大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道15

2008-02-18 19:11:41 | E,霧の狐道
 授業が終わって、掃除の時間、俺は通気口を見に行った。
ニンジンが気になったからだ。
通気口には、ニンジンがそのまま置いてあった。
特に、齧った跡は無い。

“ ウサギはもう何処かに行ってしまったのかな・・・。”

俺がニンジンを眺めていると、用務員のオッチャンがやって来た。

「 あらっ、ニンジンが落ちてる!
 よいしょっと!」

用務員さんは、ニンジンを拾い上げた。
 俺は用務員さんに言った。

「 あ、それ、俺が持って来たんだ。」

用務員さんは、胡散臭そうに俺に聞いた。

「 どうして、地面にあるんだ?」
「 ウサギが食べに来るんだ。」
「 何処から?」
「 そこの穴だよ。」
「 ここの穴?」
「 ウサギが、そこに逃げ込んだんだよ!」
「 何処のウサギ?」
「 ウサギ小屋の。」
「 さっきウサギ小屋に行ってエサをやったけど、ウサギはちゃんと六匹
 いたぞ。」
「 いや、昨日、七匹いて、一匹逃げたんだ。」
「 昨日?」
「 そう、昨日。」
「 昨日も、六匹だけどな。」
「 一匹、ここの穴に逃げ込んだんだよ!」
「 ふ~ん・・・・。」


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