大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道213

2009-04-08 19:08:57 | E,霧の狐道
 田中爺が横のベッドから俺に声を掛けた。

「 よっ、色男!
 いい物、貰ったやん。
 憎いねぇ~、女の子から貰うなんて!
 それも、みんなに分からないように、そっと貰って。
 あれは、おまえの女か?」

龍平はそれを聞いてアハハと笑った。
 俺は田中爺を困った顔で見た。

“ 田中爺よ、それが小学生に言う言葉か・・・・。”

そして田中爺に説明した。

「 いや、クラスの友達です。」
「 ふ~ん、イヤに親しそうな感じやったでェ~。」
「 小さい頃からの幼馴染で・・・・・。」
「 ほう、それで、それで、・・・・。」
「 ・・・・・。」

俺は言うのを止めた。
田中爺はニヤニヤして俺を見ている。
 で、俺は話題を逸らそうとした。

“ そうだ、果物だ・・。”

俺は田中爺に果物をお裾分けして黙らせようとした。

「 いやァ、まあ、お見舞いの果物でも・・・・。」
「 おお、そうかい、そうかい。
 リンゴでも食って、ゆっくり聞くことにするかのォ。
 その幼馴染の馴れ初めってヤツをのォ~。」

俺は、“これは却ってマズかったかな”と思った。



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