大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道215

2009-04-14 18:56:22 | E,霧の狐道
    消灯2


 消灯を過ぎ、看護婦さんの見回りが終わったころ、龍平が病室に忍び込んで来た。
黒い上下のジャージを着て、黒っぽいスヌーピーの枕を持っている。

「 よっ!」

龍平は右手を挙げて挨拶した。

「 看護婦に見つからないように黒尽くめで来たんや。
 どや、見えへんやろ。」

龍平は枕を持ったまま、病室の白い壁にゴキブリのようにピッタリと体を付けた。

「 白い壁に、黒は見えるけど・・。」
「 あ、そやな。
 でも、夜はやっぱり黒やで・・・。
 ほれっ!」

龍平は壁から離れ、枕を俺のベッドに放り込んだ。

「 あらよっと!」

そして、掛け布団を引っ張って尻から体を俺のベッドに入れて来た。

「 ベッド、詰めろ、詰めろ。
 わいも、入るで。」
「 イデデデデ、押すなよ。
 俺は、病人だろ。」
「 もうちょっと詰めろよ。
 狭いんだから・・・。」
「 仕方が無いなァ~。」




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