大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道217

2009-04-22 18:55:47 | E,霧の狐道
 俺は、まだ、眠くないので龍平に話し掛けた。

「 龍平、田中さんから聞いたんだけど、この病院の院長の子?」
「 ああ、そうやで。」
「 それって、お金持ち?」
「 ああ、金はあるな。」
「 いいなァ~。」
「 お金があっても、いいとは限らんで。」
「 どうして?
 俺なんて、ズ~ッと貧乏だよ。
 食べ物だって、チクワばっかり・・・。
 体に、縦に穴が開きそう・・・。」
「 アハハハハ。
 まあ、食い物は取り寄せられるけど・・。
 でも、貴志には家族が揃ってるだろ。」
「 揃ってるって?」
「 親とか・・。」
「 両親と妹がいるけど・・。」
「 夕食とか、一緒に食べるやろ。」
「 そうだよ。」
「 わいは、いつも一人で食ってる。」
「 どうして?」
「 親父は忙しくって夜にしか帰ってこないし、母親とは話が合わへんにゃ。」
「 兄弟は?」
「 妹が一人いるけど・・・。」
「 じゃ、俺の家と同じだな。」
「 いや、違う。
 今の母親は、本当の母やない。
 妹は親父の子やけど、今の母の子や。
 わいの母は、死んだ。」




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