仏教大原理（釈雲照）より・・その6

㈤尊尚不綺語戒・・綺とは順正ならざるという意味。「たわごと・軽口」のこと。故に滑稽・狂詩・狂歌・狂言等をなさずに言語をつつしみ守るを不綺語戒の止善という。行善とは、言語質実正直・謹厳・正実篤厚なるを不綺語戒の行善とする。（慈雲尊者は「十善法語」の中で「不綺語戒の中に法の快樂を得る」とおしゃっていますがこれは不綺語戒を守り質実正直な言葉をつかうことにより宇宙の真理にかなっているという快楽を得る」とでもいうことでしょうか）

㈥柔順不悪口戒・・・乱暴な言葉で他人を罵詈雑言することを悪口という。悪口は卑劣であるとして悪口を言わないようにすることが不悪口戒の止善。恭謙、温良、順正の語を出して人を慈悲・尊敬するを不悪口の行善とする。（慈雲尊者は「十善法語」の中で「不悪口戒の中に六十四種の梵音(大乘入楞伽經に「 字等云何語平等謂我作六十四種梵音・・」とあります。仏様の声が64種あるということでしょう）を成じて、説法諸機に透る。」と書いておられます。不悪口をつらぬけば仏様のこえが64種に変じてすべての中を貫くように説法自在となるとでもいう意味でしょうか）