山下先生は、したり顔で言った。
「 もう、分かった!」
「 先生、何か分かったんですかァ?」
「 何を惚けた顔をして言っているのだ。
う~ん、そうだなァ・・・。
掃除をサボったから、掃除をしろ!」
「 ムフフフフフフ!」
「 何が、ムフフフフフフだ。」
「 先生!
掃除の時間はさっき終わったから、何処もみんな掃除してるでしょう。
だから、もう、掃除するところはありませんよォ。」
「 そうか、もう一回、同じ所と言う訳には行かないなァ・・・。」
「 ね、そうでしょ。
だから、今日のところは、もう、終わりにして、明日、掃除の時間に
念入りに掃除をするってことで・・・。」
「 う~ん・・・・。
いや、ダメだ、ダメだ。
いつも、その手で逃げられているからな。」
「 だからァ~、もう、掃除するところは無いってことで・・・。」
「 そうだ、職員トイレがあるぞ!」
「 ゲッ!」
「 あそこは、今日、掃除をやってない。
神谷、ショートホームルームが終わったら、先生に付いて来い。
逃げたりしたら、許さんからな!」
「 そんなァ~。」
クラスのみんながクスクス笑った。
“ 参ったなァ~。”
俺が自分の椅子に座って、無常の思いを胸に天井を眺めているとショートホームルームがいつの間にか終わっていた。
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