大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道16

2008-02-20 20:04:19 | E,霧の狐道
 用務員さんはニンジンを片手に、腰を屈めて、通気口を覗き込んだ。
そして、ジ~ッと通気口の中を見ている。

“ 中は暗いけど、見えるのかな・・・・?”

突然、用務員さんの大きな声が響いた。

「 わっ!」

用務員さんの声に驚いて、俺は急いで用務員さんの前にまわった。
そして、地面に手を付いて通気口を覗き込んだ。

「 え、ウサギがいた?」

用務員さんの左手が、俺の肩越しに通気口を指差している。

「 ああ、いた、いた。
 あそこにいるぞ。」

通気口の中は真っ暗だ。
俺は、用務員さんに聞いた。

「 え、何処、何処?」
「 ホラ、あそこ、あそこ!」
「 え、何処?」
「 ホラ、あそこだよ!」
「 え、見えないよ。」
「 ホラ、あそこに可愛いバニーガールがいるぞ!」
「 ・・・・・・・?」

通気口を覗いている俺の頭に、ニンジンが当たった。

“ ポカッ!”

俺は、用務員さんを見上げて言った。

「 痛ぇなァ・・・。」



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