大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道8

2008-02-01 18:32:45 | E,霧の狐道
 俺は両手でウサギの体を抱え上げ、ウサギの顔を正面で見た。
白地に黒と言うか、黒地に白と言うか、半々だ。
両耳は黒、耳の黒は左の眼辺りにもかかっている。
俺は、足を見た。
足は、どれも白黒だ。

“ あれっ、足、黄色くないな・・・?”

俺は不審に思って、ウサギを持ったままウサギの家を覗いた。
中に、他に動物はいそうにない。

“ 俺の見間違いか・・・?”

 俺は、もう一度、持っているウサギを見た。
やはり、足は白黒だ。
俺はウサギの顔を見る。
このウサギに見覚えは無い。

「 こんな奴、初めて見た・・・。
 おっと!」

 ウサギは俺の腕を擦り抜けて地面に降りた。
そして、ピョンピョン跳んでウサギ小屋の出入り口の扉の所で止まり、右足で扉を三回擦ってこちらを見た。

「 ?」

俺が箒を持って突っ立っていると、もう一度、右足で扉を三回擦ってこちらを見た。

「 外に出たいのか?」


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