福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

金山穆韶師の「仏教における個体の観念」・・・10

2017-05-21 | 霊魂論

浄土門の説について観んか、浄土門は禅宗等の如く、自らの力によって自心性を証見し、今世に得脱し得ざる、下根劣弱の凡夫をして、阿弥陀如来の本願を信ぜしめ、未来浄土に往生成仏せしめんことを教ふるものである。

即ち聖道の如く現在に於て個體の無自性を観じ、大空法身を証すべき旨を示さず、却って機の深信、所謂罪悪深重の迷情の我を認め、この我の浄土に生ぜんことを願ふものである。しかして如来大慈悲の本願力に引摂せられ、浄土に生じなば、個體實性の情熱自ら減し、一味無生の法身を得するのである。
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