大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道220

2009-04-28 20:25:13 | E,霧の狐道
「 女の子より狸小路の方が怖いかも知れへんで。」
「 どうして?」
「 抱き合わせ人事って知ってるか?」
「 知らないけど・・・・。」
「 A病院に優秀な外科医がいる。
 B病院はそいつを引き抜こうとする。
 引き抜くには多額の現金がA病院と外科医に必要だが、それ以外にも引き受
 けなければならないこともある。
  医者にも問題を持った人がいるが、大学や他病院との人間関係でクビに出
 来ないんや。
 そこで、優秀な外科医にくっ付けて転勤させる。
 これが、抱き合わせ人事やがな。」

“ どう考えても、タヌキが優秀な外科医とは思えない。”

俺は呟いた。

「 タヌキか・・・・。」
「 アハハ、分かったんか!」
「 アハハじゃないよ。
 でも、優秀でなくても普通だろ。」
「 いや・・・・。」
「 いやってなんだよ、教えろよ!!」
「 前に、狸小路、足の骨折手術をしたんや。
 左足を事故で骨折して、手術して直そうとしたんやけど、手術の後、固定し
 たのはええんやが、なかなか左足がくっ付かない。
  おかしいな、おかしいなって思っているうち、一ヶ月近く予定を過ぎて、
 ようやく治ったんや。
 それで、立ち上がって歩いてみるとどうも歩き難い。
 おかしいなってんで、調べると左足が3cm長いんやがな。
  普通、事故した足って短くなることはあるんやけど、長くなるって変やろ。
 長さを間違えて固定してしもたんや。
 もう、ビックリやで。
  左足を引っ張り過ぎて、長くして固定したから、なかなか骨が出来なかっ
 たんや。
 体の不自由な人になってしもて、まあ、お金で示談にしたんやけど。
 でも、高速道路は無料で走れるって、変な感謝をされたけどな。
  貴志も左肩、長くなるんとちゃうか?
 バスケット、左手でシュートしたら入り易いで。」
「 あのなァ~、止めてくれ!
 手術はしないって言ってあるから・・・・。」



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