大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道216

2009-04-20 19:35:18 | E,霧の狐道
 俺と龍平は、ベッドに二人並んだ。
左が龍平で俺は右だ。
俺は右の白い壁を見ながら思った。

“ お揚げ婆さんに接近してるけどなぁ・・・・。
 でも、単に夢だったかも知れないし・・・。
 いくらなんでも、カエルに跨って出て来るなんて、マンガの世界だろ。
  やっぱ、ありゃ夢だな・・・・。
 夢だったら、全然影響無いよな。
 まあ、気にせずにおくか・・・・。
 それに、今日は隆平もいるしな・・。”

俺は寝転んだ。
 布団を首まで被って、二人並んで顔を出す。
布団一つでは、体の何処かが布団からはみ出す。
龍平が俺に文句を言った。

「 狭いなァ~。」
「 あのなあ、龍平。
 これは俺のベッドだぞ。
 おまえ、あっちの空いているベッドで寝ろよォ!」
「 おまえなァ・・・、あれはイヤやちゅうたやろ!
 おまえこそ、寝ろ!」
「 イヤだよ、まだ、死にたくない。」

 俺たちは空きベッドを見た。
隆平がベッドを見ながら俺に訊いた。

「 出るのは、何時ごろや?」
「 昨日は、2時ごろ女の子が来た。」
「 それで?」
「 で、女の子がベッドを触ったら、ムクムクと黒いヤツが出てきたんだ。」
「 ふ~ん、2時ごろかァ。
 女の子と黒いヤツのダブルやな。
 どっちも、ちょっと手強そうやな。
 女の子って、黒いヤツを呼んでるのかな?」
「 どうかな・・?」
「 まあ、その時間までは、どっちも出てこないよな。」
「 どうかな・・?」
「 同じ返事ばっかりするなよなァ。」
「 だって、分からないからさァ・・・。」
「 う~ん、そうか・・・。」

龍平が黙ると部屋は静かになった。




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