日々の出来事 12月1日 垓下の戦い 四面楚歌
今日は、垓下の戦いがあった日です。(紀元前202年12月1日)
垓下の戦いは、紀元前202年、楚の項羽と漢の劉邦による楚漢戦争の最後の戦いで、中国の安徽省蚌埠市固鎮県の垓下で行われました。
この戦いで項羽は破れ、劉邦の勝利が確定し楚漢戦争が終結しました。
そして、天下を統一した劉邦は、約400年の長きにわたって続く漢王朝を建てました。
ほんで、もうちょっと詳しく言うと中国史はいつもこんな感じになります。
中国数千年のマンネリワンパターン
0、最初
↓
1、有力者が統一
↓
2、何代か経ってアホな皇帝が出てくる
↓
3、国が乱れる
↓
4、国家権力ジリ貧
↓
5、新興勢力登場
↓
6、皇帝家vs新興勢力または新興勢力同士でドンパチ
↓
(最初に戻る)
まあ、中国に限らずどこの国でも似たようなものですが、この繰り返しです。
中国大陸の場合何がスゴいかって、世界史のほとんどの時代で最先進国だったというのに、同じ事を何回も繰り返しているという点です。
まあ、今もそうですけどね。
一つにまとまるにしては中国といわれる範囲が広すぎるんですかねえ。
これがイングランドとフランスみたいにしょっちゅう海を渡って他国と戦争してるとか、ドイツみたいにそもそも小国乱立状態だったんなら話がわかるんですがね。
それで、本題です。
垓下の戦いの遠因は、始皇帝の王朝に力がなくなったことです。
当然国は乱れ、次の皇帝になるべくさまざまな勢力が興ります。
この中で勢力を強めたのが項羽と劉邦でした。
二人は別々に兵を挙げたため、どちらが秦を滅ぼすかで競争状態です。
先に秦の都である咸陽に近づいたのは劉邦でした。
これを知った秦内部の重臣がテンパり、皇帝を暗殺してしまいました。
おいおい落ち着けよ。
その重臣は劉邦に降伏したのですが、後からやってきた項羽は重臣本人どころか一族皆殺しにした上、美女や財宝を略奪し咸陽市街に放火という腹いせにも程がある蛮行に及びます。
この辺、皆カルシウム足りなさすぎです。
項羽はその後地元の楚という地方に戻り、オレがここの王様と宣言するのですが、当然他の地方の人はそんなもん認めません。
勝手に諸侯を任命したり国らしくするためにあれこれやるのですが、そもそも乱暴者の上あまりにもえこひいきの目立つやり方だったので、マグロの初競りを上回るスピードで項羽への恨みボルテージが上がっていきます。
何せ、秦との戦の最中でも、あいつら裏切りそうだから生き埋めにするわとか、理不尽な理由で20万人殺してますからね。
その親類縁者だけでも相当な反感を買っていたでしょうね。
そしてとうとう劉邦を始めとした諸侯が次々に兵を挙げ、またしても戦が起きました。
権力者が自分のことしか考えないといつもこれです。
当然項羽も黙ってはいません。
彼は人の心の機微とか他人を気遣うとか公平さとかいう概念は全く持っていませんでしたが、戦に勝つ方法だけは知っていました。
一方劉邦は項羽ほど戦は得意ではなかったものの、他の勢力と協力することによって最終的に項羽を追い詰めることに成功しました。
その最終決戦が垓下の戦いです。
垓下に追い詰められた項羽は、そこで敵軍の中から懐かしい故郷の歌が聞こえてくることに気付きます。
それは一方向だけではなく、四方からでした。
事ここに至って、項羽は故郷である楚の国の人までも敵になったことを知ります。
これが四面楚歌です。
そして一人悲劇のヒーロー気分になってしまった項羽は、詩を詠みました。
力拔山兮 氣蓋世 (力は山を抜き 気は世を蓋う)
時不利兮 騅不逝 (時利あらず 騅逝かず)
騅不逝兮 可奈何 (騅逝かざるを 奈何すべき)
虞兮虞兮 奈若何 (虞や虞や 汝を奈何せん)
この期に及んで、項羽は付き従ってくれた部下よりも虞美人さんの心配をし始める。
さすが項羽さんです。
それでも項羽はその場で味方に刺されていないので、まだカリスマは消えていなかったようです。
この軍の兵ってかなり心広いんじゃないの?
が、当然劉邦軍はそんな慈悲の心を持ち合わせていなかったので、項羽は奮戦の果てに自害します。
劉邦により項羽には懸賞金が掛かっていました。
その遺体には兵が群がり、一時同士討ちまで起きたとか。
最終的に遺体と手柄を5人で分けたようです。
こうして劉邦が勝利を収め、中国文明の象徴となった漢王朝ができたのでした。
漢民族中国で一番ってヤツです。
それで、今日の教訓は、“ワガママな乱暴者は友達の多いヤツに勝てない”ってことですかね。
まあ、現在の中国もこれと同じで四面楚歌ですね。
垓下の戦い
☆今日の壺々話
“四面楚歌”
「 ホント、参ったなァ~。
こんな所に立て籠もる事になるなんて・・・。」
「 あんた、どうすんのよォ~。」
「 お、虞美人。
ブツブツ言うな。
何とかなるさ!」
“ ピ~ヒャラ、ピ~ヒャラ、パッパ、パラパァ~♪”
「 ありゃ、砦の周りから楚の歌が聞こえるぞ!
弱ったなァ~、もう漢軍は楚を占領したのかァ~。
敵に楚の人間が山ほどいるぞ!」
「 あなたァ、どうすんのよォ~。」
「 南に脱出だ!
その前に、取り敢えず別れの宴会をしよう。
じゃ、詩を詠むぞ!
力拔山兮 氣蓋世
時不利兮 騅不逝
騅不逝兮 可奈何
虞兮虞兮 奈若何
どうじゃ、カッコイイだろ!」
「 “虞や虞や 汝を如何せん”って、私も一緒に逃げるわよォ~。」
「 それじゃ、別れは止めて、みんなで逃げることにしよう!」
“ スタコラサッサ、スタコラサッサ・・・。”
「 お、川だ、川だ。
宿場役人がいるぞ。」
「 おお、これは項羽様。
船は私しか持っていませんので、漢は川を渡れませんよ。」
「 じゃ、渡っちゃおう!
虞美人、愛馬の騅、子分供、みんな乗るんだ。
あ、宿場役人、俺は自決したことにしておいてくれ!」
「 ハイ、ガッテンだァ~!!」
江東に逃れた項羽たちは、この地で楽しく暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
項羽と劉邦
“項羽、劉邦どちらが素晴らしいか”ということについて、武将たちはそれぞれ論じ合った。
曹操は、自分のことで頭がいっぱいだった。
孫策は、項羽派だった、だが劉邦派の宇吉に呪い殺されてしまった。
劉備は、自分が中山靖王劉勝の子孫である、という発言を撤回した。
呂布は、韓信派だった。
袁術は、我は劉邦の生まれ変わりである、と発言し民から税金を搾り取った。
周瑜は、劉邦派だった、だが、諸葛亮は劉邦の生まれ変わりではないか?とひどく心配し吐血した。
諸葛亮は、少なくとも自分ではないと思っていた。
張飛は、酒が好きな方はきっと項羽だろう、といって劉邦をけなしまくった。
劉禅には、そんなことはどうでもよかった。
山田悠介秘奥義
山田流秘奥義~四次元四面楚歌
「そこには目の前に九人の鬼達が翼を囲むようにして全ての鬼が地面に落ちた翼を
ゴーグル越しに見据えている。」
山田流秘奥義~別れ際の幻想
「翼はリュックを片手に後ろを振り返り、それでも堂々とした歩き方で振り返る事もせず、
皆に別れを告げた。」
山田流秘奥義~世界を支配するもの
「翼は辺りをキョロキョロさせながら」
山田流秘奥義~標準体型発見
「鬼達はピタリと足を止めた。翼達に標準を合わせている。」
山田流秘奥義~超人記憶術
「翼は輝彦から教えられた住所を頭の中で何回も唱えて、頭に叩きつけた。」
山田流秘奥義~ちょっとうるさい程度
「そのボリュームといったら耳をふさいでもハッキリと聞こえてくるぐらいの盛大な演奏だった。」
山田流秘奥義~驚愕カメレオン
「翼は驚きのあまり視線がハエを追いかけている様に一点に定まらない」
山田流秘奥義~親子ドッキリ対決
「おやじ……あんたも老いたな、と翼は心でそう呟き、腰抜けた輝彦に背を向け」
山田流秘奥義~変態おやじ登場
「それはよく、変態おやじが電車で痴漢をした時に、された女性が鳴らす警報機によく似ていた。」
山田流秘奥義~中年おやじ登場
「中年のおやじが風呂に入ってからの第一声に、その意味は全く別だがそれに似ていた。」
山田流秘奥義~『仏壇返し』
「ましてや数分間で全てを思い出す事は全く不可能だった。翼は思い出す。」
山田流秘奥義~『涅槃』
「しかし、翼の心境が大きく変化したのは彷徨い続けてから、その直後であった。」
山田流秘奥義~『運命』
「大介があまりに耳を疑う発言をした瞬間、ベートーベンの交響曲第五番『運命』が翼の脳に
響き渡っていた。」
山田流秘奥義~『日英日翻訳風』
「そして、翼はこれが一番の衝撃を受けた。これは、それ程まではっきりと見えなかったが、
腰の辺りに何か拳銃の様な武器がチラッと確認できた。」
山田流秘奥義~『その意見に異議無し』
「王様はその意見について顔を見ながら『この意見はよいと思わぬか?』と意見を尋ねた。 」
山田流秘奥義~『一皮剥けたはずが』
「翼は森田との出会いによって、一枚皮がめくれたというか、たくましくなった。」
山田流秘奥義~特異体質
「翼と愛は鬼ごっこ体制へと体を硬く引き締めた。」
山田流秘奥義~写真に目あり
「翼は辛い表情を浮かべながら、写真から強引に目を引き剥がした。」
山田流秘奥義~びっくり時計
「翼はそれに気づくと腕時計に目をやった。アッという間に時は既に九時半を回っており」
山田流秘奥義~体内不完全燃焼
「苦しそうに呼吸を繰り返すだけで、息を吐いては白い煙が舞っては消える。」
旦那
私が長期出張してたときのこと。
毎日のメールはできるだけ明るく心がけてたんだけど、出張はクレーム処理のような仕事なので四面楚歌。
ストレス頂点のときぽろっと、しんどい、みたいなこと書いてしまった。
旦那、自分も超忙しいのに、土日を使って1泊2日で会いに来てくれた。
うれしかった。
日曜の夜、旦那が帰るの空港で見送った。
笑顔でバイバイしたんだけど、夫が手荷物検査場入りかけた背中みてたら、ポロポロ涙出て止まんなくなった。
何気なく振り返った夫が、びっくりして戻ってきてくれてチュっとしてくれた。
ものすごい照れ屋なのに、こんな人が大勢いるところででこんなことしたの、この人の人生で初めてなんだろうな・・・と思ったら、この人と結婚してよかったと心から感じた。
自分のやってしまったことにびっくりして、固まった夫の顔みたら笑顔になれた。
しどろもどろで「今回だけ特別だ、次はないから。」とかなんとか、真っ赤になりながら帰ってった。
もう、1年以上前のことだけど、今でもしんどいとき思い出す宝物な思い出。
四面楚歌
あれは去年の12月の下旬ごろ、クリスマス間近だったっけ。
ある大型量販店に予約したエロゲを取りに行ったんだが、帰りにトイレに寄ったときに商品と財布の入った紙袋を個室に忘れてしまったんだ。
それに気付いたのは帰りの電車を待つ雪の降るホームでさ。
俺は涙目で走りながらトイレに戻ったんだ。
彼女はそこに居なかった。
鼻水まで出てきた。
「 くそっ、まだ近くに居てくれ神様ッ!」
そう呟きつつ、俺は拾得物カウンターに走った。
そこには魔物が居た。
「 お客様、それで失くされた商品名は?」
言えるかこのバカ女がッ!
俺の握り締めた拳は、苦悩の汗で湿り始めた。
その時だった。
店内のジングルベル・ソングがひときわ大きくなり、若い女の声で放送が始まった。
「 XX都XX区からお越しのXXXX様、二階カウンターで…。」
俺だぁッ!
俺は二階カウンターへ走った。
もう言わないでくれ頼むっ!
「 成年向けソフトウェア、『お兄ちゃんもう止めて』を預かっております。
至急…。」
間に合わなかった。
止まった。
周りの家族の談笑、恋人たちの囁き、俺の心臓。
「 袋の中を、そうか、見たのか…、ははっ…。」
俺は、迷子の女の子みたいにしゃがみ込んでしまった。
コレがさらに状況を悪くした。
周囲の視線が俺に集まりだしたのだ。
そして皆が囁く。
「 もういいや、何だって。」
俺は世界のすべてを敵に回して彼女を迎えに行った。
カウンターの女たちは、ロボットみたいな笑顔で俺のレシートと氏名を確認した。
そして、彼女の入った袋を投げてよこした。
俺は幾百もの冷たい視線を浴びながら、彼女を熱く抱きしめて帰った。
「 お兄ちゃん、お前に会いたいからがんばったよ!」
帰り道、都会の汚れた雪たちが俺の火照った顔をやさしく濡らした。
合唱部
高校生の頃の話。
ある日の昼休み、隣の教室から合唱が聞こえてきた。
何事かと見に行ったら合唱部が集まって何か歌ってる。
そうこうしてるうちに、どんどん合唱部員が集まってライブみたいになってきた。
訳が分からなかったので隣のクラスにいた友人に話を聞いたら、合唱部員のいじめられっ子がいじめっ子に「何か歌ってよw」と絡まれたらしい。
普段からおとなしくて何か言う度にクスクス笑われるっていういじめを受けてたとか…。
歌わなかったらそれこそ何を言われるか分からないので、いじめられっ子が泣きそうになりながら小さな声で歌ってたら、通りすがりの部活仲間が事態を察してどんどん参加し、いつの間にか他学年の合唱部員まで呼び出してこんな事になったらしい。
県代表として全国大会に出る程の実力を持った合唱部が数十人集まり、全員じっといじめっ子の顔を見ながら歌ってる姿は圧巻だった。
ちなみにいじめっ子は何回か逃げようとしたが部員が取り囲んでる上、一曲終わると間髪入れず次の曲が始まって逃げるに逃げられない状態だった。
終わったら、
「 この子は何にもしてないだろ。」
「 何かしたのはむしろお前らだろ。」
「 次やったら家まで押しかけて歌い続けてやるからな、俺らはマジでやるぞ。」
「 県大会突破も出来ない弱小運動部が合唱バカにするとは生意気な。」
と、矢継ぎ早に非難の嵐で、いじめっ子が謝るまでやってた。
そして後から教師に聞かれても「歌ってただけです」の一点張り。
あれからいじめっ子は、いじめられっ子に関わろうとはしなくなった。
もし自分がされたら怖くて泣き出す自信があるわ。
何歌ってたんだろう、気になる。
校内の合唱コンクールでやるような奴とか、聞いたこと無い複雑っぽいヤツとか、ピアノ無くても歌えるんだと思ったのは覚えてる。
確かその年も県大会一位で突破してたし、甲子園県大会に招待されて開会式で歌ってた。
ずっと合唱やってて、何回か県大会にも行ったが、県大会突破するレベルになるとマジでランクが違うよ、鳥肌の嵐。
しかも、校内の合唱大会とかじゃないマジのコンクールに使う曲って複雑で不吉な歌詞やメロディが多いから、そういうの歌われたら怖いと思う。
あと、そろいもそろって地声がでかいから、囲まれて非難されたらほんとに怖いと思う。
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