日々の恐怖 4月14日 夏
3年くらい前のこの季節、スーパーで買い物した帰りにくそ暑いなか一本道歩いてたら、道のど真ん中に、おばさんが立ちすくんでて、
“ 何だ・・・?”
と思ったら、鳥が死んでいた。
よく見たら、何でか頭がなくて血が流れている。
“ うへぇっ・・・・。”
て思って通りすぎようとしたら、おばさんに声をかけられた。
「 悪いけど可哀想だから、どうにかしてもらえないかしら?」
と、鳥を指差していた。
暑いしあんまり気乗りしなかったけど、車通る道だから踏まれても可哀想だしと思って、
「 ここに置くだけでいいですか?」
と、一本だけ植えてあった木の根元に置いた。
そしたらおばさんは、
「 ありがとう、私には触ることが出来なかったから、本当にありがとう。」
って言った。
“ なんじゃ・・・・?”
と思いつつ、
「 どうも・・・・・。」
って会釈してその場を後にしたんだけど、何となく気になってしまって後ろを振り返ったら、おばさんいないんだよ、一本道だから途中身を隠すとこもないのに。
木のところに戻ったら、さっき無かった鳥の頭があって、もうパニックだったけど、アイス溶けちゃうから、ささっと帰った。
それだけなんだけどね。
“ おばさんどこいったんだよ?”
一本道も今は整備されて木も無くなって、住宅街になってしまった。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ