大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 4月10日 音(1)

2017-04-10 18:39:33 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 4月10日 音(1)




 昔、中国に出張に行ったときのことだ。
アパートみたいなのを寮にしてたんだけど、そこを使う社員の間で出るという噂がたっていた。
 部屋は三つあったけど、奥の部屋は鍵がかけられて使われてなかった。
一番広い部屋に大きなベッドがあったので、同僚と二人でそこを使った。
 ある夜、寝ようとして電気を消したら、シャンデリアが揺れたようなチリチリという綺麗な音が聞こえた。
繊細なクリスタルが振動したような高い音だった。
 部屋には確かにお粗末なシャンデリアらしき照明があったけど、電気をつけて確認してもシャンデリアは揺れてないし、明るくなると音がやむ。
同僚と、

「 なんだろうね?」

って話し合ったけど、怖くなってきたので気のせいで片付けてさっさと寝ることにした。
 ところがいざ寝ようと電気を消すと、しばらくしてまた音が鳴り始めた。
我慢してじっとしてると、そのキラキラ音が次第に大きくなってきた。

“ 気のせい・・・。”

と自分に言い聞かせて必死に目を閉じてたけど、次の瞬間に背中が凍りついた。
 その音が移動し始めた。
最初はベッドの左側の同僚のほうに音が遠ざかって行く。
次に足元のほうに。











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