大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道9

2008-02-04 19:22:05 | E,霧の狐道
俺が聞くと、ウサギはじっとこちらを見ていた。

「 ちょっとだけ出してやるよ。
 逃げちゃだめだよ。」

 俺はウサギを抱きあげ、ウサギ小屋の鍵を開け、そのウサギと一緒に小屋の外に出た。
草の生えている所が良いかなと思ったので、体育館の横にある花壇と池の間にある芝生の上にウサギを降ろした。
 俺はしゃがんだまま、ウサギを見ていた。
降ろされたウサギは、周りをキョロキョロ見た。
そして、俺の首からぶら下がっているポシェットに近付き、右手でポシェットを三回擦って、前足を上げちょこんと立った。

「 これが気に入ったのかな?」

 俺は、首からポシェットを外し、立ち上がったウサギの首に掛けてやった。
左から右へタスキに掛けたポシェットは妙に似合っていた。

「 おまえ、似合ってるぞ。」

その時、ウサギはニヤッと笑った。

「 うわっ!
 笑った!!」


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