。神道集には「鳥居の事」として、「鳥居の中を一度出入するものは菩提を決定するという妙観察智門である、鳥居に二柱あるのは定・慧、金・胎、二王(仏法守護の2体の金剛力士)を表わす。三木(笠木・貫木・嶋木・・2本の柱の上に笠木をのせ上層の笠木に接して島木を渡す。その下に貫木を入れて柱を固定したのが一般的な鳥居の形)は戒・定・恵の三つや、や三身相即、三諦即是法門を表わす。(法華経においては、釈尊は、法身仏応身仏報身仏の三身全であるとされます。また三諦即是とは空・仮・中の三諦は本来一体ということです。)これらすべてで五本の木があることになるが五は、五大(地水火風空)、五行(木・火・土・金・水)五智(法界体性智、大円鏡 智、平等性智、妙観察智、成所作智)、五分法身(如来を構成してい【戒】【定】【慧】【解脱】【解脱知見】)、五波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定)をあらわす。・・そもそも鳥居とはこの条は経文のも之を説かず、伝録にも記せず、因縁を知らず、ただ為体事の心を以て鳥居という名を案ずるに、西方に官て妙観察智、証菩提門の義なり、鳥居は諸生する義なり、四種三昧のなかでは常坐三昧にあたる、また形門戸に似て門は曰く能通の義なり、故に知りぬ鳥居の中を一度出入するものは菩提を決定する、妙観察智門なり、又鳥居には二柱三木あって二柱をするは定慧不二の悲智因果、両界の功徳なり、亦金胎両部の所変なり、二二王二天の義にして魔界を退け、災難を払い、息災延命にして仏道に進む門戸なり、三木とは笠木・貫木・嶋木とて三木あり、これは即ち戒定恵の三木といへり、三身相即、三諦即是法門なり、一切の法とはこの三数を離れず、又二柱三木と作てその二種を合するは五木なり、これすなわち五大なり、五行なり、五智なり、五分法身なり、五波羅蜜なり、顕教二教、世間出世の万法は皆五法をもって之成る・・」とあります。


17年には 境内で若者が近付いてきました。
「此処にしかないどんぐりの実です」といって米粒ほどの小さなどんぐりをくれました。
高知から来たというこの人は連続4回目の徒歩巡礼だということでした。
「将来は先達になりたいので道を覚えるため地図なしで回っています。」
「この冬は寒くて通夜堂に寝ていると凍死しそうでした。」といいます。
少しお接待をあげました。
 別れ際に彼は「80番国分寺よりも81番白峰82番根来寺を先にいくことになるかもしれませんね。
いずれにせよあと2,3日で回ってしまいますよ」といいます。
地図を見ても次は80番のほうが近いしまだあと一週間近くかかるかもしれないと思っているのに変なことを言う人だと思いました。
しかし不思議なことにその通りになったのです。

2回目は朝早く6時過ぎにこの寺についたので、納経はしていただけませんでした。時間が来るまで境内の諸堂をお参りしてと思ったのですが、突然トイレにいきたくなり、急いで「やそば」駅まで歩いてトイレにかけこみました。後にも先にも遍路中でこういうとこははじめてです。
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