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日々の恐怖 8月6日 怖い話が大好き(3)

2017-08-06 19:25:45 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 8月6日 怖い話が大好き(3)




 さっきまではゴミ袋かなんかが引っかかってるだけかも、と思っていた。
こんな時はお経を唱えるといい、という話はよくある。
 しかしその時のオレは、

「 もう勘弁してくれ、頼むから勘弁してくれ、ホントマジで勘弁してくれ。」

と、バージョン違いの勘弁してくれを繰り返すしか出来なかった。
 その祈りが通じたわけでもないだろうが、その後何も起こらない。
よくある話なら、バンバンと車を叩く音がしたり、

『 ボクヲヒイタノハオマエダロ?』

なんて声が聞こえたりするところだが、何も起こらない。
 どれくらい経ったか、30秒?40秒?何も起こらないので少し冷静になれた。

“ このままではいられない、どうにかしないと・・・・。
だが、何をするにもまずは目を開けないと・・・・。”

そうなると目を閉じた事に後悔する。
 今まで読んだ車系怖い話のいろんなパターンが浮かんでくる。
目を開けたとき足にしがみついてたり、フロントガラスにへばりついてたり、助手席にすわってたり・・・ 。
どれも最悪の展開だ。
目を開ける勇気がでない。
 その時ふと頭に浮かんだもう一つの最悪。
エンジンが切れる。
一度切れたら最後、オレが行方不明になって話が終わる。

“ 冗談じゃない、今のうちになんとかしないと・・!”

とりあえず足をバタバタ動かして、何にも捕まれてないことを確認する。

“ 大丈夫だ。”

 少し深呼吸し、大きく息を吸い込んだところで、

「 コノヤロー!」

と気合を入れて目を開けた。

“ 足元には何もない。
前、助手席、何もない。
そして助手席側のミラー・・・、何もない!?

あちこち見回してみたが何もいない。

“ 消えた?見間違い?”

オレは吸い込んだ息を一気に吐き出した。











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