大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道212

2009-04-05 20:15:26 | E,霧の狐道
 俺は由紀ちゃんの後ろ姿を見ながら、お守りを握った。
由紀ちゃんの温もりが残っているような気がした。
龍平が俺に言った。

「 カワイイ子やん。」
「 クラスの子だよ。
 俺の隣の家に住んでるんだ。」
「 で、風呂の件ってなんや?」
「 いや、覗いたって疑われて・・・。」
「 風呂を?」
「 そう。」
「 ま、やりそうやけど。」
「 ち、違うって。」
「 怪しいな。」
「 ホント、ホント。」
「 ふ~ん・・・・・。」

そして、手に持ったお守りを見て龍平は言った。

「 ちょうど良かったやん。
 これ持ってたら、今日の晩は大丈夫なんとちゃうやろか。」
「 そう、そう言う気がする・・。」

俺は由紀ちゃんのくれたお守りを見た。

“ お守りか・・・。”

 俺は今までお守りなんて持ったことも無かった。
でも、持っていれば、安心なのかも知れないとも思えた。
お守りの絵を見ると、キツネがちょこんと座っている。

“ このキツネ、あのキツネかな?”

イタズラされて困った、あのキツネの顔が頭に浮かぶ。

“ でも、鍵は咥えてなかったよな・・・。”

俺はお守りをそっと枕もとの引き出しに入れた。



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