福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日の禅センター主催の「宇宙と人類」講演会報告

2013-10-05 | 講員の活動等ご紹介

今日10月5日(土) 午後2時~5時、東京大学駒場キャンパス数理科学研究科棟
で松井孝典(千葉工業大学惑星探査研究センター所長、東京大学名誉教授) と佐々木閑(花園大学国際禅学科教授)の「宇宙と人類」と題する 対談を聞いてきました。
松井博士は人類の起源は地球外からではないかという仮説をたてて、「赤い雨」というインドやスリランカで地球外のものらしきDNAを含んで降った赤い雨を研究している、とか、人間圏「人間圏」という概念をたてて、今から1万年前に人類が農耕牧畜をはじめたときから地球システムに「人間圏」という新しい構成要素が加わりそれが現代いわれている環境問題の発端となりそれが産業革命以後(日本では明治維新以後)、駆動力を手に入れて物質の移動のスピードを飛躍的に速めた。自分は未来はどうなるかよく聞かれるが、それは人類がどうしたいのかにかかっているといつもいう。何のために生きるのかを問わない限り将来をかんがえても無駄である。そういう意味で、この人間圏はどうかんがえても人類の末永い生存をめざしてできたとは思えない。生きのびる為だけならばのんびりと牧畜採集生活を送っている方が生き延びれる。人間圏を作って地球環境問題等が出てきていて人類の生存をおびやかしていることをかんがえれば人間圏を作ったのは人類がいきのびるためという以外の目的があるはずである。(肝心のこの目的についてははっきりとおっしゃらなかったと思います)。
大要以上のようなものでした。宇宙から生物がきてもそのもとはどこかでできているわけで宇宙から生物が来たといっても問題の先送りの様な気もしますが、南方熊楠も粘菌は宇宙から来たかもしれないといっているようだといっているようでこれも大事な考え方ではあると思います。倶舎論では宇宙も輪廻転生する。すなわち、成劫(衆生や世界が生じる)、住劫(衆生が安楽に暮らす)、壊劫(衆生や世界が大災害で滅する)、空劫(なにもなくなる)を繰り返すとしています。そして成劫のはじめは衆生の業による一陣の風によるとされます。いわばこの「業」がすべての元になっているのです。倶舎論の発想のほうが地球外飛来説より圧倒的にダイナミックで面白いとは思いますが・・。あと「人間圏」は人類の生存以外を目的にしているとしか思えないという松井博士の説は至極もっともと思いました。人類は滅亡に向かて環境破壊、原爆量産、原子力発電所増設、資源浪費等、ありとあらゆる自殺行為を加速度的にふやしているのですから。ではなにを目的としているか・・それは「業」の問題ではないかと思います。(続)
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