
十時過ぎに小千谷施設に行かなければいけないのと週末の準備であたふた。
出来れば別の日になればよかったと一瞬思ったぐらいだった。
お祝いなのでネクタイぐらいして行こうかと思い、たんすを開けたら半袖が見当たらない。
間に合わないといけないので襟付きの半袖で。
信濃川の橋を渡る頃にはかなり気分が出てきて、親父は幸せだったのだろうかと思ったりした。
自分はどうなのだろうと考えたが、良くないといえば悲しいから、良かったのだと考えた。
良いか悪いかは自分の判断だと言い訳しつつ。
河川敷に蒔いた蕎麦が白くなり出していた。
連なる雲を見ながら、ずーと続く雲は自分のこれからの人生の道のような気がした。
平坦ではない、白い大きな村雲が山のように見えた。
立ち止まらずまず進むことにしょうと思った。
施設には珍しく15分前に到着。
案内されたら6人が米寿の衣装を着ていた。
父の横に自分の席があり、御神酒と饅頭がポツリ。
父が笑顔で横にいた。
瞳の奥には悲しみを宿して。
死ななければ出れないんだなーと入所するとき呟いた。
悲しいけど、どうする事も出来ない。
父の瞳を通して自分の心を覗いていた。

親父良い人生だったよ、ありがとう、おめでとう。
少し前に皆でやった米寿の祝いは忘れていた。

市長より記念品を頂く。
他の家族は誰も来ていなかったからうちの父は良い方かとか勝手な思いで帰ってきた。



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