SAILIN' SHOES

デジタル一眼、ライカ等でのスナップ写真や、カメラ、音楽、鉄道・車、子育ての日々雑感です。

スイングジャーナル誌の休刊と雑誌の将来

2010-05-19 | バンド・音楽




6月発売分をもって、ジャズ雑誌のスイングジャーナル誌が休刊となる。
63年の長い歴史が終わるのだ。
(ちなみに廃刊と言わないのは、雑誌コードを廃止しないで保留にしているから。事実上は廃刊。)

日本におけるジャズの歴史を作ってきた老舗雑誌だけに、資本が変わるなり、編集部ごと事業譲渡されるなりして、
復活できれば良いと思うのだが、冷静に考えれば、既に終焉していてもおかしくなかったのかもしれない。

出版不況が言われてずいぶん経ち、いろいろな雑誌が廃刊になっている。
出版不況の原因は、不況による広告収入の激減、不況による購買意欲の減退、ネットの普及、
出版社の多くが銀行借入ができなくなったこと、等々があるだろうが、
書籍が扱うもの、内容、趣味、流行の変化、なども大きいだろう。


私が10代から20代~30代を経て、つい最近まで定期的に購読していた、もしくは続行している主な雑誌は以下のようなものがある。



・カーグラフィック、NAVI、ル・ボラン等のクルマ雑誌

面白い車が少なくなり、購買意欲が減退、さらに不況が追い討ちをかけクルマは乗り潰すものになった。
若者はクルマに興味が無い。日本のメーカーは企業価値の向上にしか興味が無く、夢を売らない。
そもそも都市部に限ってはクルマは邪魔者でしかない。趣味性の高い内容のNAVIは休刊になった。
文化をクルマを通して語ろうとしてもクルマに文化が無くなったのでは仕方が無い。
カーグラは立派で重く置き場所に困りほぼ全量売却。そもそも高い。
クルマ雑誌は今後も縮小だろう。ただし欧州のクルマは相変わらず魅力的で面白い。

そういえば、モーターマガジン社のミスターバイク(mr.Bike)も休刊が決まった。
ちなみにル・ボランは数年前に立風書房が会社清算して、学研に事業が移っている。




・カメラ、写真雑誌

最新機種の紹介ばかりでどれも似たような内容。メーカーへのヨイショ記事が多すぎて、要するに広告雑誌に
なっている。カメラのモデルチェンジも異様にハイペース(特に家電系)なので結局は広告だらけ。
写真そのものを見たく、アサヒカメラを定期購読していたが、場所を取り、
値段も高く感じる時代になってしまった。
そもそも読み返すことが少ない雑誌で、購読は停止。
日本カメラはクラシックカメラやフィルムカメラの記事を多くして個人的には面白いが、
コスト的にフィルムカメラを使わなくなってきたので、サヨナラか。




・ナショナルジオグラフィック

時代を美しい写真で魅せるので、これはイイ。売れているとは思わないが、定期購読続行。
そもそも薄いので場所を取らないのがイイ。
写真雑誌よりも写真が素晴らしい。被写体に意味があるからだ。
なぜ日経の扱いなのかがちょっと?




・最近買い始めたドラムマガジン

中規模書店でも数冊は置かれている。なぜ需要が多いのか?
バンドブームはあると思うが、それにしてもかなり売れているようで摩訶不思議。
創刊号を所有しているが意外にも長い歴史あり。内容はさほど変わっていない。場所を取らない。
ただし、譜面で解説する箇所が相当に多く面倒。
そのため、CDを頻繁に付録としてつけている。





・鉄道ファン、鉄道ピクトリアル等

1970年頃から買い続けている。内容の濃さは世界に誇れる物。
ほんとうによく出来ている。これぞ日本の本だ。
そもそも広告が少なく、不況の影響は被りにくいだろう。
今は鉄道ブームで購読者は増えているが、ブームが去っても厚い(暑い?)ファン層が土台に居るので、
廃れないだろう。ただし鉄道会社そのものがクルマメーカーのように夢を捨ててしまえば同じ道を歩むだろう。
最近は危機感も感じる。

しかし、マスコミのブームの煽り方には辟易である。




・スイングジャーナル

JAZZ自体が進化をしているものではなく、クラシック以上に伝承の世界。1940年代、50年代、60年代がピーク。
伝承は大事だが、月刊でなくても良い。趣味の世界は知識の蓄積も楽しいが、もはや蓄積すべき物が無い。
JAZZは急激に廃れないと思うが、興味のあるミュージシャンの本を読めば事足りるか。
新譜の広告に頼っていたので力尽きた。
重く高い雑誌だったので、2000年までで購読は停止。ほぼ全量を廃棄。
CDの値段が下がり、SJ誌を買うお金で、CDが買える世の中だ。

でもJAZZを今でも聴いているのは日本人だけ、という話もあり。





とまあ勝手気ままなことを書いたが、本が好きなのは実は変わらない。
可能であれば、本はたくさん欲しい。
書店や図書館に行けば誰だってワクワクするだろう。

ただし、書庫があって、お金が自由であっての話しなのだ。
残念ながら。



そして、私の仕事がまさに本なのだから、穏やかではないのである。










コメント (8)
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