日々の恐怖 8月9日 怖い話が大好き(5)
その場を離れてもまだ怖い。
“ 実は乗ってました!”
なんて話もよくあるからだ。
10分ほど走ったところのコンビニに車を止めて、ようやく人心地がついた。
店内へ入り読みたくもない雑誌を取り、立ち読みする振りをして自分の車をちらちら観察する。
『 ふざけやがって!
用があるなら、出てきてみろってんだ!』
居もしない相手に心で話しかける。
明るい店内にいるので強気だ。
5分ほどそうしていたが、やはり異常はない。
さすがに落ち着いてきた。
喉が渇いたので、コーラでも買おうと手を伸ばしたがやめた。
“ だめだ、コーラなんて子供の大好物じゃないか!
コーラに惹かれてついてくるかもしれない!”
そこで子供の嫌いなブラックの缶コーヒーを2本買った。
ばかばかしいと思うでしょう。
オレも思う。
ただその時は必死だった。
店を出て、一本を一気に飲み干しゴミ箱へ捨てる。
気合を入れ直して車へ乗り、もう一本をあけた。
『 さあ、ブラックコーヒーも飲めないお子様はお帰りください。』
と心で言い放ち、家へと車を走らせた。
その後、道中何もなく無事家までたどり着き、今日は眠れんぞと思いながら、ビール飲みつつネットしてるうちに、いつの間にか眠っていた。
翌日、一つだけ確認しなければならないことがあった。
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