後の不邪見戒を智に配する。是も的當でない。智といふは愚に對する名じゃ。徳義の標目にて。庸流には通ぜぬことじゃ。世に文盲なる者多く学者少なく。識別あるもの少く暗昧な
なる者は多ければ。推通じて行なはるヽ道でなきじゃ。又智には紛れ事が有。外典に臧武仲が智(論語憲問第十四の十三に「子路、成人を問う。子曰わく、臧武仲(ぞうぶちゅう)の知、公綽(こうしゃく)の不欲、卞荘子(べんそうし)の勇、冉求(ぜんきゅう)の芸の若 き、これを文るに礼楽を以てせば、亦以て成人と為すべし。」とある。)などは。取るに足らぬことじゃ。
殷の紂王が。智は以って諫を拒ぐに足るといふはよくもなきことじゃ。(十八史略に、「殷[紂王]太丁、帝乙を歴て帝辛に至る、名は受、号して紂と為す。資弁捷疾(しべんしょうしつ)、猛獣を手挌し、智は以て諫めを拒ぐに足り、言は以て非を飾るに足る」とある)。若し此の戒に依て。善をなせば善の報いある。悪をなせば悪の報いある。現世に報いざれば来世に報ゆ。聖人賢人と云者も世に有る。おろそかにするな。佛菩薩も世に有る。おろそかに思ふな。神祇も世にある。おろそかにするなと云へば。上は王公大人より。下は庸夫愚夫・樵漁にいたるまで。教え導かるヽ。身に行はせらるヽ。心に得させらるヽじゃ。
一日此を守れば其日これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一年これを守れば其年これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。終身守れば一生これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一人此を守れば其人これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一家此を守れば其家これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一邑此を守れば其邑これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一國此を守れば其國これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。天下と倶に守れば一天下これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。
此心を事に歴、業に渉て。平生に養はヾ。事々佛神の冥加もあるべく。天命にも達すべく。人々箇々聖賢の地位にも到るべきことじゃ。正眼に看来れば。一切國土として佛國ならざるなく。一切衆生として佛子ならざるなく。一切道として佛法ならざるなしじゃ。
涅槃経に。所有種々異論。呪術文字。皆是佛説とある。(大般涅槃經卷第八「善男子。所有種種異論呪術言語文字。皆是佛説非外道説」)。
なる者は多ければ。推通じて行なはるヽ道でなきじゃ。又智には紛れ事が有。外典に臧武仲が智(論語憲問第十四の十三に「子路、成人を問う。子曰わく、臧武仲(ぞうぶちゅう)の知、公綽(こうしゃく)の不欲、卞荘子(べんそうし)の勇、冉求(ぜんきゅう)の芸の若 き、これを文るに礼楽を以てせば、亦以て成人と為すべし。」とある。)などは。取るに足らぬことじゃ。
殷の紂王が。智は以って諫を拒ぐに足るといふはよくもなきことじゃ。(十八史略に、「殷[紂王]太丁、帝乙を歴て帝辛に至る、名は受、号して紂と為す。資弁捷疾(しべんしょうしつ)、猛獣を手挌し、智は以て諫めを拒ぐに足り、言は以て非を飾るに足る」とある)。若し此の戒に依て。善をなせば善の報いある。悪をなせば悪の報いある。現世に報いざれば来世に報ゆ。聖人賢人と云者も世に有る。おろそかにするな。佛菩薩も世に有る。おろそかに思ふな。神祇も世にある。おろそかにするなと云へば。上は王公大人より。下は庸夫愚夫・樵漁にいたるまで。教え導かるヽ。身に行はせらるヽ。心に得させらるヽじゃ。
一日此を守れば其日これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一年これを守れば其年これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。終身守れば一生これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一人此を守れば其人これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一家此を守れば其家これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一邑此を守れば其邑これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。一國此を守れば其國これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。天下と倶に守れば一天下これ賢聖の行。正知見の儀ひじゃ。
此心を事に歴、業に渉て。平生に養はヾ。事々佛神の冥加もあるべく。天命にも達すべく。人々箇々聖賢の地位にも到るべきことじゃ。正眼に看来れば。一切國土として佛國ならざるなく。一切衆生として佛子ならざるなく。一切道として佛法ならざるなしじゃ。
涅槃経に。所有種々異論。呪術文字。皆是佛説とある。(大般涅槃經卷第八「善男子。所有種種異論呪術言語文字。皆是佛説非外道説」)。