大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道19

2008-02-27 18:43:34 | E,霧の狐道
山下先生は、したり顔で言った。

「 もう、分かった!」
「 先生、何か分かったんですかァ?」
「 何を惚けた顔をして言っているのだ。
 う~ん、そうだなァ・・・。
 掃除をサボったから、掃除をしろ!」
「 ムフフフフフフ!」
「 何が、ムフフフフフフだ。」
「 先生!
 掃除の時間はさっき終わったから、何処もみんな掃除してるでしょう。
 だから、もう、掃除するところはありませんよォ。」
「 そうか、もう一回、同じ所と言う訳には行かないなァ・・・。」
「 ね、そうでしょ。
 だから、今日のところは、もう、終わりにして、明日、掃除の時間に
 念入りに掃除をするってことで・・・。」
「 う~ん・・・・。
 いや、ダメだ、ダメだ。
 いつも、その手で逃げられているからな。」
「 だからァ~、もう、掃除するところは無いってことで・・・。」
「 そうだ、職員トイレがあるぞ!」
「 ゲッ!」
「 あそこは、今日、掃除をやってない。
 神谷、ショートホームルームが終わったら、先生に付いて来い。
 逃げたりしたら、許さんからな!」
「 そんなァ~。」

クラスのみんながクスクス笑った。

“ 参ったなァ~。”

俺が自分の椅子に座って、無常の思いを胸に天井を眺めているとショートホームルームがいつの間にか終わっていた。



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