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日々の恐怖 4月19日 ワイの話(5)

2020-04-19 11:39:40 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 4月19日 ワイの話(5)





 祖父母の家に向かう途中の道で、必ず妹が泣き出す場所がある。
そこは見通しが悪いカーブで、地元でも事故が多発する場所として有名だった。
 そのカーブに近づくと、妹は怖い怖いと毎回、泣き出す。
妹がまだ赤ちゃんだった時から、ここの道に近づくとぐずりだして大変だった、とマッマは言っていた。
毎回、この道を通る度に泣き出してうるさかったので、正直、ワイは鬱陶しく思っていた。
 ある日、あまりにも車内で泣き叫ぶ妹に、ブチギレたワイは泣く理由を問い詰めた。
しかし、妹は泣き叫ぶばかりで理由を言わない。

「 言えよ!泣き止め!」

と何度もワイは妹を叩く。
ガッキのワイ、カスだった。

「 言わないと怒るぞ!」

と、既にブチギレながら怒るワイに妹は、

「 言ってもいいの・・・?」

と何度も泣きながら、逆にワイに聞いてきた。

「 言えや~!」

と、なかなか話し出さない妹の頭を叩いていると、遂に妹は限界を迎えたのか泣きながら叫び出した。

「 くろいひかりのたまが!
くろいひかりのたまが、いっぱいあるのぉ~~~~!」

 その日から、魔のカーブに近づくと泣き出す妹+その妹を見て恐怖するワイで、車内が動物園状態になり、暫くしてマッマは祖父母の家に行く道を変えてくれた。
 その後、ワイが小学校の高学年くらいの時に授業で、昔、この辺りに防空壕があった事を知る。
そこは丁度、魔のカーブがある場所だった。










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