修験宗旨書・・・19
三身山伏第十九(山伏には、優婆塞形(俗形)・摘髪(髪を一寸八分に摘む)・比丘形の三種の山伏の形がある)
夫れ山伏の体相に就いて三身の差別あり。一には法身形、二には報身形、三には応身形なり。初めに法身形とは優婆塞形の山伏是なり。凡そ法身とは離相・離定性相・常住の妙理なり。十界の依正色心の二法(依正とは、依報(環境)と正報(自分)。色心とは物質と心)は當位を動かずしてみな悉く法身の体相なり。然れば則ち各各自位に安住して動静の諸相を離れず、隋他の方便を絶す、故に鬢髪を剃らず、俗形を易ずして直に自性自相の本理を証す。是を法身山伏と号す。
次に報身とは、摘髪の山伏是なり。凡そ報身とは実修実証修因感果の智体なり。故に胎蔵の峰に入り従因至果の義を顕し、金剛の峰に入り従果向因の理を示す。髪を一寸八分に摘むことは金胎不二因果一体の相を表す。
次に応身形とは、比丘形の山伏なり。凡そ応身とは非生現生隋類応現の色身也。剃髪染衣の相、即声聞の形なり。内には菩薩の行を隠し、外には声聞の形を現す。是を応身形の山伏と名く。ある時は慈悲忍辱の相を顕し、ある時は忿怒模悪の形を現す。善人に向かっては善を説き、悪人に対しては悪を説く。是則ち断悪修善の化用、隋類応現の功徳なり。右三身の差別、修験一道の最要なり。能く之を了知して修行すべきなり。
三身山伏第十九(山伏には、優婆塞形(俗形)・摘髪(髪を一寸八分に摘む)・比丘形の三種の山伏の形がある)
夫れ山伏の体相に就いて三身の差別あり。一には法身形、二には報身形、三には応身形なり。初めに法身形とは優婆塞形の山伏是なり。凡そ法身とは離相・離定性相・常住の妙理なり。十界の依正色心の二法(依正とは、依報(環境)と正報(自分)。色心とは物質と心)は當位を動かずしてみな悉く法身の体相なり。然れば則ち各各自位に安住して動静の諸相を離れず、隋他の方便を絶す、故に鬢髪を剃らず、俗形を易ずして直に自性自相の本理を証す。是を法身山伏と号す。
次に報身とは、摘髪の山伏是なり。凡そ報身とは実修実証修因感果の智体なり。故に胎蔵の峰に入り従因至果の義を顕し、金剛の峰に入り従果向因の理を示す。髪を一寸八分に摘むことは金胎不二因果一体の相を表す。
次に応身形とは、比丘形の山伏なり。凡そ応身とは非生現生隋類応現の色身也。剃髪染衣の相、即声聞の形なり。内には菩薩の行を隠し、外には声聞の形を現す。是を応身形の山伏と名く。ある時は慈悲忍辱の相を顕し、ある時は忿怒模悪の形を現す。善人に向かっては善を説き、悪人に対しては悪を説く。是則ち断悪修善の化用、隋類応現の功徳なり。右三身の差別、修験一道の最要なり。能く之を了知して修行すべきなり。