大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道14

2008-02-15 18:57:44 | E,霧の狐道
「 何が、ホントにだ!
 まったく、もう、・・・・。」

 山下先生は、大股で廊下に出て行った。
そして、辺りをキョロキョロ見回した。

「 何も、おらんぞ・・・。」

山下先生は教室の入り口に戻って俺を見た。

“ 顔が怒っているぞ、マズイな・・・。”

そして、両手を挙げ、昆布のように体を前後に揺らせながら俺に言った。

「 コラッ、神谷!
 ゆらゆらした奴は、おらんぞ!」

俺は立ち上がって、悔し紛れに両手を挙げ、ワカメのように体を横に波打たせ言い返した。

「 先生、こっちです。」

クラスの連中は、ワッと笑った。
山下先生の顔が少し緩んだ。

“ おっ、受けた、受けた・・・。”

そして、山下先生は、教卓に戻りながら言った。

「 どっちでもいいから、勉強しろ!」

クラスの連中は、また、笑った。

「 でも、いたような気がするけど・・・。」

俺は、小さく呟いてから、体を捻ってもう一度廊下を見た。
廊下は、そのままの廊下だった。
 俺は座り直して、三列前に座っている由紀ちゃんを見た。
由紀ちゃんは、俺の方を見てニコッと笑った。



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