日々の恐怖 4月7日 ドッペルゲンガー(2)
その後、しばらくして法事で田舎に帰ったんだが、その従兄に調子を聞くと、
「 居眠りはしないんだが・・・。」
と言いながら話してくれたのが、自分を轢いた話だった。
車を運転しているとき、目の前に自分が突然現れて轢いてしまった。
急いで車を降りて痕跡を探したのだが何も無し。
“ 幻覚でもみたのか?”
と思っていたが、家の中に入ると自分が立っているという幻覚を見たり、自分から電話がかかってきたりということを繰返したので、病院にいったら再発していた。
法事の後、二度目の手術をする予定、という話だった。
余談だが、この時期従兄は驚くほど太っていて、後に脳の腫瘍がホルモンをつかさどる部分を圧迫していて、その影響で太っていたことが発覚した。
腫瘍を取り去った後、食事療法等しなくても痩せていった。
腫瘍だけではなく、何らかの脳のエラーや異常でこういうことは起きるんだろう。
以前あった事件の犯人も、事故で頭を強く打った後に性格が豹変した、という話もある。
大量殺人を行った人の脳に異常が見られる確率が高いという話もある。
視覚・聴覚・意識・ホルモンだけじゃなく、性格や性欲まで脳でつくられているんだから。
脳ってのは不思議なものだと思う。
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