日々の出来事 12月24日 サブリミナル効果
今日は、問題のあるサブリミナル効果を狙ったとされる画像がアニメで放映された日です。(1989年12月24日)
サブリミナル効果とは、流れている映像の中に一瞬だけ他の画像を入れ、視聴者の深層心理にその画像を植え付けるものです。
研究され始めたのは19世紀半ば頃からで、その後イエール大学のE.W. Scriptureが著書The New Psychologyで、サブリミナル・メッセージについての基本的な原理を解説ししています。
1957年にマーケティング業のジェームズ・ヴィカリが、ニュージャージー州フォートリーの映画館で上映された映画“ピクニック”のフィルムに「コーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」とメッセージが写ったコマを5分ごとに繰り返し挿入し、売上に影響があるかを測定した実験が有名です。
そして、この映画を上映したところコーラとポップコーンの売上が増大したとされますが、正確な実験でも無く、効果は不明確です。
日本では、1980年代初めごろ、アニメで“お遊び”として1カットだけイタズラ書きした絵を挟み、アニメファンがビデオでそれを録画してコマ送りで見て楽しむといったファンサービスの一種を行っていました。
そして、1989年12月24日に放映された『シティハンター3』第11話“クリスマスにウェディングドレスを(後編)”に挟まれていた映像は、オウム真理教の麻原彰晃の顔写真でした。
当時は、まだ麻原彰晃は空中浮遊をする変なおじさん程度で、挟み込んだ人物は特に意図は無く、アニメ制作会社サンライズの郵便受けに入っていた衆議院選挙向けのチラシの画像をたまたま入れました。
衆議院選挙向けのチラシの画像を入れることも不謹慎なものですが、後に松本サリン事件や地下鉄サリン事件が起きて事が大きくなります。
1995年5月のTBSの報道で、この映像は大きく取り上げられ、それと共にサブリミナル効果が広く知られるようになりました。
そして、この出来事を契機として、これ以降の映像は画像を挟むことはなくなり、以前の映像に挟み込まれていた画像もすべて削り取られました。
だから、今は、昔のアニメをコマ送りで見ても、挟み込んだイタズラ画像は無くなっています。
E.W. Scripture
☆今日の壺々話
コーラ
「 そんなおまいを安心させてやろう。
サブリミナル効果はコーラのCMの都市伝説とかでも有名だけど、
実際にはまったく効果がないことが証明されているのだ。」
「 実際にはまったく効果がないことが コーラ 証明されている。
実際にはまったく コーラ 効果がないことが証明されている。
実際にはまったく効果がないことが証明 コーラ されている。」
「 コーラ飲みたくなったw。」
「 コーラ いかんわ。
ちょっとコーラ買ってくるノシ。」
「 おれもコーラ買ってくる。」
「 こんなのありえないことは、一回考えりゃわかるだろ。
サブリミナルなんて効果が無いんだよ。
えっと、コーラ買ってこよう。」
「 よく見てみろよ。
サブリミナルは人間が認識できるかできないかという一瞬のレベルで脳に刷り込まれるもの、こんなにでかでかとコーラと表記していたのではサブリミナルなど関係あるわけがない。
じゃ、コーラ買って来るわ。」
サブリミナル効果
心理テストです
あなたは長いトンネルの中を歩いています
出口に一人の男性が立っています (デリカット)
あなたが今思い浮かべたのは誰ですか?
それがあなたの運命の人なのです
ケントデリカット…
なんで(デリカット)って書いたの?
運命の人がケント・デリカットになってしまったじゃないか
完璧な「サブリミナル効果作戦」
左まぶたに「セ○クス」、右まぶたに「しよう」と書き、まばたきする度に「セッ○スしよう」の文字が一瞬だけ浮かび上がるサブリミナル効果作戦を思いついたので、この完璧な作戦で逆ナンされるべく意気揚々と電車で出かけるも、電車で爆睡してしまい、鉄道警察で事情聴取を受けているのが僕です。
歯の中
高校時代、物理の授業中に突然立ち上がり、
「俺の歯の中に誰かがいるーー」っと叫んで教室を出て行き、
そのまま二度と高校に来なかった山崎くん。
今何してますか?
にわかには信じがたい話だが、歯の詰め物に含まれる金属組成が、偶然にある比率になっていた場合、唾液と反応して、一種の微弱な鉱石ラジオのように放送電波を拾ってしまう事態が、ごく稀に起こるらしい。
そして、歯から顎骨を伝導して、ラジオ放送が頭の中に直接響き、幻聴と勘違いされて大騒ぎになるのだと。。。
風邪
2001年の秋。
風邪ひいてて寒気がするので、大久保にある病院に行くため西武新宿線のつり革につかまってた。
で、あたまがぐわんぐわんと痛くて、目を閉じて眉間にしわ寄せて耐えてた。
そこで記憶が途絶えて、気がついたら夕方で、あたりは見知らぬ景色。
買ったことない服着てて、髪染めたこともなかったのに茶髪になってた。
パニクって近くのラーメン屋に入って、「ここどこ?」と聞いた。
大阪市の福島駅の近くで、時間が一年近く経ってた。
ケータイの種類が変わってた。
アドレス帳には、「ま」とか「ひ」とか、一文字の名前で電話番号が10程度あったけど、知り合いや実家の電話番号がない。
俺はなぜだか知らないが、その知らない電話番号が恐ろしくて川に捨てた。
警察から実家に連絡した。
向こうもパニクってた。
俺に捜索願が出てた。
とにかく、帰って、今もまだ月一で精神病院に通ってる。
仕事は元の会社には帰れないみたいだったので、今は派遣やってる。
お話“サブリミナルメッセージ”
今から10年以上前、まだ俺が大学生だったころの話。
大学で学んだことなんてほとんど忘れてしまったけど、ひとつだけ、どうしても忘れられない講義がある。
もしも今、同じような講義がされたら大問題になるのだろう。
俺が通っていた大学は、必須単位として一般教養科目がいくつか用意されていた。
みんな「パンキョー」とか略していたっけ。
俺は理学部だったけど、そのパンキョーの中から心理学を選んだ。
テストも無しに、出席だけでラクに単位が取れると評判の講義だったからな。
その第一回目の講義。
題目は「サブリミナル効果」だった。
みんなも大まかには知ってると思うけど、映画の最中にコーラの映像をはさんだら、観てた客がコーラ飲みたくなりましたってヤツ。
潜在意識に働きかける心理効果みたいなものだよね。
結構おもしろい講義だったよ。
実は効果がはっきりとは判明してないとか、世界的に禁止されたとか、他にも教授自身が行った実験結果とか見せてもらった。
で、講義の最後の総括。
教授がこんなことを言ったんだ(ずいぶん前のことだから、語り口とかは再現できてないけど)。
「 サブリミナルメッセージが効果を表わす場合、必ず共通することがある。
当然のことだが、被験者がコーラという飲み物を知らなければ、どんなにコーラの映像を見せたところで「コーラが飲みたい」とは思わない。
これと同じく、英語しか知らないアメリカ人に対して日本語を用いたサブリミナルメッセージも絶対に効果を示さない。
潜在意識に働きかけるには、単純で短く、日常的な言葉でなければならない。
実は今回の講義を通して、生徒であるあなた方にサブリミナルメッセージを送った。
だが、絶対に効果は表れないだろう。
送ったメッセージは単純で短いものだが、日常的ではないからだ。
しかし私の送ったメッセージがわかった時、別の効果が表れるように仕掛けを施している。
毎年行っているが、このメッセージの効果は抜群だ。」
と、こんな内容だった。
そして教授はテープレコーダーを取り出し、そのテープを再生した。
テープからは、黒板に板書するときに出るチョーク独特の乾いた音。
「 このテープには今回の講義を録音してある。
チョークの音をよく聴いて欲しい。
この講義中、断続的にだが『ツー・ツー・ト・ツー・ト、ツー・ツー・ト・ツー』と、音が出るように気をつけて板書していた。
これが何を意味するのかは自分で調べること。
そしてこのメッセージの効果は…。」
もう、おわかりだろうか。
『ツー・ツー・ト・ツー・ト、ツー・ツー・ト・ツー』
は、モールス信号で
『シネ』
そして教授が最後に言った。
「 このメッセージの効果は、この講義をずっと憶えていること。」
心理学の教授が送ったサブリミナルメッセージは、確かに10年以上経つ今でも、その効果が続いている。
唯一の記憶
前置きとして覚えておいて欲しい。
俺はガキの頃の記憶がひとつしか無い。
先日友達とガキの頃の思い出について話を聞くと大概はある程度あるらしい。
記憶喪失?、とか思ってよくある本の主人公みたいで少しワクワクした。
同時に自分の幼少期について興味が湧いたので今日帰宅した後、何かアルバムでも無いかと探してみた。
案の定ホームビデオ的なモノが見付かったので早速見てみた。
そこには呆けた顔でテレビを見ている一人のガキが映っていた。
名前を呼ばれて返事をした所を見るとどうやらコイツは俺で間違いないらしい。
しばらく見ていると段々に飽きてきた。
“ もう良いかな。”
そう思った瞬間にサブリミナルの様に屋内の家庭風景から一変して、屋外で撮影されたと思われる“燃え盛る家”が映されていた。
ここで前置きに戻るが、その唯一の記憶というのは、台所?かどこかの広い部屋で自分がマッチに火をつけて遊んでいた光景だ。
また、話は変わるが、俺の祖父が逝去したのは1990年の事らしい。
これは祖母に聞いた話だ。
奇しくも燃え盛る家の画面下に表示されていた年号は1990年。
祖父の死との関連性が無いとは一概に言い切れないし、かと言って誰かに死亡原因を聞くのも恐ろしい。
以前住んでいたらしいその焼け落ちた家は今は無く、現在の住居と幾分も離れていない所で売地となっている。
記憶を取り戻す旅
若者が目を覚ました場所はスラムの裏路地だった。
彼はこの風景に見覚えがなかった。
それどころか自分の名前さえ知らなかった。
しかし一つだけ確かな知識があった。
(私の記憶は世界中を歩き回ることで戻るだろう)
若者は労働と物乞いを繰り返し、世界中を歩き回った。
その旅は決して楽なものではなかった。
彼の身なりや容姿のみすぼらしさもあり、人々は彼を冷たい目で見た。
野宿して起きてみれば、荷物がなくなる。
汗水を流して稼いだ金で、少しいい宿に泊まると、ナイフを持った男に脅されてあり金を全て奪われる。
こんなことが日常茶飯事だった。
「儲け話があるから」と言われてついて行けば詐欺にあった。
一晩愛を暖めた女は、財布とともに消えてしまった。
世界は彼にとって冷た過ぎた。
ある時などは、チンピラ集団に絡まれて、川に流され死にそうになった。
それでも若者は歩き続けた。
5年の後、彼はスラムに戻ってきた。
裏路地に入ろうとしたところで、黒人の子供に出会った。
少年は腹から血を流していた。
「助けてくれ」と呻く少年を、若者は手当をしてやった。
話を聞くと少年は親から捨てられたらしい。
生きるためにスラムのチンピラ集団に入ったが、死体の始末やスリなどをやらされ、兄貴分には殴られ、最後には抗争の囮として捨てられ、今に至るそうだ。
若者は少年に語り始めた。
「 神様がいるなら、こんな酷い世界は消してしまうべきだと思わないか?
人々は騙し合い、他人から奪うことを少しも疑わず、暴力を振るうことを躊躇わない。」
その事実こそが、若者が自らの記憶を消してまでも確かめたかったことだった。
自分の目で、耳で、体で、彼は世界の酷さを知った。
そして今こそ決断の時だと思った。
しかし少年はキョトンとした戸惑いを浮かべ、こう返した。
「 世界が消えたら、僕は死んでしまいます。」
「 こんな世界に生きていても仕方ないと思わないのかい?」
「 おじさんは生きたいと思わないの?」
質問に質問で返された若者の頭には、ある記憶が蘇った。
チンピラに川に流されたとき、彼は確かに《生きたい》と強く願った。
どれだけ冷たい世界でも、人は生きたいと願うことを若者は知っていた。
若者には何が正しいのか分からなくなった。
人は幸せになれなくても生きたいと願ってしまう。
人間という生物がどれだけ醜いとしても、それを消す必要が、意味が、どこにあるのか、全く分からなくなった。
彼は少年にさよならを告げて、裏路地へと消えて行った。
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