俺と龍平は、ベッドに二人並んだ。
左が龍平で俺は右だ。
俺は右の白い壁を見ながら思った。
“ お揚げ婆さんに接近してるけどなぁ・・・・。
でも、単に夢だったかも知れないし・・・。
いくらなんでも、カエルに跨って出て来るなんて、マンガの世界だろ。
やっぱ、ありゃ夢だな・・・・。
夢だったら、全然影響無いよな。
まあ、気にせずにおくか・・・・。
それに、今日は隆平もいるしな・・。”
俺は寝転んだ。
布団を首まで被って、二人並んで顔を出す。
布団一つでは、体の何処かが布団からはみ出す。
龍平が俺に文句を言った。
「 狭いなァ~。」
「 あのなあ、龍平。
これは俺のベッドだぞ。
おまえ、あっちの空いているベッドで寝ろよォ!」
「 おまえなァ・・・、あれはイヤやちゅうたやろ!
おまえこそ、寝ろ!」
「 イヤだよ、まだ、死にたくない。」
俺たちは空きベッドを見た。
隆平がベッドを見ながら俺に訊いた。
「 出るのは、何時ごろや?」
「 昨日は、2時ごろ女の子が来た。」
「 それで?」
「 で、女の子がベッドを触ったら、ムクムクと黒いヤツが出てきたんだ。」
「 ふ~ん、2時ごろかァ。
女の子と黒いヤツのダブルやな。
どっちも、ちょっと手強そうやな。
女の子って、黒いヤツを呼んでるのかな?」
「 どうかな・・?」
「 まあ、その時間までは、どっちも出てこないよな。」
「 どうかな・・?」
「 同じ返事ばっかりするなよなァ。」
「 だって、分からないからさァ・・・。」
「 う~ん、そうか・・・。」
龍平が黙ると部屋は静かになった。
☆HOMEページに戻る。
HOMEページ