大乘入楞伽經(實叉難陀譯)斷食肉品第八(全)・・4/6
大慧。過去師子生と名くる王あり、肉味に耽著して種種の肉を食し、如是してやまず。遂に食人に至れり。臣民は堪るあたわず悉く皆離叛し、國位を亡失して大苦惱を受けぬ。大慧。釋提桓因は天王位に處たるが、過去において食肉の餘習を以て變身して鷹となり鴿はとを逐えり。我時に尸毘しびと名くる王となり、其鴿を愍念して自ら身肉を割き以って其の命に代れり。大慧。帝釋の餘習すら尚衆生を悩ます。況んや餘の無慚にして常食肉者においておや。當に知るべし食肉は自ら惱み他を悩ますことを。是故に菩薩は應に食肉せず。大慧。昔一王ありき。乘馬遊獵せしに、馬驚き奔逸して山險に入り既に歸路無く又人居絶えぬ。そこに牝師子あり王は與に同遊處し遂に醜行を行じて諸子息を生めり。其の最長の者を名けて班足という。後に王となることを得て七億家を領せしが、食肉の餘習によりて肉にあらざれば食わず。初めは禽獸を食し後に乃ち人に至る。生むところの男女は悉く是れ羅刹なりしがこの身を轉じ已って復た師子豺狼虎豹雕鷲等の中に生まれ、人身を求め欲せども終に不可得なり。況んや生死を出る涅槃の道をや。大慧。夫れ食肉の者は如是等の無量の過失あり。斷じて食はずんば大功徳を獲る。凡愚は如是の損益を知らず。是故に我今汝が為に開演す。凡是れ肉は悉くまさに食すべからず。大慧。凡そ殺生の者は多くは人の食うがためなり。人若し不食なれば亦た殺事無けん。是故食肉は殺すものと同罪なり。奇哉、世間は肉味に貪著して人身の肉をすら尚之を取って食うものあり。況や鳥獸を不食の者あらんや。味を貪る故に廣く方便を設定けて罝羅網罟(しゃらもうこ・あみ)を處處に安施し、水陸飛行皆殺害せらる。設自ら不食なるも價直を貪らんがために是事をなす。
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