大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道20

2008-02-29 19:04:54 | E,霧の狐道
 俺の傍に由紀ちゃんがやって来た。

「 ねえ、覚えてるでしょうね。」
「 何を?」
「 今日、クラス新聞に載せる飼育係のコメント作りよ。」
「 あ、そうだった。」
「 先にやってるから、職員トイレの掃除が終わったら急いで来るのよ!」
「 うん、分かった。」

山下先生が近付いて来た。

「 そうか、そんな仕事が残っていたのか。」
「 じゃ、今日は、もう、掃除、しなくっていいってことで・・・。」
「 急いですればいいんだよっ。
 さあ、行くぞっ!」
「 うお~っ!」

 俺は、山下先生に羽交い絞めにされて職員トイレに連行された。
そして、男子トイレに入って山下先生は言った。

「 ほら、この柄付きタワシでゴシゴシやるんだ。
 ここに液体洗剤があるから、ホースで水を撒いてタワシで擦るんだ。
 分かったな。」
「 ハイ、ハイ。」
「 ハイは一回!」
「 ハ~イ。」
「 じゃ、先生は片付けものがあるから職員室に一旦戻るからな。」

“ ムフフフフ、逃げちゃおう!”

「 今、逃げようと思っただろ!」
「 ゲッ!」
「 顔に出てたぞ!」
「 思って無いです、ハイ。」
「 怪しいな・・・。
 直ぐに戻ってくるぞ。
 逃げたら、タダでは済まんからな!」
「 逃げませんよ・・・。」
「 じゃ、綺麗にしろよ!」
「 ハ~イ。」

山下先生は、俺の右手に柄付きタワシを持たせ、一目睨んでから職員室に去って行った。



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