大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道211

2009-04-03 19:00:26 | E,霧の狐道
 俺は由紀ちゃんの婆さんに以前会ったことがある。
うちの婆さんも強烈だが、由紀ちゃんの婆さんも、また、ちょっと異質な強烈さがある。

「 あの神社のだろ。」
「 そうよ、私の家の氏神様よ。」

故郷にある唯一の神社のお守りだ。

“ これ、効きそうだな・・・。”

俺は有難く頂いた。

「 ありがと・・。」
「 早く治ってね。」

俺が頷くと由紀ちゃんは言った。

「 じゃ~ね、みんな待ってるから・・。
 あ、それから風呂の件は無実が分かったわ。
 貴ぴ~のお父さんに聞いたから。
 アリバイ成立ねっ!」
「 そうだろ。
 言った通りだろ。」
「 疑ってゴメンね。」
「 いいよ。」
「 じゃ・・・・。」

由紀ちゃんはニコッと笑って右手を小さく振った。
 龍平が由紀ちゃんに馴れ馴れしく言った。

「 また来いよなァ~。
 今度来る時は、わいの分も持って来るんやでェ~。」

由紀ちゃんは笑いながらクルッと向きを変えて病室を出て行った。



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