「世界的に有名な免疫学者の故多田富雄さんが親友白洲正子さんを偲んで書かれた新作能
『花供養』の序がありますのでご紹介させて頂きます。
『私は、しばしば死んだ人に会うために能楽堂に足を運ぶ。
その能の主人公に会うためだけではない。
能を見ているうちに、身近の死者たち、
たとえば太平洋戦争で戦死した従弟や、
老いて死んだ父や母、
毅然とした先生、若くして世を去った友人などの面影が、
シテの姿に重なって思い浮かぶ。
いい能に遭遇したときは、私の回想の劇中の死者も、切実さを増して蘇る。
『鎮魂の詩劇』といわれる能の、もうひとつの効用である。』
『花供養』の序がありますのでご紹介させて頂きます。
『私は、しばしば死んだ人に会うために能楽堂に足を運ぶ。
その能の主人公に会うためだけではない。
能を見ているうちに、身近の死者たち、
たとえば太平洋戦争で戦死した従弟や、
老いて死んだ父や母、
毅然とした先生、若くして世を去った友人などの面影が、
シテの姿に重なって思い浮かぶ。
いい能に遭遇したときは、私の回想の劇中の死者も、切実さを増して蘇る。
『鎮魂の詩劇』といわれる能の、もうひとつの効用である。』