大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 4月2日 昼下がり

2017-04-02 18:53:05 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 4月2日 昼下がり




 道路工事の現場は、作業車の他は何も通らないような山奥だった。
ある日の昼下がり、乗用車が一台、現場に侵入してきた。

「 出て行け!」

という注意も聞こえないようで、車は現場の中で止まった。
 運転席から降りた男は、トランクから大きな麻袋を担ぎ出してきた。
麻袋からは女性の腕が突き出していた。
 その異様な光景に、誰もが近寄るのを躊躇した。
男は地面に掘られていた穴の中に袋を投げ込み、土をかけて埋めてしまった。
袋が見えなくなると、男はほっと息をつき、車に乗り込んで帰っていった。
 誰かが、

「 警察を呼べ!」

と叫んでいた。
 白昼の大胆な死体遺棄犯は、目撃者が多いせいもあってすぐに捕まった。
警察の取り調べで犯人が語ったところによると、殺した女性を埋めようと山に入ったが、出くわした工事現場に誰もおらず、ちょうどいい穴まであったので、これ幸いと埋めてきたということだった。
 なぜか犯人には、殺した女性以外の存在は見えていなかった。
当時、現場には作業員が十人以上いたと聞かされても、信用しなかったという。
その全員が目撃者だと聞いたときは、唖然としていたそうである。












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